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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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 プロフィール 
HN:
流れ星
性別:
女性
職業:
アルバイト
趣味:
読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

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もうすぐ通算650冊に到達予定。
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640冊目!
(2012・新潮文庫の100冊)
きよしこ
きよしこ
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重松 清

(新潮文庫) 新潮社

主人公は吃音をもつ男の子。彼は家族と共に引越し、度重なる転校を繰り返しながら、異なる町の風景と人々の文化を学んで成長していきます。

私も引越しと転校を経験し、その結果がよくも悪くも今の自分を形成していると痛感します。初級英語の教科書に "Where are you from?" と書かれているのを目にするたび、「私はどこ出身なんだろう」と考え込んでしまいます。

読みながら、ある生徒のことをずっと考えていました。その生徒には吃音はありませんが、何年か前に大きな転居を経験して、文化の違いに多少なりとも驚いたはずです。

その時、ご家族は戸惑う心を受け止めてあげられただろうか。新しい友達ができて、すぐに地域になじめたのだろうか。今の本人はとても明るくて、授業中の冗談にも声を上げて笑ってくれますが、私は当時のことをまだ直接尋ねる勇気がありません。

どんなに柔和な表情であっても、その生徒の目にはときどきふっと悲しそうな光が宿ります。本当はもっと何かを他人に伝えたいのに、どんな言葉を並べればいいのかわからない・・・。先生、何て言えばいいの? この気持ちはどんな文で説明すればいいの? 助けを求めて困っている顔に見えるのです。

大学で言語学や文学を勉強した甲斐もあってか、これまでは言葉の持つ力を信じて教育の仕事を進めてきました。でも時には言葉は無力で、何の役にも立たない場面すらこの世にはあるのだと最近思うようになりました。

→著者の他の本:
  ・『エイジ』 (2005/07/19の記事
  ・『ナイフ』 (2006/04/16の記事
  ・『きみの友だち』 (2015/08/23の記事
  ・『せんせい。』 (2015/10/04の記事
  ・『疾走』 (2017/10/27の記事
  ・『ロング・ロング・アゴー』 (2019/03/27の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.2cm)

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