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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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流れ星
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文学部在学中に223冊を読破。

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「○○冊目!」…在学中
「○○冊目!」…卒業後
もうすぐ通算650冊に到達予定。
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174冊目!

雪国 雪国
川端 康成

(新潮文庫) 新潮社 2006-05


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2008年、品格を育てる12冊(All About)より、12冊目!
http://allabout.co.jp/gm/gc/208260/12/
12冊全部、読み終わったー!!

1回読んだことがあるはずなのに、すっかり内容を忘れていました。今思うと、この作品は詳しい状況説明が省略されていて(何年たった、何月になった、など)、文字をただ追うだけでは展開がわかりにくいためのようです。

実際、解説を見てみたら、同じようなことが指摘されていた^^;; だから何度も何度も読んでみないと、本当の良さはまだわかりません。

作品の一部分は、最初『徒労』という題だったそうです。それを『雪国』に変更して、ヒロイン・駒子の心の美しさをより際立たせる作品に仕上げた。美とは何か? 考えながら書いている著者の姿を想像すると、まるで彫刻家が木を削っているイメージに重なってきます。

後半で、作品の舞台で作られる縮(ちぢみ)という着物について説明が展開されます。ここも6年前はちんぷんかんぷんでした。今は、いろいろ染織についても勉強したおかげで、すらすら読めるようになっていました。なんか嬉しい^^

いつかまた読み返すときに、新しい発見ができる自分でいられるといいなぁ。

→1回目に読んだときの感想:
  ・2005/01/26の記事

→本書について触れている本:
  ・恩田 陸 『夜のピクニック』 (2012/05/13の記事

→解説によると、この時代に日本にも紹介されたらしいです。川端も読んでたかも?:
  ・アラン 『幸福論』 (2012/05/31の記事

(市立図書館で借りて・背表紙幅:0.8cm)

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170冊目!

三島由紀夫レター教室 三島由紀夫レター教室
三島 由紀夫

(ちくま文庫) 筑摩書房 1991-12-04


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2008年、品格を育てる12冊(All About)より、11冊目!
http://allabout.co.jp/gm/gc/208260/11/

「レター教室」と銘打った文例集でありながら、順番に読むと小説になっているという不思議な作品でした。それぞれの手紙につけられたタイトルが、おもわず読者の好奇心をくすぐるものでおもしろいです。

年齢・性別・職業の違う5人が、たがいにやりとりする手紙。時代の違いによる差もあれ、電子メールに慣れてしまった今読むと、言葉遣いがなんだか温かみがあるように思えてきます。

「手紙」という形をとれば、誰でも作家になれる。その1通だけでも1つの世界が広がっているし、やり取りを通じたコミュニケーションという点で見ても、1つの物語になる。手紙も文学作品の1ジャンルとして考えると、読み方の幅が広がってきそうです。

→著者の他の本:
  ・『仮面の告白』 (2008/08/20の記事
  ・『金閣寺』 (2005/02/12の記事

→本書のように、小説が手紙の形式で表現されている作品:
  ・ウェブスター 『あしながおじさん』 (2010/02/22の記事
  ・ウェブスター 『続・あしながおじさん』 (2012/07/15の記事
  ・宮本輝 『錦繍』 (2005/04/01の記事

→本書のように、作家が文章の書き方を教えるという内容の作品:
  ・井上ひさし 『井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室』 (2006/01/04の記事

(市立図書館で借りて・背表紙幅:1.1cm)

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161冊目!

斜陽 斜陽
太宰 治

(新潮文庫) 新潮社 2003-05


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2008年、品格を育てる12冊(All About)より、10冊目!
http://allabout.co.jp/gm/gc/208260/10/

間が空きましたが、あとちょっとで12冊読み終わりそうなのでがんばります。ラストスパートだ!

漫画版で予習しておいたおかげで、あらすじがとてもよくわかりました。まんがで名作を読むというのは違和感もあったけど、活字で読むための参考として活用するのもアリだと思います。

1度読んだはずなのに、さすがに6年も経って忘れていました。こんなお話だったっけか?? 読後の印象もまったく違いました。

それはただ単に、まんがで読んでおいたからだけではないと思います。読み手である私自身が、6年という歳月を経て変わったのでしょう。6年前は、よくも悪くも世間知らずでした。ちょうど、主人公のかず子みたいに。

「ああ、人間の生活って、あんまりみじめ。生れて来ないほうがよかったとみんなが考えているこの現実。そうして毎日、朝から晩まで、はかなく何かを待っている。みじめすぎます。生れて来てよかったと、ああ、いのちを、人間を、世の中を、よろこんでみとうございます」(p. 97)

戦争はかず子たち一家を没落させ、滅亡へと追いやっていきます。しかし没落と堕落は違います。かず子も、お母さまも、直治も、滅びの中で美しさを求めていました。美しく滅ぶことに希望を見いだし、最後の命の輝きや誇りを保とうとしていました。

「僕は、僕という草は、この世の空気と陽の中に、生きにくいんです。生きて行くのに、どこか一つ欠けているんです。足りないんです。いままで、生きて来たのも、これでも、精一ぱいだったのです」(p. 150)

戦争は人々から何を奪ったのか?という問いと同時に、世間(あるいは社会)は人々に何を奪い何を残すのか?というテーマが非常に強く出ている作品だと感じました。

→関連の本:
  ・『斜陽』 (1回目に読んだときの感想・2005/01/23の記事
  ・『斜陽 まんがで読破』(イーストプレス版) (2011/08/09の記事

→本書が登場する本:
  ・橋本紡 『流れ星が消えないうちに』 (2011/09/23の記事

→作者の他の作品:
  ・『きりぎりす』 (2021/05/22の記事

(市立図書館で借りて・背表紙幅:0.9cm)

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73冊目!

殉情詩集・我が一九二二年 殉情詩集・我が一九二二年
佐藤 春夫

(講談社文芸文庫) 講談社 1997-07


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2008年、品格を育てる12ヶ月(All About)より、9冊目!
http://allabout.co.jp/gm/gc/208260/9/

「さんま、さんま
そが上に青き蜜柑の酸(す)をしたたらせて
さんまを食ふはその男がふる里のならひなり」(p. 150)


あまりに有名な、「秋刀魚の歌」(「我が一九二二年」収録)。実際に通して読んでみると、味わい深くて感動しました。読んでいてさんまをつつきたくなってきます(まだ早いか)。書かれてから100年近くたっても読者にそう思わせる力を持っているというのはやはりすごい。

「さんま、さんま
さんま苦いか塩つぱいか。
そが上に熱き涙をしたたらせて
さんまを食ふはいづこの里のならひぞや」(p. 152)


同時に、「男」の寂しさ、孤独感が一段と際立つ名作だなとしみじみ感じられます。谷崎純一郎の妻、千代への思いがなければこの作品も生まれなかったんですよね。10年越しで思いを遂げたという逸話からも、著者の一途さが伝わってきます。

詩集に収められた作品を読んでいると、口語詩あれば文語詩あり。古文調・散文調・漢文調もあり、ギリシャの古典にインスピレーションを得たものがあればさらりとした抒情詩もあり…。さまざまな文学に通じていたことがうかがえる作品群でした。

(Amazonで購入・背表紙幅:1.2cm)

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56冊目!

猫と庄造と二人のおんな 猫と庄造と二人のおんな

谷崎 潤一郎

(新潮文庫) 新潮社 1951-08-25


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2008年、品格を育てる12ヶ月(All About)より、8冊目!
http://allabout.co.jp/gm/gc/208260/8/

仕事もろくにできず、ペットの雌猫と遊んで「いちゃつく」のが唯一の楽しみという男・庄造

彼の前妻で、猫を引き取ることで彼の気をひこうとする女・品子

現在の妻で、猫に嫉妬し追い出そうとする女・福子

三人の人間の思惑を知ってか知らずか、人間の家どころかこの物語をもするりと自由に出入りする猫のリリー

タイトル通り、「猫と庄造と二人の女」が織りなす物語。特に三人の人間の心理描写が、ノリのいい関西弁と共に代わる代わる展開される。

「品子にも、福子にも、母親にも分って貰えない淋しい気持ちを、あの哀愁に充ちたリリーの眼だけがほんとうに見抜いて、慰めてくれるように思い、又あの猫が心の奥に持っていながら、人間に向って云い現わす術を知らない畜生の悲しみと云うようなものを、自分だけは読み取ることが出来る気がしていた」(p. 108)

庄造はイマイチ男らしさや風格に欠ける人物。その彼が唯一(人間ではなく)猫に依存している様子は、現代でいう「オタク」や「草食系男子」に通じるものがありそう。

猫が大好きな人がこの作品を読んだら、どんな反応があるのかなぁ。

→著者の他の本:
  ・『痴人の愛』 (2005/01/21の記事
  ・『春琴抄』 (2019/06/08の記事

(書店で購入・背表紙幅:0.7cm)

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49冊目!

芥川龍之介 芥川龍之介 [ちくま日本文学002]
芥川 龍之介

(ちくま日本文学) 筑摩書房 2007-11-20


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2008年、品格を育てる12ヶ月(All About)より、7冊目!
http://allabout.co.jp/gm/gc/208260/7/

砂漠で孵った河童。この世界で生きることの意味。

『トロッコ』『杜子春』などの短編はわかりやすく以前から何度も読んできましたが、『河童』はうつ病になった私にとって鮮烈な印象を残しました。

何が正しくて、何が正しくないんだろう。常識って何なんだろう。河童の国に迷い込んだ主人公が、だんだん神経衰弱を起こしていく様子が、不思議と自分と重なりました。

もしかしたら、芥川龍之介もうつ病状態だったのかもしれない。

そう思うと、これまでただ単に「短編小説の名手」としか見ていなかった彼が、より身近で人間味を帯びてきたから不思議です。

→著者の他の本:
  ・『羅生門・鼻』 (2005/01/06の記事
  ・『蜘蛛の糸・地獄変』 (2017/07/15の記事
  ・『羅生門・鼻・芋粥』角川文庫 (2022/01/29の記事

(書店で購入・背表紙幅:1.9cm)

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