小林秀雄 岡潔 『人間の建設』

408冊目！
（2011・新潮文庫の100冊／69冊目！）

人間の建設 小林 秀雄　（こばやし ひでお） 岡 潔　（おか きよし） 新潮社 2010-02-26 by G-Tools

2人の学識者による対談をまとめた本です。小林さんは文系、岡さんは理系の代表のような存在。私が生まれる前に2人とも亡くなっていますが、今もこの1冊を通じて現代の私たちに語りかけています。

今から30年以上も前に、「世界の知力が低下している」（p. 23）と指摘があったことにまず驚きました。もし現代の日本人を著者2人が目にしたら、何を思いどんな意見を述べるのでしょうか？

2人ともそれぞれの専門分野では大きな研究実績を残しています。本文中では話題が多様な分野にまたがり、その見識の広さと思考の深さにもびっくりしました。しかし当人たちは専門外の分野については非常に謙虚で、素直に専門家たる相手の話に耳を傾け、学ぼうとする姿勢を崩していません。

学び、自らを高めるということの本質には、今の自分の到達点に満足せず、常に先達を見習おうとする心構えが見えたように思います。

（古本屋で購入・背表紙幅：0.7cm）

2014/02/09 (Sun) 2011_新潮文庫の100冊