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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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 プロフィール 
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流れ星
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女性
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アルバイト
趣味:
読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

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66冊目!

学歴分断社会 学歴分断社会
吉川 徹

(ちくま新書) 筑摩書房 2009-03


by G-Tools
「格差」に関する議論がすっかりにぎわいを見せています。そんな中、母が買ってきて読んでいるのを見つけて借りたのがこの本です。

著者の吉川(きっかわ)さんは、いわゆる上流(勝ち組)と下流(負け組)への二極化を語る上で、日本社会を構成する学歴(最終学歴)に関する議論が煙に巻かれタブー視されていると主張します。

「現代日本の格差社会を学術的に考えようとするときには、社会の隅々にまで根付いている学歴差を言葉にすることを、やみくもに避けていてもはじまりません。だれもが学歴について沈黙して、正確な実態に触れないでおくのは、むしろ危険な選択といえるでしょう」(p. 40)

調査によれば、戦後は中卒が大半を占めていたのが次第に高卒・大卒も増え、現在は大学・大学院を最終学歴とする大卒層と中卒(高校中退)・高卒・専門学校卒からなる非大卒層が社会を二分しています。吉川さんはこれを学歴分断線と呼んでさまざまな角度から検証を試みています。

なぜこのような分断が起こったのか。疑問に思いながら読み進めていましたが納得がいきました。戦後の教育方針、欧米と異なる日本という国の特殊性。そして時代の変化。私自身の親戚家族の学歴も、ぴったり影響を受けてあてはまるように思います。

日本人は無意識のうちに、初対面でも学歴や学校歴をその人を見る尺度にしてしまいがちです。(私自身もそうです)それは逆にいえば、他にどんな視点で相手を評価すればいいかわからないということでもあります。

筆者の主張する通り、学歴分断線はこれからも存在し続けるでしょう。そして格差社会の大きな要因として影響を及ぼし続けることになるはずです。その現実に向き合おうという呼びかけには、私も賛成です。

(実家で借りて・背表紙幅:1.2cm)

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