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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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流れ星
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読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

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187冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」103冊目・完全制覇!!

校庭に、虹は落ちる 校庭に、虹は落ちる
赤川 次郎

(新潮文庫) 新潮社 2004-06


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わ~い!! ついに「100冊」全部読んだぞ~! 最後の1冊はとても読みやすかったこともあり、1日で読み通してしまいました。んー、気分がいい♪

学校を一種の「閉鎖的な世界」としてとらえて描くところが、読者にメッセージを投げかけていると思う。さつきがあまりにも純粋で、それが仇となって返って自らに災いや苦労を抱え込んでしまう部分は考えもの。

学校は子供が集まって勉学をする場であると同時に、1つの社会でもある。そこには生徒一人ひとりの思いや策略、加えて教師たちの思考によっても左右される。すっかり周りに流され、翻弄されるさつきの姿は受動的だけれども、本人が言っているとおり、「逃げる」以外に彼女に何ができたであろうか。

同じように、さつきに恋人をとられた悔しさと、自らのプライドとの間で戦い続ける由布(ゆう)にも、あれ以外に何ができたというのだろう。自分の思いの矛先を、さつきに向けざるをえなかったやるせなさ。それを考えると、彼女もまた翻弄される子どもの一人に思える。

私は学生。学校に属している身という意味では、自分も知らず知らずのうちにある種の世界の中で生きていることに変わりはない。

「自分の持ってないもののことじゃなく、今自分の持っているもののことを考えて。どんなに沢山のものを持っているかを。友人や、クラブ活動や、陸上大会や、それに―命や未来や……。そんなに一杯持っていて、死ぬことなんか考えちゃいけないわ」

このさつきの言葉にははっとさせられる。当たり前すぎて、ついつい忘れてしまうこと。どんなにつらくても苦しんでも耐え抜くことのできた彼女だからこそ出てくる言葉だと思う。

→著者・赤川 次郎のほかの本:
  ・『ふたり』 (2005/07/01の記事
  ・『無言歌』 (2012/08/26の記事
  ・『午前0時の忘れもの』 (2016/04/05の記事

→「三毛猫ホームズ」シリーズ:
  ・『三毛猫ホームズの推理』 (2012/05/07の記事
  ・『三毛猫ホームズの追跡』 (2012/08/13の記事

(市立図書館で借りて)

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184冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」100冊目)

4102156119自閉症だったわたしへ
ドナ ウィリアムズ Donna Williams 河野 万里子
新潮社 2000-06

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4102156127自閉症だったわたしへ〈2〉
ドナ ウィリアムズ Donna Williams 河野 万里子
新潮社 2001-03

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4102156135自閉症だったわたしへ〈3〉
ドナ ウィリアムズ Donna Williams 河野 万里子
新潮社 2004-12

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引越しばかりしている人生/見知らぬ顔に囲まれ続ける人生
家と呼べる場所を求めて/わたしは引っ越しばかりしている
自分の居場所と呼べるところを/ずっと捜しているのに
わたしには見つからない
どこもかりそめの顔、かりそめのわたし
そして少しずつ わたしは自分を見失う
鏡の中の こちらを見つめている顔を眺めても
「わからない。わたしって、誰?」


自閉症。言葉は聞いたことがあるけど、具体的にどんな病気なのかは知らなかった。でも病気や障害というより、彼女が持っている世界観は私にそっくりだったから驚きもした。

私は彼女のように、人に触られることに抵抗をもったり、人とアイコンタクトをとることが苦手ではない。だから多分私はいわゆる「健常者」にあてはまるんだと思う。でも、時々襲われる強い不安や恐怖、人と接するときに話がうやむやになってしまうこと・・・などはよく似てる。

↑に引用した詩も、とても強く印象に残った。私が普段感じ、切り絵や詩にしたいと思うとき、少なからずこんな思いが駆け巡っているから。

私もドナのように、前向きに生きていこう。

(市立図書館で借りて)

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183冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」99冊目)

人間の土地 人間の土地
サン=テグジュペリ

(新潮文庫) 新潮社 1955-04


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「ぼくは断言する、ぼくがしたことは、どんな動物もなしえなかったはずだ」

「ここの心は干からびて・・・・・・干からびてしまっていて・・・・・・干からびはてた心なので、一滴の涙も出ないのだそうだ!・・・・・・」

「たとえ、どんなにそれが小さかろうと、ぼくらが、自分たちの役割を認識したとき、はじめてぼくらは、幸福になりうる、そのときはじめて、ぼくらは平和に生き、平和に死ぬことができる、なぜかというに、生命に意味を与えるものは、また死にも意味を与えるはずだから。」


おなじみ、『星の王子さま』の作者サン=テグジュペリの作品。こちらはノンフィクションで、エッセイというよりは彼の人生観や世界観が色濃く反映された思想記と言うこともできるかも。

大きなテーマは「砂漠」。そして「人との絆」。そういう意味では『星の王子さま』の大人版かなぁ。でも作者の個人的な考えが細かく書かれていて、彼がいかに深い考えの持ち主であったかがよくわかる。

→著者の他の作品:
  ・『星の王子さま』
  池澤 夏樹 訳 (集英社文庫) (2012/07/05の記事
  河野 万里子 訳 (新潮文庫) (2013/03/29の記事

(C市図書館で借りて)

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178冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」97冊目)

心がだんだん晴れてくる本 心がだんだん晴れてくる本
中山 庸子

(新潮文庫) 新潮社 2002-04


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中山さんの考え方と私の考え方ってよく似てると思う。言葉遣いとか、発想とか。ちょっと悩んだり、落ち込んだりしても、それをできるだけ楽に取り除こうとする姿勢は共感できる。

すごく、前向き。言いかえるならほどほどのプラス思考。全体を通じてそんな空気が読み取れた。本人に会って話をしたら、きっと素敵な女性なんだろうな。少し憧れてる。

一言一言がしっくり響いてくるから、あっという間に読みきっちゃった。

(C市図書館で借りて)

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176冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」96冊目)

エイジ エイジ
重松 清

(新潮文庫) 新潮社 2004-06


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中学生たちの台詞がとてもリアル。そして主人公「エイジ」の語りも、そんなに難しい言葉を使っていないのに(むしろ中学生らしいから?)、十代の複雑な心境をうまく表していてすごい。

「キレる」という言葉を、後半で別の解釈をしているところが1番印象に残る。ただ単に感情を爆発させるんじゃない、自分が「中学生だ」とか「息子だ、長男だ」と様々な定義を与えられて縛られているのに耐えられなくて、それらをブツブツと「キレる」ように仕向ける・・・これはなんだかわかる気がした。

私も今になってようやく反抗期になったのか(笑)、特に両親から「娘・長女」のまなざしを向けられるのが「ウザい」と思う。「うっとうしい」でもなく「うざったい」でもなく。どうしようもないわずらわしさを感じて、もうどうにでもなってしまえ・・・なんて夢中になっている自分に気づく。そういう意味では、私も少年Aと同じ。

でも行動に移せば、私は顔と名前が公表されてしまうから少年Aとはそこが違うか。

→著者の他の本:
  ・『ナイフ』 (2006/04/16の記事
  ・『きみの友だち』 (2015/08/23の記事
  ・『せんせい。』 (2015/10/04の記事
  ・『疾走』 (2017/10/27の記事
  ・『きよしこ』 (2019/03/03の記事
  ・『ロング・ロング・アゴー』 (2019/03/27の記事

(C市立図書館で借りて+本屋で立ち読み)

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175冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」95冊目)

十五少年漂流記 十五少年漂流記

ヴェルヌ Jules Verne
訳:波多野 完治

(新潮文庫) 新潮社 1951-11


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『ロビンソン・クルーソー』『宝島』と似た作風の冒険記。でもこの作品は子供が主役で、大人は数えるほどしか出てこない。

物語の始め方が面白いね。嵐に漂流する船には子供しか乗っていない。それがなぜなのか、読者の好奇心をくすぐるけれども、作者は(まるでじらすかのように)すぐには説明してくれない。

無人島での漂流生活の進み具合がメインで、子供たち同士の人間関係の移り変わりが伏線。いつになったらこの子たち家に帰れるんだろうと思っていたら、クライマックスで思わずこちらもひやりとする戦闘シーンが! この事件がなかったら、この作品はこんなにスリルを味わえないまま終わっていただろうから、いいスパイスだね。

→本書について触れている本:
  ・長山 靖生 『謎解き 少年少女世界の名作』 (2012/05/13の記事

→著者の他の本:
  ・『十五少年漂流記』※角川文庫版(2015/03/03の記事

(C市立図書館で借りて)

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