ヴェルヌ 『十五少年漂流記』

465冊目！

十五少年漂流記 ヴェルヌ Jules Verne 訳：石川 湧 （角川文庫）　角川書店 1958-06 by G-Tools

（原題：Deus ans de Vacances　＝「2年間の休暇」）
「発見！角川文庫2011」より

少年向け冒険小説の古典。数年ぶりのチャレンジです。

大体のあらすじは覚えていましたが、今回は少年たちの年齢と成長ぶりに着目して読みました。仕事柄かもしれません。。。

15人の少年たちのほとんどはイギリス人ですが、フランス人やアメリカ人、黒人も混じっています。子どもとはいえ、外国への蔑視や人種差別ともとれる言動が書き込まれていることは注目すべきです。

筆者はフランス人なので、リーダー的なフランス人少年のブリアンをかっこよく描写し、大多数のイギリス人少年を率いる様子を意図的に作った可能性があります。また、無人島の指揮者を選挙で選ぶ際には、黒人少年モコに選挙権がありません。

少年たちの結束と友情が美化されがちですが、現代の読者は当時のヨーロッパの価値観が反映されていることも踏まえる必要があると思います。

→本文中に登場した本：
　　・p. 37　デフォー　『ロビンソン・クルーソー』　（2017/06/11の記事）

→この本について触れている本：
　　・長山 靖生　『謎解き 少年少女世界の名作』　（2012/05/13の記事）

→著者の他の本：
　　・『十五少年漂流記』　新潮文庫版（2006/04/16の記事）

→次に読む本を発見！
　　・コエーリョ　『アルケミスト 夢を旅した少年』　（2013/09/13の記事）

（古本屋で購入・背表紙幅：1.1cm）

2015/03/03 (Tue) 【角川文庫】