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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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流れ星
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文学部在学中に223冊を読破。

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107冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」65冊目)

白い犬とワルツを 白い犬とワルツを

ケイ Terry Kay
訳:兼武 進

(新潮文庫) 新潮社 1998-02


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「あなたには、白い犬が見えますか。」

長年連れ添ってきた愛する妻を亡くしたサム。多くの子や孫に囲まれる中、彼は1人で余生を過ごすことを決意する。しばらくして、真っ白な犬が彼の家へやってくるようになった。この犬は彼の前にしか現れず、声もたてない。サムの子供達は彼の話を聞いて、父親もついに痴呆の症状が表れたと心配し始めた。

女房を亡くしたことで、彼が自分のこれまでの人生を振り返るエピソードが何回か登場する。白い犬は「妻の魂」とサム自身が語る場面があったけれど、どちらかといえば私には、彼がもっていた「心残り」の部分が具現化したように思える。犬が現れる時とそうでない時の彼の心情を比べながら読むと面白いかも。

→この本について触れている本:
  ・齋藤 孝 『だれでも書ける最高の読書感想文』 (2015/07/02の記事

(C市図書館で借りて)

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103冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」63冊目)

ふたり ふたり
赤川 次郎

(新潮文庫) 新潮社 1991-11


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お姉さんがほしいな、と思える作品。私は3人姉弟の1番上なので、余計に兄や姉の存在をうらやましく思うのかも。

しっかり者の高2の姉千津子と、どこか頼りない中2の妹・実加。ある朝、千津子は登校中に事故にまきこまれ、突然の死を迎える。家族をまとめあげてきた彼女がいなくなったことで、残された家族は1度は深い悲しみにくれるものの、それぞれが家族の一員として成長していく。

実加には死んだはずの姉の声が聞こえるようになった。姿は見えなくても、すぐそばで姉がささやき、助言を与えてくれる。実加は周囲が驚くほど明るくなり、かつての千津子のように活発な女の子になった。ところが、再び家族の絆が崩れる機会が近づいている…

姉妹間の絆、そして家族内の絆、友人同士の絆がテーマではないか。助言者として登場する千津子は、文字通り「助言」のみの役割をもっている。姿形がなくなっているので、行動するのはあくまでも本人である実加。時々それでケンカをする場面が出てくるため、単なるミステリーに終わらずあたたかな雰囲気が残る。

あと、赤川さんは十代の女の子の気持ちをよくわかってるなぁ。実加と同じように中高一貫の女子校に通ってた頃を思い出す。雰囲気をよくとらえられていると思う。

実加が次第にたくましくなり、両親との絆を取り戻していく過程が見もの。少々、千津子の言動が大人びすぎているのが気になるかな。

→著者・赤川 次郎のほかの本:
  ・『校庭に、虹は落ちる』 (2006/06/24の記事
  ・『無言歌』 (2012/08/26の記事
  ・『午前0時の忘れもの』 (2016/04/05の記事

→「三毛猫ホームズ」シリーズ:
  ・『三毛猫ホームズの推理』 (2012/05/07の記事
  ・『三毛猫ホームズの追跡』 (2012/08/13の記事

(C市図書館で借りて)

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101冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」62冊目)

魔術はささやく 魔術はささやく
宮部 みゆき

(新潮文庫) 新潮社 1993-01


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「自分も十持っていて、隣の人間も十持っている状態で、その隣にいる人間に対して優越感を感じたいと思ったら、相手から何かを取り上げてしまうしか方法がない。そうしないと満足できない。」

宮部さんの作品は『レベル7』を中学の頃に読んで以来、2冊目。書き手の目線を特定の人物にとどめることなく、平行して起こる複数の出来事を書いていくところがドキュメンタリー調。映画を見ているような印象を受ける。

主人公の高校生、名前は「守」。なのに彼は鍵に関する知識が豊富で金庫破りのプロ。だからといって彼はその能力を自分のために使うことはない。自殺しようとする人物を思いとどまらせるため、交通事故を起こして逮捕された叔父の無実を証明するため、ここぞという場面で走り出し、手持ちの道具で簡単に鍵を開けてしまうところがかっこいい。本当に、高校生??という現実的なツッコミはまあ置いておくとして。

この守くん、私の中ではどうもハリー・ポッターと姿がダブる。両親がいない、学校ではいじめられるばかり、でも彼には他の人間にはない能力があって、ふとした出来事をきっかけに進んでいくと…それまでの自分に関する秘密が明らかになる。この作品が書かれたのはもう20年近くも前の話なので、当然真似をしたはずはないけど、やっぱり主人公像に共通するものがある気がする。

それから随所に登場する「逃げろ、逃げろ」と呼びかける声。乃南アサさんの『6月19日の花嫁』にも似た場面があって、不思議な感じがした。あ、おんなじ、と。人間誰しも不安を抱えていて、恐怖に襲われると逃げたくなる、というより、「逃げなければならない」という脅迫観念を感じるもの。そうすると、その時一体何から逃げていることになるんだろう。

色々なことを考えさせられる。久しぶりに、読み終わった後も考えをめぐらすことができた。「新潮文庫の100冊」にはまだ宮部さんの作品が含まれているので、他の作品を読むのがとても楽しみ。その代わり、図書館で上手く手に入れるのが難しい…やっぱりみんな同じことを考えるのね(泣)

→著者の他の本:
  ・『火車』 (2006/03/30の記事
  ・『初ものがたり』 (2008/01/27の記事
  ・『理由』 (2005/09/20の記事
  ・『ブレイブ・ストーリー』 (2009/07/08の記事
  ・『龍は眠る』 (2015/08/14の記事

(C市図書館で借りて)

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95冊目!(「2004年新潮文庫100冊」61冊目)

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北村 薫

(新潮文庫) 新潮社 1999-06

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 お母さんの誕生日プレゼントはこれにしよーっと(笑)

 主人公は17歳、女子高の2年生。文化祭が雨で早く終わった日、昼寝をして目覚めると、25年後の42歳の自分になっていた。

 42歳の彼女は高校で国語教師の職についているという設定。著者自身が国語の先生であるだけに、学校の中の様子が上手く描写されている。国語というより、言葉に関する知識も豊富で様々な形で網羅されている印象がある。

 結末はどうなるんだろう、彼女は失った25年間を取り戻せるんだろうか、とドキドキしながら読んだ。肝心のクライマックスは少し盛り上がりに欠けたかな。でもつい最近まで同じ女子高生だった身としては、彼女に共感する部分も多い。そりゃあ、昭和と平成のズレはあるけれども。

(C市図書館で借りて)

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93冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」59冊目)

西の魔女が死んだ 西の魔女が死んだ
梨木 香歩

(新潮文庫) 新潮社 2001-07


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 「西の魔女」とは主人公まいのおばあちゃんのこと。ちなみにまいも「東の魔女」と呼ばれている部分がある。

西の魔女がまいに教えたことはいくつかあるけれど、一言で言えば「自分のことは自分で決める」ということ。そして「恨みや感情に流されず、自分を持ち続ける」ことの大切さ。

西の魔女の暮らし方は、現代に生きる私から見てもゆったりとしていて自然に見える。都会を離れ、他人に流されず、毎日を幸せに大切に暮らすこと。これはみんな現代人なら共感することではないだろうか。だからこそ、この本が今話題になっているのだと思う。

→本書について触れている本:
  ・本田 健 『10代にしておきたい17のこと』 (2012/05/09の記事

→映画版 (2008年制作) の公式サイト:
  ・映画 『西の魔女が死んだ』 オフィシャルサイト http://nishimajo.com/top.html

(C市図書館で借りて)

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92冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」58冊目)

七つの怖い扉 七つの怖い扉
阿刀田 高
鈴木 光司
高橋 克彦
小池 真理子
乃南 アサ
夢枕 獏
宮部 みゆき

(新潮文庫) 新潮社 2001-12

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「空に浮かぶ棺」…めちゃめちゃ怖い! 映画を見ているような迫力がある。

7人の作家の短編を集めた作品集。これはホラー物。こうやって違う作家の作品を読み比べてみると、一人ひとりの書き方が少しずつ違うのがよくわかるので面白い。

それぞれの「怖さ」も程度に差がある。映像を見ているような生々しい怖さがあるかと思えば、静かにじわじわと迫ってくる不気味な怖さもある。最後の最後で読者をあっと驚かせる「タネ」を仕込んでいるものも。

本屋では「有名作家陣の作品が1度に読めてお買い得!」とうたっているけどまさにその通り。

(C市図書館で借りて)

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