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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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文学部在学中に223冊を読破。

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もうすぐ通算650冊に到達予定。
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38冊目!

銀の匙 銀の匙
中 勘助

(岩波文庫) 岩波書店 1999-05


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2008年、品格を育てる12ヶ月(All About)より、6冊目!
http://allabout.co.jp/gm/gc/208260/6/

子供時代の思い出をつづった、自伝的とも言われる作品。「銀の匙」とは、病弱な主人公が子供時代に薬をのむのにつかったお匙を指しています。

単なる子供時代の回想録ではなく、子供の目線で広がる世界をメルヘンのようにつづるのがこの作品の特徴ですね。

引っ込み思案で、伯母さんの背中にかじりつきながらでないと外に出られなかった主人公。そんな彼が、過去を温かい気持ちでふり返って文章をつづります。後編に入ると、すっかり大人びた主人公との対比も明らかに。

読んでいるこちらの子供時代の思い出も自然に浮かんでくる。そんな一冊です。

(地元の県立美術館で借りて・背表紙幅:0.9cm)

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12冊目!

草枕 草枕
夏目 漱石

(新潮文庫) 新潮社 1968-03


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2008年、品格を育てる12ヶ月(All About)より、5冊目!
http://allabout.co.jp/gm/gc/208260/5/

※All Aboutでは岩波文庫版ですが、今回は新潮文庫版を読みました。

自然の描写はもちろん、この本は漱石の「美術論」「芸術論」的な位置を示す作品でもあるのでは。

一応、主人公とある女とのやりとりをつづった小説の形を取っているけれど、あえて主人公を画家に設定して、色々と美や芸術について論じている部分も多いです。論文読んでるんだっけと勘違いしかけたとこもありました。

でも今の私にはまだまだ難しいと感じました。何年か経って読み直せば、また印象は変わってくるのかな。

→この本について触れている本:
  ・夏川 草介 『神様のカルテ』 (2014/11/21の記事

→著者の他の作品:
  ・『三四郎』 (2009/01/28の記事
  ・『それから』 (2014/12/28の記事
  ・『門』 (2015/04/25の記事
  ・『夢十夜・草枕』 集英社文庫 (2013/08/26の記事
  ・『こころ』 角川文庫(2014/03/09の記事

(C市図書館で借りて・背表紙幅:約0.7cm)

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8冊目!

阿房列車 阿房列車
内田百けん集成〈1〉

内田 百けん

(ちくま文庫) 筑摩書房 2002-10


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2008年、品格を育てる12ヶ月(All About)より、4冊目!
http://allabout.co.jp/gm/gc/208260/4/

※「百けん」の「けん」はもんがまえ(門)に「月」です

12冊シリーズも、やっとこさ3分の1…「まだ3分の1じゃないか」と言われそうですが、それは置いといて。

(↑のAll Aboutのリンク先にも書いてあるように)3冊目の森見さん(当ブログ2008/07/29の記事)と文体が確かに似ています。
わがままで自分勝手なんだけど、どこか憎めない一種の魅力を持っているというか。

でも読みなれてないと、文体に飽きて挫折するかも。個性が強いから。

内容は電車旅行のエッセイといったところ。鉄道ファンの皆様、必読です!特に電車で旅行するのが好きという人には、「あぁ~内田さんの気持ちよくわかるー!」なんて感激しちゃう描写が多いかも。

じっくり読んでると、一冊を通してちゃんと四季おりおりを追っていることもわかりますね。地方によっては、地元と季節の進み具合が違ったりして、それも旅の醍醐味かと思うんですが。内田さんはそれも旅情として組み込んでちゃんと書いていますね。

作品として発表されたのは戦後まもなくの昭和27年。なので当然、国鉄です。今と違って、ICカードも新幹線も、はたまた携帯もグリーン車もない時代。当時のことを知らない世代(←私みたいな)には読みにくいかもしれませんが、かえって新鮮でむしろ今のようなスピード社会よりも贅沢。

乗換えの列車を待とうにも、なーんにもすることがなくて2時間ホームで過ごすなんて、今じゃ考えられませんしね(^-^;) 昔の鉄道の雰囲気を知るのにも貴重な作品だと思います。

(C市図書館で借りて・背表紙幅:1.8cm)

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5冊目!

有頂天家族 有頂天家族
森見 登美彦
幻冬舎 2007-09-25


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2008年、品格を育てる12ヶ月(All About)より、3冊目!
http://allabout.co.jp/gm/gc/208260/3/

読み始めよりも、読み終わりで格段にハマりました! なんだこれ、読んでて気持ちがいいくらい面白い!

独特の文体に慣れるまでは少し読みにくさを感じたものの、ユーモアたっぷりの描写力と個性的(すぎる)キャラクターに魅かれて、難なく読破。冗談のようなふざけた文章ばかりではなく、要所要所ではほろりと家族愛に泣かせる部分も。森見さんの本は初めてだけど、こりゃぁ他の本も気になるなぁ。

人間×天狗×狸の三つ巴の化かし合い。古来からの力関係が本編の中では崩れ、天狗らしくなってしまった人間の女性・弁天、威厳を失い落ちぶれた天狗の赤玉先生、父の血を受け継ぎながらも家系の誇りを失った狸の四兄弟…。

それぞれが互いに繰り広げるやりとりが、絶妙にからんでクライマックスへと突き進んでいく様は圧巻でした。

第二弾の執筆も決まっているというから楽しみです。

→著者の他の作品:
  ・『太陽の塔』 (2015/06/18の記事
  ・「四畳半世界放浪記」 "Fantasy Seller" に収録 (2015/06/21の記事

(書店で購入・背表紙幅:3.2cm)

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3冊目!

つくもがみ貸します つくもがみ貸します
畠中 恵

角川書店 2007-09


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2008年 品格を育てる12ヶ月 (All About)より、2冊目
http://allabout.co.jp/gm/gc/208260/2/

All Aboutのリンク先にも書いてあるように、この本に収録されている5つの短編作品のタイトルは、全て日本の古典色名。色彩検定で覚えてなじみのある色もありますね。「蘇芳(すおう)」とかね。

100年の時を経て、道具に宿った付喪神(つくもがみ)たち。そして、血のつながりはないけれど力を合わせて貸し物屋を営む姉弟。両者が直接口を聞くことは決してないのに、意志の疎通ができてるようなできてないような…その微妙な距離感がうまくユーモラスに書かれてます。

道具に魂が宿るというオカルト的な要素が含まれている割に、すんなりと物語の世界に引き込まれてしまうのは付喪神たちの個性がはっきりしているせいかも。

その中で、私が思わずうなってしまったのが次の一文。

「法からすり抜け、この世で罪には問われないこともあるのだ。分かっている、分かっている。
だがそれを知って開き直っている者がいる故に、分かってはいても納得できず、総身は幽霊と化すのだ。復讐を思い立つのだ。馬鹿だと思っても、どうしても、いつまでも納得できないまま……。」(p. 100-101 改行本文)


特に前半。現代の日常生活でも、ニュースを見ていて思い当たる節があるような気がして。現代も江戸も、時は変われど人間の本質は変わらないものですね。

色彩や道具の役割・使い道などがうまく話の展開をリードしているのも絶妙です。まるで時代劇のドラマでも見ているような錯覚。時代小説に読み慣れていない人にも楽しめる作品だと思います。

→文庫版:
  ・角川文庫版 (2017/10/11の記事

→著者の他の作品:
  ・『ゆめつげ』 (2015/10/10の記事
  ・「太郎君、東へ」 "Fantasy Seller" に収録 (2015/06/21の記事

→「しゃばけ」シリーズ:
  1.しゃばけ (2016/09/10の記事
  2.ぬしさまへ (2016/11/23の記事
  3.ねこのばば (2017/02/18の記事
  4.おまけのこ (2017/04/23の記事
  5.うそうそ (2017/07/30の記事
  6.ちんぷんかん (2018/10/27の記事
  8.ころころろ (2024/04/20の記事

(書店で購入・背表紙幅:2.4cm)

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217冊目!

初ものがたり 初ものがたり
宮部 みゆき

(新潮文庫) 新潮社 1999-08


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2008年 品格を育てる12ヶ月 (All About)より、1冊目
http://allabout.co.jp/gm/gc/208260/

江戸時代の深川を舞台にした、時代小説。タイトルの「初ものがたり」とは、(食べ物の)「初物」「物語」を組み合わせた造語のようです。

この小説の1番の特徴は、タイトル通り旬の食べ物が各短編のキーになっていること。よく読むと、春夏秋冬それぞれの季節が描かれているのもなかなかうまいと思います。

時代小説や推理小説を読みなれていない人でも、こうした食べ物の話題がある分楽しめるのではないでしょうか。もちろん、そうでなくても宮部みゆきさんの文体には十分読者を引き込む力があると思うけどね。

四季折々の移ろいを、自然を見るだけではなく食べ物を通しても感じる。これって、日本人だからこそわかる感覚なのかもしれません。そしてその感覚は、現代の私達にも通じているんですよね。物語の舞台が江戸時代だからこそ、そんなメッセージが込められているような気もします。

最近は輸入食品も普及したし、端境期の食べ物だってスーパーで簡単に手に入る時代です。1年中、同じものを食べることだって可能だし、十分生きていけます。

でも、こうして季節や時の流れを感じながら食事を楽しむのも、立派な日本文化だと思います。これは、海外に紹介したり、後世に伝えていったりするだけの価値は十分にあるのでは。

それにしても稲荷寿司屋の親父さんてば、お料理上手すぎ。一体何者なんだろう。この巻だけだと正体はわかりませんが、続きが気になるところです。宮部さん、楽しみにしてますよ♪

余談ですが、お寿司はもともと江戸時代のファストフード。作品中に出てくるように、屋台に客席をくっつける形でお店を出すのが普通だったそうです。現代でもお寿司屋さんに行くとカウンター席が必ず作られているのは、その名残なんだとか。

そうそう、ツボだったのが

「今日は朝から、髷(まげ)が飛ばされそうなほどの強い木枯らしが吹きすさんでいる」 (p. 171)

爆笑。さすが江戸時代!

→著者の他の本:
  ・『魔術はささやく』 (2005/06/24の記事
  ・『理由』 (2005/09/20の記事
  ・『火車』 (2006/03/30の記事
  ・『ブレイブ・ストーリー』 (2009/07/08の記事
  ・『龍は眠る』 (2015/08/14の記事

(C市図書館で借りて)

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