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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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文学部在学中に223冊を読破。

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623冊目!

獣の奏者 外伝 刹那 獣の奏者 外伝 刹那

上橋 菜穂子

(講談社文庫) 講談社 2013-10-16

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番外編、現代風に言えばスピンオフ。なんとなく本編のおまけという感覚があるのですが、この1冊に収録された作品には読みごたえがありました。

3巻は2巻の約10年後から始まります。いつの間にかエリンが結婚し、1児の母親となっていて、正直唐突な印象でした。回想形式で語られる場面もありましたが、あくまで読者の想像に任せているのかなと思っていました。

エリンとの出会い・結婚・そして出産に至るまでをあえてイアルに語らせることで、エリンというより女性を客観的に描いた作品になっている気がします。イアル自身の生い立ちの秘密と相まって、彼も1人の父親へと成長していきます。

「生き物は、親を選べない。生まれた場所で、生まれた身体で、生きていくしかない」(p. 169)

→「獣の奏者」シリーズ:
  1.闘蛇編 (2010/02/26の記事
  2.王獣編 (2010/02/28の記事
  3.探求編 (2018/05/05の記事
  4.完結編 (2018/05/31の記事
  ・外伝 刹那

→著者の他の本:
  ・『狐笛のかなた』 (2014/06/27の記事

(古本屋で購入・背表紙幅:1.7cm)

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611冊目!

獣の奏者 完結編 獣の奏者 4完結編

上橋 菜穂子

(講談社文庫) 講談社 2012-08-10

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「人の一生は短いけれど、その代わり、たくさんの人がいて、たとえ小さな欠片(かけら)でも、残していくものがあって、それがのちの世の誰かの、大切な発見につながる」(p. 63)

学者として、闘蛇と王獣の隠された秘密を解明する決意を固めたエリンが、息子に語る言葉の一部です。自分の地位や名誉のためでなく、あくまでも後世の人たちのために人生を捧げたいという強い思いが伝わってきます。

私はこの箇所を読んで、ノーベル賞の受賞者たちが似た言葉を発しているのを思い出しました。また、無名のままでも現在の私たちの暮らしに寄与したであろう過去の人々のことを読後もしばらく考えずにはいられませんでした。

以前、解剖学の養老先生が、「ファンタジーの作品は架空の世界を描いているが、主題は私達の現実の世界を鋭く映し出している。だから面白い」という主旨の発言をしていました。完結まで読みきった今、改めて共感しています。

→「獣の奏者」シリーズ:
  1.闘蛇編 (2010/02/26の記事
  2.王獣編 (2010/02/28の記事
  3.探求編 (2018/05/05の記事
  4.完結編
  外伝 刹那 (2018/09/09の記事

→著者の他の本:
  ・『狐笛のかなた』 (2014/06/27の記事

(古本屋で購入・背表紙幅:2.2cm)

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610冊目!

獣の奏者 3 探求編 獣の奏者 3探求編

上橋 菜穂子

(講談社文庫) 講談社 2012-08-10

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結婚し、1児の母親になったエリンのその後です。アニメの印象が残っていて個人的には「お母さんになった」ことが実感しにくかったのですが、独特の世界観にすぐ引き込まれて読み終わってしまいました。

前作で謎のままだった闘蛇の大量死について、エリンが調査を始めるところからこの巻は始まります。闘蛇村の暮らしや飼育の掟などが詳しく語られ、読者もエリンと同じ目線で1巻冒頭の幼い頃の暮らしをふり返ることになります。

舞台のリョザ神王国の周辺に他の国も登場し、世界観がより深く作りこまれていました。ドラマ「精霊の守り人」シリーズのように、異国間の外交や政治の設定が緻密にできていて、より大人向けの作品になっていると思います。

→「獣の奏者」シリーズ:
  1.闘蛇編 (2010/02/26の記事
  2.王獣編 (2010/02/28の記事
  3.探求編
  4.完結編 (2018/05/31の記事
  外伝 刹那 (2018/09/09の記事

→著者の他の本:
  ・『狐笛のかなた』 (2014/06/27の記事

(古本屋で購入・背表紙幅:2.2cm)

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113冊目!

獣の奏者 2.王獣編 獣の奏者 2.王獣編

上橋 菜穂子

(講談社文庫) 講談社 2009-08-12


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人に馴れることがなく、馴らしてもいけない王獣と心を通わせることに成功したエリン。でも彼女はまだ、国の行く末を左右する戦いに巻き込まれることを知らなかった。

1.闘蛇編では少ししか登場しなかった人物も、この巻で巧みな人間模様を演じています。巻頭についている登場人物一覧がとても役に立ちました。

物語の始まりでは10歳の子供だったエリンが、14歳、18歳、20歳と成長していくにつれ、王獣に対する思いも変化していく様子が読みどころです。

人間と獣。同じ生き物なのに、違うところ。間に立ちはだかる壁。それらを通して、命ってなんだろうと考えさせられました。

→「獣の奏者」シリーズ:
  1.闘蛇編 (2010/02/26の記事
  2.王獣編
  3.探求編 (2018/05/05の記事
  4.完結編 (2018/05/31の記事
  外伝 刹那 (2018/09/09の記事

→著者の他の本:
  ・『狐笛のかなた』 (2014/06/27の記事

(実家で母から借りて・背表紙幅:2.0cm)

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112冊目!

獣の奏者 1.闘蛇編 獣の奏者 1.闘蛇編

上橋 菜穂子

(講談社文庫) 講談社 2009-08-12


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NHK教育のアニメ版を見て興味がわきました。…おもしろい。夢中でページを繰りながら読んでいました。

聡い(さとい)けれど幼くして母と引き離された少女エリンの成長物語。同時に展開する異世界の国の政治や歴史も詳しく書かれ、大河ドラマのような一面もあります。

上橋さんの文体は、読んでいる人を食いつかせる不思議な魅力があると感じました。物語の最初の方で出てくる、猪肉の味噌焼きがすごくおいしそう。固有名詞の音の響きにも不思議な味わいがあります。

逆に、これを読んでからアニメを見ると、この物語の世界の映像化に関わる人たちがとてもがんばっているのも感じられます。

特に、この作品の鍵である「獣」の闘蛇と王獣の表現。ときに生き生きと、ときに生々しい描写はアニメだけ、小説だけで終わりにしてしまうのはもったいない。

全4巻をあっという間に読んでしまいそうです。
 
→「獣の奏者」シリーズ:
  1.闘蛇編
  2.王獣編 (2010/02/28の記事
  3.探求編 (2018/05/05の記事
  4.完結編 (2018/05/31の記事
  外伝 刹那 (2018/09/09の記事

→著者の他の本:
  ・『狐笛のかなた』 (2014/06/27の記事

(実家で母から借りて・背表紙幅:1.4cm)

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