流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
カレンダー
最新記事
(08/12)
(07/08)
(06/30)
(06/23)
(06/08)
ブログ内検索
プロフィール
HN:
流れ星
性別:
女性
職業:
アルバイト
趣味:
読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。
各記事TOPの
「○○冊目!」…在学中
「○○冊目!」…卒業後
もうすぐ通算650冊に到達予定。
各記事TOPの
「○○冊目!」…在学中
「○○冊目!」…卒業後
もうすぐ通算650冊に到達予定。
カテゴリー
アーカイブ
P R
Amazon
732冊目!
主人公・遼介は中学3年生。桜ヶ丘中サッカー部の最高学年です。
前作からキャプテンを引き継いでいる遼介にとって、チームをまとめるリーダーとして悩む描写が増えています。
「ときどき、キャプテンをやっていて虚しくなるときがある。どうしてこんなことまで、自分がやらなければならないのかと思う瞬間がある。自分の判断でやっていることとはいえ、報われない場合が多い」(p32)
部活によっても、スポーツにもよっても、チームの人数やメンバーの個性は千差万別。100人越えの大所帯をまとめなければならないこともあれば、わずか数人のアットホームな環境になる場合もあります。私は学生時代にあまり意識しなかったけれど、部活動は人間関係を学ぶ場でもあったと思います。
サッカーも集団でプレーする競技である以上、大会や試合の間だけでなく、普段の練習のときから1つのチームとして統率する力が求められると改めて感じます。小学生の頃はただ「サッカーが好き」なだけでプレーできても、中学高校では「チームのために貢献できるか」という点で集団の一員として自分が行動できるか試される場へ、質が変化しているのが作中から読み取れます。
「最近、サッカーを続けることは、そう簡単なことではないと、いろんな意味で思えてきた。サッカーは自分ひとりだけで、できるわけではないし、楽しいことばかりではない。誰もが続けられるものではない気がする。だからこそ続ける価値も、またあるのかもしれないけれど・・・。」(p.32)
今作は、サッカー部の顧問に新しく赴任した草間の存在を抜きに語ることはできません。「桜ヶ丘中のサッカー部を作り変える」ことを念頭に、部員たちが戸惑うのもお構いなしでローテーションや練習メニューを変えてしまいます。
読んでいて不気味なのは、コーチの小暮や小学校時代の指導者・峰岸と違って、草間本人の心の内がまったく書かれていないことです。前作までは、指導者たちや部員の保護者の目線で語られる場面も設けられていましたが、今作では読者も遼介の目線でしか草間の人となりを読むことができないのです。
なぜ試合中に突然、選手の交代を告げたのか。何が草間の気に障ったのか。どんな思いでサッカー部の顧問を続けているのか、直接述べられない以上、次の作品で明かされるのかどうか気になります。
→同じシリーズの作品:
・『サッカーボーイズ 再会のグラウンド』 (2022/05/22の記事)
・『サッカーボーイズ 13歳 雨上がりのグラウンド』 (2023/02/26の記事)
・『サッカーボーイズ 14歳 蝉時雨のグラウンド』 (2024/04/27の記事)
・『サッカーボーイズ 15歳 約束のグラウンド』
・『サッカーボーイズ 卒業 ラストゲーム』 (2024/08/12の記事)
(古本屋で購入・背表紙幅:1.4cm)
主人公・遼介は中学3年生。桜ヶ丘中サッカー部の最高学年です。
前作からキャプテンを引き継いでいる遼介にとって、チームをまとめるリーダーとして悩む描写が増えています。
「ときどき、キャプテンをやっていて虚しくなるときがある。どうしてこんなことまで、自分がやらなければならないのかと思う瞬間がある。自分の判断でやっていることとはいえ、報われない場合が多い」(p32)
部活によっても、スポーツにもよっても、チームの人数やメンバーの個性は千差万別。100人越えの大所帯をまとめなければならないこともあれば、わずか数人のアットホームな環境になる場合もあります。私は学生時代にあまり意識しなかったけれど、部活動は人間関係を学ぶ場でもあったと思います。
サッカーも集団でプレーする競技である以上、大会や試合の間だけでなく、普段の練習のときから1つのチームとして統率する力が求められると改めて感じます。小学生の頃はただ「サッカーが好き」なだけでプレーできても、中学高校では「チームのために貢献できるか」という点で集団の一員として自分が行動できるか試される場へ、質が変化しているのが作中から読み取れます。
「最近、サッカーを続けることは、そう簡単なことではないと、いろんな意味で思えてきた。サッカーは自分ひとりだけで、できるわけではないし、楽しいことばかりではない。誰もが続けられるものではない気がする。だからこそ続ける価値も、またあるのかもしれないけれど・・・。」(p.32)
今作は、サッカー部の顧問に新しく赴任した草間の存在を抜きに語ることはできません。「桜ヶ丘中のサッカー部を作り変える」ことを念頭に、部員たちが戸惑うのもお構いなしでローテーションや練習メニューを変えてしまいます。
読んでいて不気味なのは、コーチの小暮や小学校時代の指導者・峰岸と違って、草間本人の心の内がまったく書かれていないことです。前作までは、指導者たちや部員の保護者の目線で語られる場面も設けられていましたが、今作では読者も遼介の目線でしか草間の人となりを読むことができないのです。
なぜ試合中に突然、選手の交代を告げたのか。何が草間の気に障ったのか。どんな思いでサッカー部の顧問を続けているのか、直接述べられない以上、次の作品で明かされるのかどうか気になります。
→同じシリーズの作品:
・『サッカーボーイズ 再会のグラウンド』 (2022/05/22の記事)
・『サッカーボーイズ 13歳 雨上がりのグラウンド』 (2023/02/26の記事)
・『サッカーボーイズ 14歳 蝉時雨のグラウンド』 (2024/04/27の記事)
・『サッカーボーイズ 15歳 約束のグラウンド』
・『サッカーボーイズ 卒業 ラストゲーム』 (2024/08/12の記事)
(古本屋で購入・背表紙幅:1.4cm)
PR