忍者ブログ
流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
 カレンダー 
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
 ブログ内検索 
 プロフィール 
HN:
流れ星
性別:
女性
職業:
アルバイト
趣味:
読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

各記事TOPの
「○○冊目!」…在学中
「○○冊目!」…卒業後
もうすぐ通算650冊に到達予定。
 カテゴリー 
 P R 
 Amazon 
[1]  [2]  [3]  [4
708冊目!
(2012・新潮文庫の100冊)



以前に読んだ「片眼の猿」では、最後の大どんでん返しが強烈な記憶に残っていました。そのイメージで読んだ本作も、「あぁやっぱり同じ仕掛けが入っているのか」とニヤリしつつも、想像を上回る別の仕掛けにノックアウトされました。

主人公は小学生の男の子。クラスメートが自宅で死んでいるのを目撃する、という衝撃的な場面から物語が始まります。読者からすると、てっきりこの子が探偵役になって、事件の真相や犯人を追い、解決してハッピーエンドになると思いがち…いや、期待したくなるところ。

事件(?)は意外な形で真相が明かされ、もやもやする読者に対してこれまた大きなタネ明かしが披露されるのです。(私の場合、読み終わった途端さーっと血の気が引きました)

1回目に読んだときと、2回目に読むときで、あらすじが全く違ってきます。伏線があまりにもさりげなく張り巡らされているので、もう1度読み直したくなってしまうのです。

作者はこの作品を発表した後、さらなる話題作も次々と発表していますが、あいにく私は未挑戦。今更いろいろ読んでみたくて気になり始めたところです。

著者の他の作品:
  ・『片眼の猿』 (2015/09/20の記事
  ・「光の箱」 新潮文庫編集部 編 "Story Seller" 収録(2013/11/19の記事
  ・「暗がりの子供」 新潮文庫編集部 編 "Story Seller annex" 収録 (2016/10/31の記事
  ・「やさしい風の道」 『あの日、君と Girls』収録 (2015/06/26の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.8cm)

拍手[0回]

PR
697冊目!
(2012・新潮文庫の100冊)



「ほんものの兇悪(きょうあく)の嘘つきは、かえって君の尊敬している人の中に在るのかも知れぬ」(p. 148)

太宰の中期作品を集めた1冊です。女性の視点で描いた作品を多く収録しています。

「斜陽」も確か女性の一人称で書かれていました。太宰は女性にモテたと聞き、女心を熟知して手玉に取っていた人物かと思っていたのですが、1冊通して読み終えてみると、かえって女性の心情を完璧に理解していたかどうかはよくわからなくなりました。

青森を出て作家としてのキャリアを重ね始めた彼は、自分の評判を気にして神経質になっていた時期があるようです。期待や不安が入り混じって、微妙に揺れ動く心を抱きながら、よく似た心の動きを女性たちの中にも見出していたのかもしれません。

本文中に登場した本:
  ・p. 118 フローベール 『ボヴァリー夫人』 (2005/11/04の記事

著者の他の作品:
  ・『斜陽』 (2011/09/23の記事
  ・『人間失格』 (2017/02/05の記事

(古書店で購入・背表紙幅:1.2cm)

拍手[0回]

695冊目!
(2012・新潮文庫の100冊)



映画化もされた作品。原作では登場人物が少し多く、一人ひとりの変化が細やかに描かれている気がします。

落語が静かなブームになるきっかけを作った作品のようです。日本の他の伝統芸能や和装について触れている部分もあって、翻訳して海外で出版したらどんな反響があるか個人的には興味があります。確か、一人の演者が複数の登場人物を演じ分ける話芸は海外でも珍しかったはずです。

演目によっては30分以上もかかる噺を、聞いて耳から覚えるというのは現代のデジタル社会ではかなり手間のかかることにも思えます。しかし、人の口から人の耳へ語り、演者が自分の中で言葉や場面を反芻して自分の形に作りかえる過程を追っていると、こうした活動を今も継承することの温かみすら感じられます。

「人情」という言葉にもあるように、単なる「話」ではなく気持ちや情がこもった「噺」に成長していく面白さが落語にはあるのだと思います。

→著者の他の作品:
  ・『黄色い目の魚』 (2014/02/20の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.5cm)

拍手[0回]

693冊目!
(2012・新潮文庫の100冊)



その内容から安易に人におすすめはできませんが、世界の一面を捉えた1冊としてとても重いと感じました。イスラム文化や発展途上国の人権事情に興味がある人には、ぜひ1度読んでほしいです。

ここ1~2年で、ニュースで「ウイグル族」「ロヒンギャ」などの少数民族の名を聞く機会が増えました。著者は今から10年以上前に、彼らが置かれた立場や問題を知り、著作にまとめていました。

母国を離れた出稼ぎ労働者や難民たちは、コロナ禍でさらに苦しい立場に置かれていると聞きます。住環境や衛生面がもともと整っていないところで、感染のリスクにさらされていたり、不安定な雇用が断ち切られたり。本文中に登場した人々の数十万倍の人が、今も苦しんでいると思うと、やりきれない気持ちがより一層深くなります。

著者の公式HP
  ・http://www.kotaism.com

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.5cm)

拍手[0回]

668冊目!
(2012・新潮文庫の100冊)
ビルマの竪琴(新潮文庫)
竹山 道雄

(新潮文庫) 新潮社 (2014-10-31)
「一生に一度かならず軍服をつけるのと、袈裟をきるのと、どちらの方がいいのか? どちらがすすんでいるのか? 国民として、人間として、どちらが上なのか?」(p. 64)

初めてこの作品に目を通したのが、たしか小学校高学年の頃。きっかけはよく覚えていません。でも、当時は映画版も観て「羽生の宿」のメロディーも一緒に覚えた記憶があります。この新潮文庫版の巻末には挿入歌の楽譜もついていて、文語調の歌詞も詳しく確認できました。

夏休みの文庫本キャンペーンをよくみると、意外と戦争関連の作品が少ないです。各社100冊程度のラインナップのうち、多くて2冊くらい。学生ウケを狙うとそうなってしまうのでしょうか。

この作品はフィクションですが、子供向けの丁寧な語り口で語られていることもあり、中学生くらいでも読みやすいと思います。

「われわれは文明の利器をもっているけれども、かんじんなそれを使う人間の心が野蛮じゃないか」(p. 67)

(F市図書館で借りて・背表紙幅:2.0cm)

拍手[0回]

650冊目!
(2012・新潮文庫の100冊)
パンダ
パンダ
posted with amazlet
岩合 光昭

(新潮文庫) 新潮社 (2011-06-26)

→著者の他の本:
   ・『海ちゃん』 (2005/11/30の記事

(ネットの古本屋で購入・背表紙幅:0.6cm)

拍手[0回]

Template by ららららいふ / Material by 素材くん「無料WEB素材屋」

忍者ブログ [PR]