流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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文学部在学中に223冊を読破。
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「○○冊目!」…在学中
「○○冊目!」…卒業後
もうすぐ通算650冊に到達予定。
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69冊目!
「タイトルにひかれて衝動買いしちゃった」という母。私も思わず手にとってぱらぱら読み始めたら、止まらなくなりました。内容は衝撃的で、おそらく賛否両論分かれると思います。少々読みづらい気もしないではないですが。
「娘の摂食障害でカウンセリングにやってきた彼らは、娘の行為をまるで昆虫の生態観察のように仔細に表現する。自分はその場にいないかのような、まるで隠しカメラそのものであるかのようなあの立ち位置を得意げに披瀝(ひれき)する彼らの話を、私は時として腹立たしく呆れながら聞く。
(中略)
彼らにとっては、生身の娘や息子のことを伝えることと、業務成績を報告することにそれほど違いはないのだろうか。いや、そうではないだろう。前者を表現するための感情言語を、遠い昔、彼らはどこかに忘れてきてしまったのだ」(p. 72-73)
これは、私が初めてうつ病の症状を両親に打ち明けたとき、そして家族療法のカウンセリングを受けたときとまったく同じ行動でした。夫婦間の問題は親子間の問題にも置き換えられると本文にもありましたが、両親(特に父)の言葉はいつも理論的・客観的で人間味がなかったのを覚えています。(詳しくは、もう1つのブログへ→2009/01/11の記事)
あの時は父が理系の大学教員だからだと解釈していましたが、引用部分を読んで納得がいきました。もともと感情表現が得意ではなかったことに加えて、仕事を続けていく中でますます能力を失ってしまったのだと思います。
「妻を守る男はほとんどいない、というのが私のカウンセラーとしての実感だ。でも、守らないだけならまだいい、あきらめればいいだけの話だから。
もっとたちの悪いことに、彼らは妻から守ってもらおうとするのだ。それも威張りながらである」(p. 176 改行本文)
↑これは帯にも引用されていた部分で、前後の文脈を読んでよりショックを受けた箇所でもあります。男性の立場からの言い分もあるでしょうが、著者はベテランのカウンセラー。無数の夫婦問題と向き合い続けてきた専門家だけに、説得力も増します。
第3章で挙げられるDVの例は(架空ですが)、今も日本社会に男女差別が深く根付いていることを強烈に印象づけました。そして、DVが当事者の夫婦だけでなく、その子どもたちや彼らの将来にも大きな影響を与えることを教えてくれます。
私も女性の立場でこの本を読んで、結婚や家庭に入ることについて色々と考えさせられました。
今、お付き合いしている彼氏は、第4章の「選ばれる男の条件」に今のところあてはまっています。本人からも、「是非将来は一緒になってほしい」と嬉しい言葉もかけてもらっています。その点では、婚活もする必要がないし理想の相手だし、恵まれているのかもしれません。
問題は…著者の信田さんが指摘するように「結婚した、その後」です。
現代日本の「結婚」という制度は、妻よりも夫の側に大きな(絶大な、と言ってもいいかもしれない)権力を付与するシステム。夫という座に味をしめた男性が、やさしくて魅力的だった結婚前より変貌を遂げてしまうことが確かに十分ありうるのです。
(それを知った「アラカン」たちが、ヨン様フィーバーや王子ブームという名の反乱を起こしている、と著者は説明するのですが)
男女共同参画社会の取り組みが進んできているとはいっても、今でも結婚はやはり女性にとって一種の「賭け」なのかもしれません。婚活に励む人たちにおすすめの一冊です。
(実家で母から借りて・背表紙幅:1.0cm)
選ばれる男たち 女たちの夢のゆくえ 信田さよ子 (講談社現代新書) 講談社 2009-07-17 by G-Tools |
「娘の摂食障害でカウンセリングにやってきた彼らは、娘の行為をまるで昆虫の生態観察のように仔細に表現する。自分はその場にいないかのような、まるで隠しカメラそのものであるかのようなあの立ち位置を得意げに披瀝(ひれき)する彼らの話を、私は時として腹立たしく呆れながら聞く。
(中略)
彼らにとっては、生身の娘や息子のことを伝えることと、業務成績を報告することにそれほど違いはないのだろうか。いや、そうではないだろう。前者を表現するための感情言語を、遠い昔、彼らはどこかに忘れてきてしまったのだ」(p. 72-73)
これは、私が初めてうつ病の症状を両親に打ち明けたとき、そして家族療法のカウンセリングを受けたときとまったく同じ行動でした。夫婦間の問題は親子間の問題にも置き換えられると本文にもありましたが、両親(特に父)の言葉はいつも理論的・客観的で人間味がなかったのを覚えています。(詳しくは、もう1つのブログへ→2009/01/11の記事)
あの時は父が理系の大学教員だからだと解釈していましたが、引用部分を読んで納得がいきました。もともと感情表現が得意ではなかったことに加えて、仕事を続けていく中でますます能力を失ってしまったのだと思います。
「妻を守る男はほとんどいない、というのが私のカウンセラーとしての実感だ。でも、守らないだけならまだいい、あきらめればいいだけの話だから。
もっとたちの悪いことに、彼らは妻から守ってもらおうとするのだ。それも威張りながらである」(p. 176 改行本文)
↑これは帯にも引用されていた部分で、前後の文脈を読んでよりショックを受けた箇所でもあります。男性の立場からの言い分もあるでしょうが、著者はベテランのカウンセラー。無数の夫婦問題と向き合い続けてきた専門家だけに、説得力も増します。
第3章で挙げられるDVの例は(架空ですが)、今も日本社会に男女差別が深く根付いていることを強烈に印象づけました。そして、DVが当事者の夫婦だけでなく、その子どもたちや彼らの将来にも大きな影響を与えることを教えてくれます。
私も女性の立場でこの本を読んで、結婚や家庭に入ることについて色々と考えさせられました。
今、お付き合いしている彼氏は、第4章の「選ばれる男の条件」に今のところあてはまっています。本人からも、「是非将来は一緒になってほしい」と嬉しい言葉もかけてもらっています。その点では、婚活もする必要がないし理想の相手だし、恵まれているのかもしれません。
問題は…著者の信田さんが指摘するように「結婚した、その後」です。
現代日本の「結婚」という制度は、妻よりも夫の側に大きな(絶大な、と言ってもいいかもしれない)権力を付与するシステム。夫という座に味をしめた男性が、やさしくて魅力的だった結婚前より変貌を遂げてしまうことが確かに十分ありうるのです。
(それを知った「アラカン」たちが、ヨン様フィーバーや王子ブームという名の反乱を起こしている、と著者は説明するのですが)
男女共同参画社会の取り組みが進んできているとはいっても、今でも結婚はやはり女性にとって一種の「賭け」なのかもしれません。婚活に励む人たちにおすすめの一冊です。
(実家で母から借りて・背表紙幅:1.0cm)
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