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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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 プロフィール 
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流れ星
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女性
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アルバイト
趣味:
読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

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もうすぐ通算650冊に到達予定。
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101冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」62冊目)

魔術はささやく 魔術はささやく
宮部 みゆき

(新潮文庫) 新潮社 1993-01


by G-Tools
「自分も十持っていて、隣の人間も十持っている状態で、その隣にいる人間に対して優越感を感じたいと思ったら、相手から何かを取り上げてしまうしか方法がない。そうしないと満足できない。」

宮部さんの作品は『レベル7』を中学の頃に読んで以来、2冊目。書き手の目線を特定の人物にとどめることなく、平行して起こる複数の出来事を書いていくところがドキュメンタリー調。映画を見ているような印象を受ける。

主人公の高校生、名前は「守」。なのに彼は鍵に関する知識が豊富で金庫破りのプロ。だからといって彼はその能力を自分のために使うことはない。自殺しようとする人物を思いとどまらせるため、交通事故を起こして逮捕された叔父の無実を証明するため、ここぞという場面で走り出し、手持ちの道具で簡単に鍵を開けてしまうところがかっこいい。本当に、高校生??という現実的なツッコミはまあ置いておくとして。

この守くん、私の中ではどうもハリー・ポッターと姿がダブる。両親がいない、学校ではいじめられるばかり、でも彼には他の人間にはない能力があって、ふとした出来事をきっかけに進んでいくと…それまでの自分に関する秘密が明らかになる。この作品が書かれたのはもう20年近くも前の話なので、当然真似をしたはずはないけど、やっぱり主人公像に共通するものがある気がする。

それから随所に登場する「逃げろ、逃げろ」と呼びかける声。乃南アサさんの『6月19日の花嫁』にも似た場面があって、不思議な感じがした。あ、おんなじ、と。人間誰しも不安を抱えていて、恐怖に襲われると逃げたくなる、というより、「逃げなければならない」という脅迫観念を感じるもの。そうすると、その時一体何から逃げていることになるんだろう。

色々なことを考えさせられる。久しぶりに、読み終わった後も考えをめぐらすことができた。「新潮文庫の100冊」にはまだ宮部さんの作品が含まれているので、他の作品を読むのがとても楽しみ。その代わり、図書館で上手く手に入れるのが難しい…やっぱりみんな同じことを考えるのね(泣)

→著者の他の本:
  ・『火車』 (2006/03/30の記事
  ・『初ものがたり』 (2008/01/27の記事
  ・『理由』 (2005/09/20の記事
  ・『ブレイブ・ストーリー』 (2009/07/08の記事
  ・『龍は眠る』 (2015/08/14の記事

(C市図書館で借りて)

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