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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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流れ星
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読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

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「○○冊目!」…在学中
「○○冊目!」…卒業後
もうすぐ通算650冊に到達予定。
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125冊目!

声
命四部作〈第4幕〉

柳 美里

(新潮文庫) 新潮社 2004-01


by G-Tools
東由多加が死んだ。自分はその場に立ち会うことができず、彼の死を受け入れることもできない。自分も東と一緒に死にたいと願う筆者を生にとどめたのは、幼い息子の存在だった。

回想シーンと葬儀のシーンが交互に登場する。葬式前後の独特の雰囲気がにじみ出ていて不気味だった。他の3冊よりも東氏についての記述も多くなっているように思う。

予想していた通り、東氏が亡くなることで柳さんはすっかり空っぽになった。読んでいる間も、どうなってしまうかハラハラし通しで、最終的にはなんとか持ち直せたようで安心したけれども。この作品を書くことで自分なりに東氏を弔い、気持ちにも一区切りできたのでは。

→「命 4部作」シリーズ:
  ・『命』 (2005/07/04の記事
  ・『魂』 (2005/07/31の記事
  ・『生』 (2005/08/21の記事
  ・『声』

(C市図書館で借りて)

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120冊目!

生(いきる) 生(いきる)
命四部作〈第3幕〉

柳 美里

(新潮文庫) 新潮社 2004-01


by G-Tools
東の看病に専念するため、幼い息子の世話を知人に任せる著者。息子には東が必要だ、だから彼の看病をしなければならない。なのに、結果として母親である自分が息子のそばにいてあげられない。矛盾する構図の中で精神的にも肉体的にも疲労している様子が読み取れる。

でもなぜだろう、第一幕や第二幕よりも彼の病状は悪化しているはずなのに、前作よりも切羽つまった印象が薄い。実際そんなことはなかっただろうけど、第一幕からの緊迫した雰囲気をずるずる引きずって、読者を飽きさせてしまっているような気もする。

「ナゼワタシダケガコンナメ二!」…この叫びは、痛い。でも、こう叫びたくなるようなどうしようもない状況に追い込まれる人間は、柳さんだけではないと思う。その状況の内容はそれぞれ違うけれども、私達はみな誰でも自分と他の人間とは違うことに絶望を感じ、強い孤独感を抱えて叫びたくなることはあるはず。彼女の叫びに理解はできるけど、同情はできない。

→「命 4部作」シリーズ:
  ・『命』 (2005/07/04の記事
  ・『魂』 (2005/07/31の記事
  ・『生』
  ・『声』 (2005/09/02の記事

(C市図書館で借りて)

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113冊目!

魂
柳 美里

(新潮文庫) 新潮社 2003-12-20

by G-Tools
東由多加さんのガンが進行し、日に日に弱っていく描写が痛々しい。そして子育てと看病と作家活動の三つに追われる筆者の忙しさ。寝る暇もなく衰弱している様子がありありと伝わってくる。

モルヒネを使い始めてから東氏には幻覚症状が現れた。その言動1つ1つにリアリティがあって、自分もその場で彼を前に立っているような錯覚さえ覚える。ガンの治療は難しいとおぼろげながらわかっていたつもりだったけど、こうした闘病生活を見せつけられると絶句する。

柳美里・東由多加・柳丈陽の3人は互いに互いを必要としていた。誰も1人では生きてはいけず、誰か1人が欠けて残りの2人で生きていくことも困難だった。この3人の微妙なバランスが崩れたら、どうなってしまうのか。残りの2冊を早く読みたい。

→「命 4部作」シリーズ:
  ・『命』 (2005/07/04の記事
  ・『魂』
  ・『生』 (2005/08/21の記事
  ・『声』 (2005/09/02の記事

(C市図書館で借りて)

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105冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」64冊目)

命
柳 美里

(新潮文庫) 新潮社 2003-12-20

by G-Tools
 映画にもなったよね、この作品。「100冊」の中では小説扱いになってたけど、これはどちらかといえば「エッセイ・ノンフィクション」のパートに入るのではなかろうか。

 不倫相手との男性の子供を宿した柳美里。彼女の元恋人でガンを発病した東由多加。死にゆく命と生まれてくる命の間で葛藤する著者の思いがつづられている。

 柳さんの感情の起伏の激しさは、最初眉をひそめてしまった。でも後から反省した。私にもこういうところはある。人のこと言えないじゃないか。

 でも1つだけ気になったのは、彼女が自分のことを「悲劇のヒロイン」のような書き方をしていること。本人は全くそのつもりがないかもしれない。でも「私はこんなに苦しんだのよ、誰かわかってよ!」と暗黙のメッセージがあるような気がする。実在の人物の名を(全員ではないが)挙げて出版し、公の場に出してしまうこと自体、違和感がある。

 人の誕生と死の両方に同時に立ち向かう機会は確かに珍しいかもしれない。でも似たような経験をした人は世の中にまだ何人もいるんじゃないかな。ただ、柳さんは作家だったからそれを記録し、自分の思いを社会に打ち明けることができただけ。

 この人の文章の書き方…好きとも嫌いとも言えない。何か強いものが伝わってくるのは確かだけど。

→「命 4部作」シリーズ:
  ・『命』
  ・『魂』 (2005/07/31の記事
  ・『生』 (2005/08/21の記事
  ・『声』 (2005/09/02の記事

(C市図書館で借りて)

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