夏目漱石 『こころ』

413冊目！

こころ 夏目 漱石 （角川文庫）　角川書店 2004-05 by G-Tools

「発見！角川文庫2011」より

高校の教科書で読んだ、懐かしい作品。NHKの「100分de名著」で取り上げられたことも機に、今回は通して全編を読みました。

学生の頃には難解で複雑な印象しかなかったのに、10年以上たって読み返してみるとスラスラ内容が頭に入ってくるので驚きの連続。自分自身の「こころ」もそれだけ成長したということなのかな。

先生が身にまとっていた暗い影のような雰囲気。他人どころか自分自身も信用できず、妻とも本当の意味で打ち解けられない状態。うつ病を一度経験したことで、これらが実体験として理解できるようになっていました。

そして、金のために簡単に人は豹変する、という先生の言葉。私が親戚とトラブルになって関係が悪くなった出来事をとっさに思い出しました。こういうことか。漱石の指摘は現代にも当てはまるということを実感しました。

また5年なり10年なりを経て読み返せば、新たな発見がありそうです。

この作品について触れている本：
　　・貴志 祐介　『青の炎』　（2021/10/26の記事）

→著者の他の作品：
　　・『草枕』　新潮文庫　（2008/08/25の記事）
　　・『三四郎』　新潮文庫　（2009/01/28の記事）
　　・『夢十夜・草枕』　集英社文庫　（2013/08/26の記事）
　　・『それから』　（2014/12/28の記事）
　　・『門』　（2015/04/25の記事）

→次に読みたい本を発見！
　　・石田 衣良　『美丘』　（2010/09/24の記事）

（古本屋で購入・背表紙幅：1.3cm）

2014/03/09 (Sun) 【角川文庫】