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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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 プロフィール 
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流れ星
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女性
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アルバイト
趣味:
読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

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217冊目!

初ものがたり 初ものがたり
宮部 みゆき

(新潮文庫) 新潮社 1999-08


by G-Tools
2008年 品格を育てる12ヶ月 (All About)より、1冊目
http://allabout.co.jp/gm/gc/208260/

江戸時代の深川を舞台にした、時代小説。タイトルの「初ものがたり」とは、(食べ物の)「初物」「物語」を組み合わせた造語のようです。

この小説の1番の特徴は、タイトル通り旬の食べ物が各短編のキーになっていること。よく読むと、春夏秋冬それぞれの季節が描かれているのもなかなかうまいと思います。

時代小説や推理小説を読みなれていない人でも、こうした食べ物の話題がある分楽しめるのではないでしょうか。もちろん、そうでなくても宮部みゆきさんの文体には十分読者を引き込む力があると思うけどね。

四季折々の移ろいを、自然を見るだけではなく食べ物を通しても感じる。これって、日本人だからこそわかる感覚なのかもしれません。そしてその感覚は、現代の私達にも通じているんですよね。物語の舞台が江戸時代だからこそ、そんなメッセージが込められているような気もします。

最近は輸入食品も普及したし、端境期の食べ物だってスーパーで簡単に手に入る時代です。1年中、同じものを食べることだって可能だし、十分生きていけます。

でも、こうして季節や時の流れを感じながら食事を楽しむのも、立派な日本文化だと思います。これは、海外に紹介したり、後世に伝えていったりするだけの価値は十分にあるのでは。

それにしても稲荷寿司屋の親父さんてば、お料理上手すぎ。一体何者なんだろう。この巻だけだと正体はわかりませんが、続きが気になるところです。宮部さん、楽しみにしてますよ♪

余談ですが、お寿司はもともと江戸時代のファストフード。作品中に出てくるように、屋台に客席をくっつける形でお店を出すのが普通だったそうです。現代でもお寿司屋さんに行くとカウンター席が必ず作られているのは、その名残なんだとか。

そうそう、ツボだったのが

「今日は朝から、髷(まげ)が飛ばされそうなほどの強い木枯らしが吹きすさんでいる」 (p. 171)

爆笑。さすが江戸時代!

→著者の他の本:
  ・『魔術はささやく』 (2005/06/24の記事
  ・『理由』 (2005/09/20の記事
  ・『火車』 (2006/03/30の記事
  ・『ブレイブ・ストーリー』 (2009/07/08の記事
  ・『龍は眠る』 (2015/08/14の記事

(C市図書館で借りて)

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