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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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 プロフィール 
HN:
流れ星
性別:
女性
職業:
アルバイト
趣味:
読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

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もうすぐ通算650冊に到達予定。
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169冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」91冊目)

涙(上) 涙(下)
乃南 アサ

(新潮文庫) 新潮社 2003-01


by G-Tools
乃南さんの作品を読むのは、『凍える牙』と『6月19日の花嫁』に続いて3作目。『6月19日の花嫁』は主人公が婚約者と出会う場面がロマンチックですごく感動した覚えが。この作品でも、突然姿を消した婚約者への思いがつづられる場面がしばしば出てきて、いわゆる「純愛」ものの小説ということもできるかもしれない。

読み始めたら止まらなくなって、一気に上下巻を読みきってしまった。本編の場面設定が東京オリンピック前後なので、当時を知らない私にとってはタイムスリップしたような感じだった。世間を騒がせたニュースや流行が頻繁に出てくるし、風俗に関する記述もある。主人公が婚約者を探して旅した先々で、地域独特の文化や方言が織り交ぜて書かれているから、本当に自分がそこを訪れているような気にもなる。

主人公・萄子の婚約者、勝は思いがけない形で発見されることになった。刑事として自分の仕事に誇りを持っていたはずの彼が、どうして婚約者のもとから突然消えてしまったのか、私も読みながら色々推理してみたけれど、種明かしを読んで思わずうーんとうなってしまった。

勝との幸せな将来を心から望んでいた萄子、勝に想いを寄せていたのぶ子、娘を殺された恨みを抱える韮山、そして覚せい剤に手を出す少年達の思惑。登場人物それぞれの思いがからみあって生まれた悲劇が、台風直撃の中で語られる設定が面白い。

(C市図書館で借りて)

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