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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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流れ星
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文学部在学中に223冊を読破。

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273冊目!

注文の多い料理店 注文の多い料理店
イーハトーヴ童話集

宮沢 賢治

(岩波少年文庫) 岩波書店 2000-06-16


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表紙の絵は、「月夜のでんしんばしら」の一場面と思われます。賢治自身による作品だそうです。

前半は、賢治の生前に出版された童話集の作品が中心、後半には詩集『春と修羅』に収められた作品と「雨ニモマケズ」です。

「序」で述べられているように、賢治が自然を愛し、動物・植物・鉱物・果ては空や宇宙にまで命を吹き込んだ作品がとても多く収められています。

あとがきを読んで、今回はじめて賢治の作品が海外でも人気を集めていることを知りました。そういえば、グリムやアンデルセン・イソップもおもしろいけど、これほど自然に関して豊かな描写を含む作品集というのは聞いたことがない気がします。

ギリシャ神話やローマの神話でも、さすがに岩がしゃべったり風が歌ったり・・・なんて場面はなかったような。

→本書について触れている本:
  ・宮崎 駿 丹羽圭子 『脚本 コクリコ坂から』 (2012/08/21の記事) ・・・現代詩研究会の生徒が、詩を朗唱するシーン。賢治の「生徒諸君に寄せる」の一部で、本書からの引用だそうです。

→著者の他の作品・他社から出版されている本:
  ・『注文の多い料理店』 (新潮文庫) (2005/01/31の記事
  ・『新編 銀河鉄道の夜』 (新潮文庫) (2005/02/16の記事
  ・『銀河鉄道の夜』 (角川文庫) (2008/09/05の記事
  ・『銀河鉄道の夜』 (集英社文庫) (2012/09/01の記事
  ・『セロ弾きのゴーシュ』 (角川文庫) (2013/04/11の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.2cm)

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167冊目!

トニオ・クレエゲル トニオ・クレエゲル
トオマス・マン
訳:実吉 捷吉

(岩波文庫) 岩波書店 2003-09-18


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(原題:Tonio Kroeger)

『ヴェニスに死す』の作者として知られるトマス・マンの作品です。1903年、彼が28歳のときの作品だそうです。(今の私と同世代!?)

テーマは「芸術と生活の狭間での葛藤」。おそらく世の中の人間は、主人公トニオに共感できる少数の人と、共感できない大多数に分かれるのではないでしょうか。

解説や表紙の説明などを読むと、トニオの姿はマン自身を反映しているとされます。豊かな感性で芸術を愛するあまり、実生活では気軽に友人を作ったり、人々と打ち解けたりすることができません。

どこか不器用で生きにくい。本文はとてもかたい文章で読みにくいのですが、その苦しさが伝わってきました。

トニオの感性の強さを表しているのでしょうか? 彼が訪れたデンマークの海の描写がとても美しくてきれいでした。それだけに…ラスト15ページで起こった「出来事」がショックで、もの悲しさが際立ちます。

→本書について触れている作品:
  ・橋本 紡 『流れ星が消えないうちに』 (2011/09/23の記事
  ・北 杜夫 『どくとるマンボウ航海記』 (2012/10/29の記事
  ・野村 ひろし 『ドイツの子どもの本』 (2014/09/28の記事

→著者の他の本:
  ・『ヴェニスに死す』 (2005/06/19の記事
  ・『ドイツとドイツ人』 (2005/08/26の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:0.6cm)

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67冊目!

ドリトル先生航海記 ドリトル先生航海記
井伏 鱒二

(岩波少年文庫) 岩波書店 2000-06


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<「ドリトル先生」シリーズ2冊目>

小学生の頃、1度読んだことがありますが、その時は面白さがわかりませんでした。10年以上たった今、改めて読み直してみてようやくドリトル先生のお話の魅力が理解できるようになったと思います。

物語の出発地は、沼のほとりの小さな町・パドルビー。町に住む貧しい少年、トミー・スタビンズの目線を通して2作目は語られます。冒険に心躍らせて航海に旅立つ設定は、スティーヴンスンの『宝島』(2005/01/19の記事)に通じるものがあるような。大英帝国の植民地政策の歴史と関係があるのかな。

航海の出発前・途中で立ち寄ったスペイン領の島・目的地のクモサル島・パドルビーへの帰還と、物語の各展開でドリトル先生と動物たちとのエピソードが繰り広げられます。それはどれも、動物の言葉が話せる先生の能力と、先生自身が持っているユーモアが作り上げるもの。

特に後半、クモサル島に着いた後はドリトル先生の人柄や価値観が色濃く描かれているように思います。先生は何よりも博物学が大好きで、人助けに夢中で、子どものような一面も。そしてぽっこりと出たお腹とシルクハットがトレードマーク。

3作目以降もどんな冒険を見せてくれるのか、楽しみです。

(市立図書館+実家で借りて・背表紙幅:2.2cm)

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29冊目!

ドリトル先生アフリカゆき ドリトル先生アフリカゆき
ロフティング Hugh John Lofting
訳:井伏 鱒二

岩波書店 2000-06


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(原題:The Story of Doctor Dolittle) 「ドリトル先生」シリーズ1冊目。

小学生の頃だかに『航海記』を読んだものの、そんなに面白かった記憶がない…(汗) 改めてシリーズで通読してみようかと思い、手に取りました。

(イギリス作家にはもはや「お約束」としか思えないけれど)大英帝国の歴史からみて、この作品にも人種差別的な描写が否めません。執筆時期も考えると、致し方ないことでしょうね。

でもそのフィルターは置いといて、どうしてこの作品が子どもたちに支持されたのか考えてみると非常に興味深いです。

1つは、冒険心を駆り立てられる内容だということ。そしてもう1つは、「ドリトル先生みたいに動物と自由にお話ができたらいいなぁ」(なんかドラえもんに通じる?)という子どもたちの夢が、動物たちのやり取りの中にちりばめられていること。

これら2つの点が、このシリーズの魅力なのかなと思います。

→本書について触れている本:
  ・長山靖生 『謎解き 少年少女世界の名作』 (2012/05/11の記事

(実家で借りて・背表紙幅: 1.4cm)

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23冊目!

モモ モモ
時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語

ミヒャエル・エンデ

岩波書店 1976-09


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中学の頃だか、読もうと挑戦して挫折した経験のある本です。だいぶ読書慣れした今は、簡単に読みきれました。こんなお話だったんだ!

時間どろぼうの事件が(意外と?)あっけなく解決してしまうのは驚きましたが…。むしろ事件の全容こそエンデが書きたかったメッセージなのかも。

エンデならではの世界観もさることながら、時間というつかみにくい概念を花に例えて、彼なりに表現しています。そして、合理主義や効率第一に優先して動く現代社会への痛烈な批判。これは読んでいて冷や汗が出ました。

現代人の大人にまさに読んでほしいと思える児童文学です。いや、児童文学にしておくのはもったいない!

→本書について触れている本:
  ・竹内一郎 『人は見た目が9割』 (2012/04/16の記事

→著者の他の作品:
  ・『はてしない物語』 (2005/01/09の記事

(実家で借りて・背表紙幅:3cm)

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210冊目!

格差社会-何が問題なのか 格差社会
何が問題なのか

橘木 俊詔

(岩波新書) 岩波書店 2006-09


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「格差が出ても仕方ない」という格差容認論についての切り口が、非常にわかりやすく書かれていたと思います。

これまで読んできた「格差社会」「上流・下流」「勝ち組・負け組」関連の本は、現状の調査結果が中心で、「これからは二極化が進みますよー!!」と、半ば脅しのような内容が多かった気がします。

ところが橘木さんは、政治家までもが「格差があって何がいけない」と開き直る現状を見据え、その発言の裏にどんな価値観や本音が隠れているのか、そして何が問題なのかを冷静に分析していました。

その的確で丁寧な分析から紡ぎだされる、第五章「格差社会への処方箋」(格差拡大に対して、どんな対策をこうじていくべきか)は非常に説得力があります。

(実家から借りて)

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