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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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 プロフィール 
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流れ星
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アルバイト
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読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

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163冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」88冊目)

魔性の子 魔性の子
小野 不由美

(新潮文庫) 新潮社 1991-09


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400ページあるから、1日に100ページずつ読めば4日で終わると思っていたら、内容にぐいぐいひきつけられて2日であっさり読みこなしてしまった。すごい引力だ!

母校へ教育実習のために戻ってきた広瀬。彼は担当のクラスに高里という変わった生徒を発見し、親しくなる。ところが、高里をいじめる者はあいついでケガや事故にあい、死者まで出てしまう。彼には幼い頃に神隠しにあったようだが、本人は記憶を失っていて関連があるかどうかもわからない。

「祟られる」と噂され、マスコミのネタにつるし上げられる高里。孤立する彼を必死でかばい続ける広瀬。2人は自分の居場所がここではなくどこかにあると考えるなど、気が合うところが多かった。

この作品はホラーであると同時に、中盤以降はひとつのメッセージを読者に投げかけてくる。「自分の居場所とは何か、それはこの世界かどこか他の場所に存在するものなのか」

自分が生きていて幸福だと感じるのは、「自分には必要とされる場所がある」と実感するときなのかもしれない。学校であったり、職場であったり、家庭であったり。「自分はここにいていいんだ」と安心できる場所を、私達は常に求めて毎日を送っている。

高里は最後に居場所を見つけ、帰っていった。広瀬はどうだったのだろうか。

(C市図書館で借りて)

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160冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」87冊目)

彼らの流儀 彼らの流儀
沢木 耕太郎

(新潮文庫) 新潮社 1996-03


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沢木さんといえば「深夜特急」。うっ、でもまだ読んでません・・・。

フィクションの短編集かと思ったら、エッセイ風の作品も混じっていてノンフィクションであることが判明。そうだったのかー!

ただのエッセイとは違うね。もともと連載されていたものを編集し直したみたい。面白くて感激するほど強い印象の作品はなかったけど、定期的に読むにはいいかもしれない。新聞やネットでよく見る、型にはまったコラムは読んでいてあきるから。

→著者の他の作品:
  ・「マリーとメアリー」 "Story Seller 2" に収録 (2014/08/12の記事

(C市図書館で借りて)

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158冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」86冊目)

沈黙の春 沈黙の春
レイチェル・カーソン Rachel Carson
訳:青樹 簗一

(新潮文庫) 新潮社 1974-02


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(原題:Silent Spring)

1950~60年に起こった、有害な化学薬品による環境汚染。生態系の破壊と人類の危機の面から警鐘を鳴らす役割をしたこの作品は、入念な調査と考察のもとに書かれている印象を受ける。

世界各地の土地の名前や化学物質、昆虫の学名が頻繁に出てくるので、地図や化学式等の図があるともっと読みやすかったかもしれない。でも文体からは、自然の秩序がどんどん乱れて、巡り巡って人間に帰ってくる恐ろしさと切迫性が十分に伝わってくる。

人間はなんて愚かなんだろう。客観的に真面目に考えてみてそう思う。

ゴキブリやハエが直接害を及ぼさなくても、見ただけで気持ち悪いと言って殺虫剤を使う。家の中や農場などに化学薬品をまき、虫は確かにばたばた死んでいく。その時はそれで問題が解決したからいい気になれるかもしれない。

でも虫と一緒に他の貴重な生物を傷つけたり、絶滅させてしまったりというケースが世界各地で頻発する。そのために生態系が崩れて、もともとあった生物間のサイクルが失われ、荒廃していく。そして厄介なのは、退治しかけた虫たちが「耐性」を持つという形で反抗してくることだ。もう、いくら同じ殺虫剤をまいてもきかない。さらに毒性の強い化学薬品が開発され、環境汚染は広がるばかりである。

日本でも水俣病や水質汚染などの公害が問題となった。今ならアスベストが社会問題として大きく知られていることになるだろうか。元を正せば、これらの問題の原因となった化学物質は人間が生み出した。人間が自らのその場の利益を求めた結果がこうだ。結局はその毒性は自然を経由して人間にはね返ってくる。なぜなら人間も自然環境を構成する一員なのだから。

私も思い上がりを持った人間の1人。「環境問題」というとスケールが大きい気がするけど、他人事じゃないと思う。

(C市図書館で借りて)

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155冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」85冊目)

作文教室 井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室
井上 ひさし
文学の蔵

(新潮文庫) 新潮社 2001-12


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大学生になってからは、小学生のころみたいに原稿用紙に向かって「作文」を書く機会はめっきり減った。今ならむしろ鉛筆を握って紙に書き付けるよりも、キーをたたいてメールやワープロで文章を作る方が多い。(現にこの読書日記もね)

でも、こうして原点に戻って作文の基本について学ぶことは決して無意味なことではないと思う。私はこの本を読んでいて参考になることはとても多かったし、改めて文を書くことは楽しいと感じられた。

→本書のように、作家が文章の書き方を教えるという内容の作品:
  ・三島由紀夫 『三島由紀夫レター教室』 (2011/10/17の記事

→著者の他の本:
  ・『ブンとフン』 (2013/02/24の記事

(C市図書館で借りて)

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150冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」83冊目)

罪と罰(上) 罪と罰(下) 罪と罰

ドストエフスキー Фёдор М Достое́вский
訳:工藤 精一郎

(新潮文庫) 新潮社 1987-06


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ロシア文学といえばドストエフスキー。1年前、学科の先生に「読んだかぁー!?」とすごい剣幕で尋ねられたのがこの作品。別の先生には「へヴィーなの読んでるな」と渋い顔されちゃったけど。

確かに、重い。重すぎるよ、内容が。でも読み込んでいくうちにどんどん引き込まれてく面があるのも事実で、人間とは…罪とは…犠牲とは…無視できないテーマを突きつけてくる。すごく力強い文章を書くんだな、ドストエフスキーって。

現代の日本人の中には、ラスコーリニコフに共感する読者がいると思う。細かい差はあれ、貧しい彼と不況にあえぐ現代人の姿がどこか重なる。現に、文学作品として現代まで残ってること自体、人間の罪の意識は時代を超えて普遍的なテーマになっている証ではないのかな。

→本書について触れている本:
  ・野村 ひろし 『完訳グリム童話集 4』 (2012/05/01の記事
  ・伊坂 幸太郎 『グラスホッパー』 (2013/10/03の記事
  ・伊坂 幸太郎 『マリアビートル』 (2014/02/02の記事
  ・貴志 祐介 『青の炎』 (2021/10/26の記事

(市立図書館で借りて)

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149冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」82冊目)

海ちゃん 海ちゃん
ある猫の物語

岩合 光昭
岩合 日出子

(新潮文庫) 新潮社 1996-10


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かぁ~わいい!…なんて思わず声をあげたくなる写真がたくさん。よく撮れてるな~とその撮影技術に感心する一方で、写真に添えられたコメントや日記調の文章も読みどころ。岩合夫妻の海ちゃんへの愛情が伝わってくる。

私はアトピー持ちだからペットを飼ってないけど、家族の一員としてこんな存在がいるのはちょっぴりうらやましい。お互いの言葉はわからなくても、心の底でつながってる。そんな素敵な関係が築けた幸せな家族の姿が垣間見えた。

(本屋で立ち読み)

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