忍者ブログ
流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
 カレンダー 
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
 ブログ内検索 
 プロフィール 
HN:
流れ星
性別:
女性
職業:
アルバイト
趣味:
読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

各記事TOPの
「○○冊目!」…在学中
「○○冊目!」…卒業後
もうすぐ通算650冊に到達予定。
 カテゴリー 
 P R 
 Amazon 
[261]  [260]  [259]  [258]  [257]  [249]  [256]  [255]  [254]  [253]  [252
62冊目!

ブレイブ・ストーリー(上) ブレイブ・ストーリー(中) ブレイブ・ストーリー(下) ブレイブ・ストーリー
宮部 みゆき

角川書店 2006-05-23


by G-Tools
「発見!角川文庫2011」より

実家で母と弟が既に読み終えていた上・中・下巻にわたる和製ファンタジー。ようやく私もチャレンジです。

スタートは、現代の日本が舞台。物語の始まりは、小学5年生の亘が近所の幽霊ビルの噂や転校生の美鶴と出会うところです。並行して、彼の両親の間の空気が変化していく様子も描かれます。

亘からみればふってわいたような両親の離婚話。そこから彼が「運命を変えてみせる」と一念発起するまでの心理描写は宮部さんさすがという感じです。

欧米発のファンタジー作品がブームになった中、和製ファンタジーは物足りないと思った人もいるかもしれません。でも私は、この上巻に書かれた典型的な家族(共依存的)に考えさせられるものがありました。

読みどころはまず中巻後半。ワタルの願いと幻界の行く末が交錯し、彼が大きく戸惑う部分でもあります。これは読者にも投げかけられた大きな問いのようでした。

ファンタジーでありながら、現代社会の問題の真髄を捉えて描かれる物語と世界観。「人間とは?」「生と死とは?」多方面から繰り出される問題提起は、さすが宮部さんといったところです。

「――子供だから何だというのだ。もともと僕が与えてやった命じゃないか。ワタル、おまえが僕の子供だというだけで、一生僕を縛りつける権利があると言い張るのなら、僕にも考えがある。おまえを捨てるのは残酷だと言うのならば、おまえが望むとおりにしてやろう」(p. 292)

そして物語は一気に下巻のクライマックスへ。 見習い勇者でしかなかったワタルが確実に成長し強くなったことは、彼の真の願いと旅の終わり方からもわかります。

読んだ後のすがすがしさと、一緒にワタルと旅をしてきたかのような達成感を味わうことができました。

→次に読む本を発見!
  ・京極 夏彦 『豆腐小僧双六道中ふりだし』 (2014/07/20の記事

→著者の他の本:
  ・『魔術はささやく』 (2005/06/24の記事
  ・『理由』 (2005/09/20の記事
  ・『火車』 (2006/03/30の記事
  ・『初ものがたり』 (2008/01/27の記事
  ・『龍は眠る』 (2015/08/14の記事

(実家で借りて・背表紙幅:上・中・下巻合わせて5.5cm)

拍手[0回]

PR

Template by ららららいふ / Material by 素材くん「無料WEB素材屋」

忍者ブログ [PR]