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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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 プロフィール 
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流れ星
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女性
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アルバイト
趣味:
読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

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「○○冊目!」…在学中
「○○冊目!」…卒業後
もうすぐ通算650冊に到達予定。
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719冊目!



仕事の繁忙期と重なってしまい、読み終わるまでのべ4か月かかりました。。。でもおもしろかった。読んでよかったです。

メインテーマの1つは「冤罪であることの証明」。先日、袴田事件でも再審が認められたばかりですが、作中でも警察側が犯人を仕立てあげて事件の筋書きが作られていく様子が描かれていました。

司法や医療の素人には、事件の経過に潜む嘘や矛盾は見抜けません。それどころか、捜査のプロや医療の専門知識を持っている人々でさえ、隠れた事実を見つけ出し、世の中に証明するにはコストも時間も技術も浪費するのだと筆者は暗に指摘しているように思います。

作品内では、3日というタイムリミットが設定されて、ほぼ病院内の設備を使うのみで真犯人が暴かれました。しかし、現実にはこんなに鮮やかに進むことはない気がします。あくまでもフィクションであって、我々読者は実際に冤罪の被害にあった方々にも目を向けなければならないのだと思います。

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.8cm)

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680冊目!



実在の心臓外科医の半生をまとめたノンフィクション。読みながら、著者の小説に出てくる外科医に似ているところがあるなぁと思いましたが、実際に著者が尊敬する人物の一人だそうです。

筆者が何度も触れている通り、須磨さんは手術の技術が優れているだけでなく、自らの人生の岐路にたったときの決断力でも並の人間とは異なっています。心臓外科を目指したいのに一般的な外科医から働き始めたり、直感で海外行きを決めたり。怖いもの知らずで世界を渡り歩く姿は、「かっこいい」を通り越して「神がかってる」ようにも見えてきます。

本人はそれを自慢する様子がなく、目の前のやるべきことを淡々と、そして黙々とこなしているようです。「プロフェッショナル」な仕事を突き詰めると、表紙の写真のような背中になるのでしょうか。

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.0cm)

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619冊目!

トリセツ・カラダ トリセツ・カラダ

文:海堂 尊
絵:ヨシタケ シンスケ

宝島社 2009-11-06

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サブタイトルは「カラダ地図をかこう」。自分の体の中にどんな臓器がどんな位置で収まっているのか、絵をかけるようになろうという主旨の本です。中学生の自由研究にピッタリかも、時期的に。

説明を読む部分が多い気もしますが、イラストが多くて子どもにも読みやすいつくりになっています。巻末の絵描き歌も楽しい。

筆者が主張している通り、一応学校で勉強してあっても「自分の体の中身を正しく書く/臓器の役割を説明する」ことができる読者は極端に少ないと思います。(私自身がそう) これまでの学校教育が暗記中心だったことを差し引いても、現代日本人は身体の内側に対する関心が低いのではないでしょうか。

2020年に学習指導要領が改定されますが、生徒が主体的に学ぶ形に時代がシフトしていくなら、理科(生物)や保健体育などでこの本のような教材がもっとたくさん作られることを望みます。

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.3cm)

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572冊目!

4796669124 ジェネラル・ルージュの伝説
海堂尊ワールドのすべて

海堂 尊

宝島社 2009-02-20

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以前図書館でこの本を見つけ、著者の作品を読み進めたらいつか借りようと決めていました。その間にさらに新作が出てしまって、著者には全然追いつけないけど・・・。

なぜ登場人物が重複するのか、1つの出来事を二方向から別々の作品として発表しているのか。著者の狙いを読むことができて、作りこまれた世界の奥深さに一層感嘆しました。ちゃんと本屋をリサーチして、売れる作品を書き続ける作戦も練っている辺り、医者というより立派なプロデューサーの顔が見えます。

個人的には「登場人物一覧」が好きです。ここまでリストを作り上げた編集者もスゴイ。

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.8cm)

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563冊目!

マドンナ・ヴェルデ マドンナ・ヴェルデ

海堂 尊

(新潮文庫) 新潮社 2013-02-28

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(英題:Madonna Verde)

「ママ、私の子どもを産んでくれない?」(p. 22)

『ジーン・ワルツ』の裏側を描いたお話。海堂作品では医療関係者が主人公になることが多いのですが、一般女性を中心にストーリーが進んでいくのが新鮮です。代理母についての問題が決して専門家だけのものではなく、私たち一人1人に提示されているかのよう。

お話は『ジーン・ワルツ』と同じ10ヶ月間。その時間軸を俳句の言葉や二十四節気で表現しているところも、著者の他の作品とは異なります。料理を作る場面の描写では、おいしそうな料理が1つ1つできあがっていく映像が生き生きと脳裏に浮かびました。

(古本屋で購入・背表紙幅:1.3cm)

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556冊目!

極北クレイマー 極北クレイマー
新装版

海堂 尊

(朝日文庫) 朝日新聞出版 2013-10-08

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上下巻だった文庫版を、さらに合本した新装版。一気に読みたい人間にはこちらの方がありがたいです。

海堂作品ではこれまでにも「極北市」(架空の都市の名前。北海道内という設定)が何度も出てきていますが、物語の舞台が置かれるのは初めて。現地に派遣されてきた主人公・今中と共に、読者はこの地の現実を目の当たりにすることになります。

架空のはずなのに、妙に現実めいている地方都市。医療だけではなく、公共事業そのものが破綻している地方自治体の姿をみていると、とても他人事とは思えません。筆者は過去にも行政に対する批判をたっぷり盛り込んだ作品を発表していますが、今回は地方行政に対する切れ味が特に鋭くなっています。

単に役人を非難するだけでなく、筆者のメッセージは住民一人1人にも向けられているように思います。メディアの情報を鵜呑みにするのではなく、医療サービスを受ける側も現代の地域医療が抱える問題について学んでいかなければならない。続編『極北ラプソディ』にもつながる重要なテーマのように思います。

(古本屋で購入・背表紙幅:1.8cm)

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