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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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 プロフィール 
HN:
流れ星
性別:
女性
職業:
アルバイト
趣味:
読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

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41冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」23冊目)

海と毒薬 海と毒薬
遠藤 周作

(新潮文庫) 新潮社 1960-07


by G-Tools
遠藤さんの本を読むのは『沈黙』『女の一生(第一部・第二部)』についで3冊目。またもや舞台が九州。「遠藤周作=九州」のイメージが・・・でも彼が書く九州の方言ってすごく生き生きしているように思う。

『白い巨塔』とテーマがダブるかも。戦争中、米兵捕虜を大学病院で生体解剖した事件を小説化したもので、手術中の描写がなまなましくて途中で投げ出しそうになった(でも読みきった)。学部長の座を狙う教授たちはもはや患者の治療などには目もくれず、むしろ椅子を獲得するために有益な患者を選んで手術を行う日々。

時代設定を終戦直前におき、「日本人とは何か」を問うている作品だという解説がついている。でも本当にこれは戦争のせいで医学も日本人も腐敗した、と結論づけてしまっていいのだろうか?

憲法を改正し戦争を放棄し、経済的に豊かになった現代の日本。その日本に住む私たちの心の根本が、60年やそこらで簡単に変わってしまうとは思えない。この場で明言はしないけれど、明らかに自分の利益のために他人を利用する人間はまだまだたくさんいる。

この生体解剖事件が引き起こされたのは、ただ単に当時戦争があったこと以外にも理由があると思う。

→遠藤周作の他の作品:
  ・『女の一生〈1部〉 キクの場合』 (2010/8/27の記事
  ・『深い河』 (2012/02/20の記事

(C市図書館で借りて)

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