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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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流れ星
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読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

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「○○冊目!」…在学中
「○○冊目!」…卒業後
もうすぐ通算650冊に到達予定。
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686冊目!


(原題:Die Zeit der jungen Solaten)

三部作の最後を飾る1冊ですが、1番重い内容に感じました。筆者はドイツ軍に入隊し、厳しい訓練や激しい戦闘の描写も含まれます。

短いエピソードが次々につづられている形式で、それぞれが「いつ・どこで」起こったことなのかは詳しく述べられていません。もしかしたら、時系列も整っていないのかも。

でも、あえてこの形で語られていたがために私には「著者の体験談」としての生々しさが際立って感じられました。著者が執筆しながら次々に思い付いたことを書き連ねた感じがして、戦争の現場にいた重みがかえって伝わってくるのです。

→著者の他の本:
  ・『あのころはフリードリヒがいた』 (2016/10/29の記事
  ・『ぼくたちもそこにいた』(2018/12/02の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.4cm)

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631冊目!

ぼくたちもそこにいた
リヒター Hans Peter Richter
訳:上田 真而子

(岩波少年文庫) 岩波書店

(原題:Wir Waren Dabei)

中学生のときに読もうとして挫折した経験があります。当時はとても難しくて読みにくいと思ったのですが、あの経験が嘘のようでした。

ユダヤ人迫害が大きなテーマだった前作。この作品では、同じドイツ人でも政治思想が反ナチスであった人々への迫害がより強調されているように感じます。子どもたちがどのようにプロパガンダ教育を受け、兵士へと導いていかれるか、筆者は細かく事実を記しています。

戦前の日本の子どもたちも同じだったのかもしれません。政府のスローガンや学校の先生の教えに異を唱えれば、「非国民」と呼ばれて日常生活が送れなくなります。地域ぐるみで「良き国民」「良き兵士」になることが声高に叫ばれる点も似ています。

→著者の他の本:
  ・『あのころはフリードリヒがいた』 (2016/10/29の記事
  ・『若い兵士のとき』 (2020/11/21の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.4cm)

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584冊目!

ロビンソン・クルーソー(上) ロビンソン・クルーソー〈上〉

デフォー Daniel Defoe
訳:平井正穂

(岩波文庫) 岩波書店 1967-10-16

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ロビンソン・クルーソー(下) ロビンソン・クルーソー〈下〉

デフォー Daniel Defoe

(岩波文庫) 岩波書店 1971-09-16

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(上巻の原題:The Life and Strange Surprising Adventures of Robinson Crusoe)
(下巻の原題:The Farther Adventures of Robinson Crusoe)

小学校の図書室で初めて借りた本だった・・・かな? 今思えば、子ども向けに編集し直した要約版でしたが、原作は300ページ以上もあって読みきるまで時間がかかりました。

また、続編があることも今回初めて知りました。「主人公が1人で無人島生活をするお話」として有名なものの、その後高齢になってから今度はインドや中国まで足を伸ばしていたなんて。(少しだけ日本の商人も登場します)

読み直そうと思ったきっかけは、冒険物語としてではなくキリスト教文学の側面があると知ったから。聖書からの引用や神学的な議論を述べている部分も多く、単に冒険物語として読もうとすると挫折しそうです。

→この作品について触れている本:
  ・長山 靖生 『謎解き 少年少女世界の名作』 (2012/05/13の記事
  ・徳仁 親王 『テムズとともに』 (2012/08/07の記事
  ・ヴェルヌ 『十五少年漂流記』 (2015/03/03の記事
  ・安森 敏隆 他 『キリスト教文学を学ぶ人のために』 (2013/03/07の記事
  ・柳 広司 『ジョーカー・ゲーム』 (2018/09/23の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:上下巻合わせて3.6cm)

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566冊目!

あのころはフリードリヒがいた あのころはフリードリヒがいた

リヒター Hans Peter Richter
訳:上田 真而子

(岩波少年文庫) 岩波書店 2000-06-16

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(原題:Damals war es Friedrich)

小学生の頃、祖父からもらった文学全集の中にこの作品が入っていました。(全30巻! 今思うと、すごいものを送ってきたもんだ・・・) マンガなどでドイツのユダヤ迫害について多少は知っていたものの、当時は「とても暗い作品」の印象が強かったと記憶しています。

20年近く経過して、作品の一部が中学国語の教科書に使われていることを知りました。「あれ?こんな場面あったっけ」・・・お話の内容をはっきりと思い出せないことに気づき、もう1度手に取る機会をようやく得ました。

今読んでみると、ドイツ人の少年から見た戦争や迫害がとても客観的につづられていることがわかりました。あまりにも淡々としている分、子どもの頃の私には「冷たく、暗い印象」しか残らなかったのかもしれません。

日本にも戦時中の出来事を記した文学作品はありますが、子どもを主役にしたものでここまで冷静に書いた作品は思い当たりません。どうしても悲劇的・美談的になってしまうのは国民性の違いなのでしょうか。

→著者の他の本:
  ・『ぼくたちもそこにいた』 (2018/12/02の記事
  ・『若い兵士のとき』 (2020/11/21の記事

(古本屋で購入・背表紙幅:1.5cm)

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513冊目!

にんじん にんじん

ルナール Jules Renard
訳:岸田 国士

(岩波文庫) 岩波書店 1950-04-01

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確か小学校の図書室にありました。「児童文学」とか「名作」とかのあたり。でもタイトルや地味な装丁からはイマイチ面白さが感じとれなくて、目を通さないまま20年以上たってしまいました。

実際に読んでみても、正直おもしろいとは言えません。主人公の男の子は、赤毛だからという理由で「にんじん」とあだ名をつけられ、家族から(特に母親から)虐待のような扱いを受けています。どうしてこれが「子ども向け」のジャンルに入れられるんだろう?

文体も淡々としています。「不思議の国のアリス」のようなファンタジー、「宝島」「十五少年漂流記」のような冒険物語、ペローに代表される童話・・・どれとも違います。子どもウケしそうな描き方ではなく、新聞記事のような事実だけを述べていく素朴な文体です。これは子どもが読んでも飽きてしまうのではないでしょうか。

家庭内のことには無関心な父親、大人の気を引こうとするがゆえの主人公の言動、などには心理学の面から読み解く可能性がありそうです。家庭内の精神的なバランスが偏っていることが、複数の場面に表れていました。

なんとなく地味な印象は読後も抜けないのですが、評価されている作品であることは少し納得できた気がします。

→この作品について触れている本:
  ・アラン 『幸福論』 (2012/05/31の記事
  ・鎌田 實 『なげださない』 (2015/06/10の記事
  ・重松 清 『せんせい』 (2015/10/04の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.1cm)

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430冊目!

希望のつくり方 希望のつくり方
玄田 有史

(岩波新書) 岩波書店 2010-10-21

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「ニート」という言葉を日本に紹介した著者が、その後研究テーマとして選んだのが「希望学」です。現代の日本の若者をずっと見てきた中で、希望とはそもそも何なのか、数年かけてわかってきたことをまとめています。

個人的に堅苦しいイメージのある岩波新書。でもこの1冊は高校生向けです。あと数年で成人し、社会人の仲間入りをする世代にあてて、人生における希望について考えるきっかけになりそう。

希望とはどんな定義ができるのか、「幸福」や「夢」とは何が違うのか。そういえば深く考えることってありませんね。こんな時代だから希望は持てない・・・なんてよく耳にするものの、厳密な使い分け方や違いを問われると、うまく説明ができませんでした。

この本、岩波ジュニア新書にも入れたらいいのでは??

→著者のその他の本:
  ・(共著) 『ニート フリーターでもなく失業者でもなく』 (2013/04/11の記事

(古本屋で購入・背表紙幅:1.0cm)

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