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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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 プロフィール 
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流れ星
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女性
職業:
アルバイト
趣味:
読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

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180冊目!

ノートル=ダム・ド・パリ ノートル=ダム・ド・パリ
ヴィクトル・ユゴー文学館〈第5巻〉

ヴィクトル ユゴー Victor Hugo
訳:辻 昶

潮出版社 2000-11


by G-Tools
やっと読み終わったー!! 長かったけど、すごく面白かった!

『ノートルダムの鐘』(ディズニー版)と全然あらすじが違うね。スケールも違う。原作の方が壮大で、内容も深い。登場人物の言動だけじゃなく、舞台のパリの情景や歴史的背景に関する記述がかなりの割合を占めていて、小説というよりは紀行文のような気もするな。

冒頭で出てくる、'ΑΝΑΓΚΗというギリシア語。「宿命」という意味があるけれど、これがこの作品のキーワードになっていると思う。ジプシーのエスメラルダを中心に、引き寄せられるように展開する人物間のやりとり。恋心や罪の意識、憎しみが複雑に絡まりあって、最後は悲劇に突入する。人間にはどうしようもない力に翻弄される様子は、(筆者も言っているように)宿命の一言に集約されるように思う。

筆者は同時に、ノートルダム大聖堂を舞台におくことで、かつてのよき芸術作品や文化が廃れてしまうことを嘆いている。時間とともに大聖堂に人の手が加わり、オリジナルの良さが失われてしまうことをいたむ記述があった。

でもそれも、ある意味では「時」の存在から生じる宿命ではないのかな。建築であれ、書物であれ、完成したそのままを維持して完全なままでとっておくことはできない。物理的に見れば、風化や崩壊が考えられるし、本質的な面で見れば、それが表す意味や解釈も時間とともに変わっていくはずだから。

ユゴーの作品は他にも『レ・ミゼラブル』が有名。

(大学附属図書館+市立図書館で借りて)

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