忍者ブログ
流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
 カレンダー 
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
6 7 8 9 10 11
12 13 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
 ブログ内検索 
 プロフィール 
HN:
流れ星
性別:
女性
職業:
アルバイト
趣味:
読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

各記事TOPの
「○○冊目!」…在学中
「○○冊目!」…卒業後
もうすぐ通算650冊に到達予定。
 カテゴリー 
 P R 
 Amazon 
[273]  [272]  [271]  [270]  [269]  [268]  [267]  [266]  [265]  [264]  [263
73冊目!

殉情詩集・我が一九二二年 殉情詩集・我が一九二二年
佐藤 春夫

(講談社文芸文庫) 講談社 1997-07


by G-Tools
2008年、品格を育てる12ヶ月(All About)より、9冊目!
http://allabout.co.jp/gm/gc/208260/9/

「さんま、さんま
そが上に青き蜜柑の酸(す)をしたたらせて
さんまを食ふはその男がふる里のならひなり」(p. 150)


あまりに有名な、「秋刀魚の歌」(「我が一九二二年」収録)。実際に通して読んでみると、味わい深くて感動しました。読んでいてさんまをつつきたくなってきます(まだ早いか)。書かれてから100年近くたっても読者にそう思わせる力を持っているというのはやはりすごい。

「さんま、さんま
さんま苦いか塩つぱいか。
そが上に熱き涙をしたたらせて
さんまを食ふはいづこの里のならひぞや」(p. 152)


同時に、「男」の寂しさ、孤独感が一段と際立つ名作だなとしみじみ感じられます。谷崎純一郎の妻、千代への思いがなければこの作品も生まれなかったんですよね。10年越しで思いを遂げたという逸話からも、著者の一途さが伝わってきます。

詩集に収められた作品を読んでいると、口語詩あれば文語詩あり。古文調・散文調・漢文調もあり、ギリシャの古典にインスピレーションを得たものがあればさらりとした抒情詩もあり…。さまざまな文学に通じていたことがうかがえる作品群でした。

(Amazonで購入・背表紙幅:1.2cm)

拍手[0回]

PR

Template by ららららいふ / Material by 素材くん「無料WEB素材屋」

忍者ブログ [PR]