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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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文学部在学中に223冊を読破。

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622冊目!

グリムの昔話と文学 グリムの昔話と文学

野村 ひろし(※)

(ちくま学芸文庫) 筑摩書房 1997-06

※「ひろし」は「さんずい」に「玄」の字

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筆者の複数の論文をまとめて1冊にしたもの。重複する内容もありますが、学生時代に読んでおけばよかったと思えるほど興味深い内容でした。

これまで私が読んできたグリム童話に関する研究は、本編の内容に着目するものに偏っていたのだと気づきました。神話と伝説と昔話の違い(そういえばあまり考えたことなかった)、ドイツ文学の歴史におけるグリムの立ち位置(ドイツ文学史が難しすぎて逃げていた)、など今読んでみると面白そうなテーマです。

→著者が手がけた、グリム童話の完訳版:
  ・『完訳グリム童話集 1』 (2012/01/12の記事

→著者の他の本:
  ・『もっと知りたいグリム童話』 (2005/09/28の記事
  ・『目で見るグリム童話』 (2012/10/11の記事
  ・『ドイツの子どもの本』(2014/09/28の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.4cm)

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444冊目!

ドイツの子どもの本 ドイツの子どもの本
大人の本とのつながり

野村 ひろし(※)

白水社 2009-10-22

※「ひろし」は「さんずい」に「玄」の字

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以前、グリム童話の完訳版を読みました。その訳者、野村先生の著書です。

タイトルにもあるとおり、大人の本=小説などとの関連について触れている章もあります。学生時代に受講した<ドイツ文学史>を思い出しながら、古典作品や文学思想の流れをつかむことができました。

子ども向けの本の内容と、大人向けの本の内容は密接な関係にある・・・意外な点が指摘されていて驚きました。しかしよく考えればその通りで、大人が子どもについてどう考え、何を期待して作品を与えているかは、時代によって変化するのは当然なのかもしれません。

印刷技術、製本技術の発展も大きな影響を与えています。野村先生が他の著作で紹介している「一枚絵」から始まり、白黒の本、多色刷りの本へと拡がっていくにつれて、作家たちの表現手法も幅が広まっているのがわかります。

その点では、今後は電子書籍やタブレット形式の絵本が主流になっていくのかもしれません。IT技術の進歩で出版やメディア業界が大きく変わるにつれ、子どもの本の形態も歴史的な転換期にあると見ることもできそうです。

→著者が手がけた、グリム童話の完訳版:
  ・『完訳グリム童話集 1』 (2012/01/12の記事

→著者の他の本:
  ・『もっと知りたいグリム童話』 (2005/09/28の記事
  ・『目で見るグリム童話』 (2012/10/11の記事
  ・『ドイツの昔話と文学』 (2018/08/24の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:2.3cm)

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294冊目!

グリム童話(上) グリム童話(下) グリム童話(上・下)

ヤーコプ グリム Jacob Grimm
ウィルヘルム グリム Wilherm Grimm
訳:池内 紀(おさむ)

(ちくま文庫) 筑摩書房 1989-12


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ちくま文庫にはじめ収められていたグリム童話です。野村ひろしさんの完訳版が出るまで、この上下巻が入っていました。

完訳版を読んだ後だと、少し物足りない感じも残ります。収録されている話の数が少ないし、意訳されている部分も多い印象。でも、親しみやすく自然な言葉を選んでいるので、内容を知る分にはこれでいいのかもしれません。

(個人的には、原文のドイツ語が気になるので野村版の方が好きです)

童話が紙に記録される以前、つまり口述で伝えられていた頃は、言葉のリズムや韻も魅力の一つだったと思います。日本の「ももたろう」でも、「どんぶらこ、どんぶらこと桃がながれてきました・・・」は自然に思い出せるフレーズです。聞いていて気持ちがよく、楽しい言葉は、物語の展開とは別の面で、娯楽の要素の一つであったかもしれません。

そう考えると、この池内版の訳もアリなのかな、という気がしてきます。

→本書について触れていた本:
  ・有馬 哲夫 『ディズニーの魔法』 (2011/10/15の記事

(C市図書館で借りて・背表紙幅:上下巻合わせて2.9cm)

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284冊目!

目で見るグリム童話 目で見るグリム童話
野村 ひろし(※)

(ちくま文庫) 筑摩書房 1996-10


※「ひろし」は「さんずい」に「玄」の字

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グリム童話の完訳を手がけた野村さん。研究書も書いているので、これから少しずつ読んでみたいと思い、まずはこの本を手に取りました。

この本でのテーマは、「一枚絵」と呼ばれる絵本と新聞の中間のような印刷物です。文字の読み書きができない人のため、物語を漫画のように表現して伝える方法が教会などでも古くから行われていました。グリム童話が出版された直後も、印刷技術の発展とともにこの形態が使われていたことがわかります。

興味深かったのは、はじめは安い紙・粗末な印刷で低俗なものとみられていたのに、技術が進歩して著名な画家が携わるようになると芸術的価値も認められていったという過程です。

現代では表現の手法として認められている小説や映画、それこそ漫画も、かつては庶民のもので品がないととられられていた時代がありました。本書で紹介されている絵だけ見ていても、時代を経て描写は細やかになり、メディアの一つとして重視されていった流れがつかめます。

カラーの図版が多いので、もともとグリムに親しんでいる人でも眺めていて楽しい1冊です。

→著者が手がけた、グリム童話の完訳版:
  ・『完訳グリム童話集 1』 (2012/01/12の記事

→著者のほかの本:
  ・『もっと知りたいグリム童話』 (2005/09/14の記事
  ・『ドイツの子どもの本』 (2014/09/28の記事
  ・『ドイツの昔話と文学』 (2018/08/24の記事

(C市図書館で借りて・背表紙幅:1.1cm)

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236冊目!

完訳グリム童話集 7 完訳グリム童話集 7
ヤーコップ グリム Jacob Grimm
ヴィルヘルム グリム Wilhelm Grimm
訳:野村 ひろし(※)

(ちくま文庫) 筑摩書房 2006-06


※「ひろし」は「さんずい」に「玄」の字

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グリム童話集の7冊目。これで、200のお話を全て読み終えました。(正確には、201+聖人伝10編)

「初版グリム」がブームになってしばらくたちますが、ブームで終わってしまったのがもったいないくらい、奥が深い世界でした。

初版から第7版に至るまで、グリム兄弟が残酷なメルヒェンをいかに書きかえていったか? その過程ももちろん面白いのですが、なにしろ200もの物語の内容やパターンがバラエティ豊かでした。

日本人も知ってる「灰かぶり」や「ブレーメンの音楽隊」のように、ハッピーエンドで楽しいものもある一方、たった2ページで何を言いたいんだかよくわからないものも混じっています。民話だとわからなければ、ただ単にボツになったお話が紛れ込んでしまったかと錯覚するくらいです。

しかし、グリム兄弟が学者としてこれらの口承民話をまとめ、後世に伝えようとしたことは事実。当時のドイツ語、生活習慣、一般民衆の世界観など、貴重な資料として残っています。

私は大学でドイツ文学をちょこっとかじった程度ですが、そんなほぼ素人な人間でも当時の人々の暮らしぶりがありありと見えてくるようでした。この感覚は、全部読み通したからこそ得られる感覚のような気もしています。

訳を手がけた野村さんは、あとがきで「学生と演習でグリムを読んで、議論するのが楽しかった」という内容のことを書いています。私もその授業、出られるものなら出てみたいな~

全部がんばって訳し終えた野村さんに、お疲れ様と言いたいです。そして、現代の日本語に訳しおろされた珠玉のメルヒェンたちが、より多くの人々に触れてもらうことも望みます。

→「完訳 グリム童話集」シリーズ:
  ・ 1 (2012/01/12の記事
  ・ 2 (2012/02/20の記事
  ・ 3 (2012/03/13の記事
  ・ 4 (2012/05/01の記事
  ・ 5 (2012/05/15の記事
  ・ 6 (2012/05/24の記事

(C市図書館で借りて・背表紙幅:1.2cm)

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232冊目!

完訳グリム童話集 6 完訳グリム童話集 6
ヤーコップ グリム Jacob Grimm
ヴィルヘルム グリム Wilhelm Grimm
訳:野村 ひろし(※)

(ちくま文庫) 筑摩書房 2006-05


※「ひろし」は「さんずい」に「玄」の字

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グリム童話は、もとは民話です。そのためか、日本の昔話とよく似たお話も混じっているように思います。

たとえば、「152. 羊飼いの男の子」の問答は「一休さんのとんち話」に似ているし、「165. たくましいハンス」が力わざで相手を打ち負かすさまは「力太郎」そっくりです。

東西を問わず、おもしろくて語り継がれる物語の典型は共通しているみたいです。

また、各巻の巻末に掲載されている野村さんの解説は、1~6巻まで連載のように内容がつながっていました。グリムの初版がブームになったことがありましたが、さまざまな専門家の意見を紹介しながら、野村さんなりに「グリム童話は子どもが読むにふさわしいか」を論じています。

グリムの研究者の名前や立場も紹介されていて、参考にもなりおもしろかったです。

→「完訳 グリム童話集」シリーズ:
  ・ 1 (2012/01/12の記事
  ・ 2 (2012/02/20の記事
  ・ 3 (2012/03/13の記事
  ・ 4 (2012/05/01の記事
  ・ 5 (2012/05/15の記事
  ・ 7 (2012/06/04の記事

(C市図書館で借りて・背表紙幅:1.8cm)

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