カフカ 『変身』

251冊目！

変身 フランツ カフカ　Franz Kafka 訳：高橋 義孝 （新潮文庫）　新潮社 1952-07-30 by G-Tools

（原題：Die Verwandlung）

中学生の頃、「新潮文庫の100冊」をきっかけに読み始めたうちの1冊です。最近ではNHKの「100分de名著」に取り上げられていたのを見て、また読みたくなりました。

すごーく薄くて読みやすいのに、内容はとても深い。深いというより、思わず「うーん」と考えてしまう鮮烈さ。それだけ強い印象は、10年以上たって再読しても変わりませんでした。

加えて今回感じたのは、部屋にこもる主人公の心境が、うつの発作で寝込んでいた頃の自分のものとよく似ていたことです。社会とのつながりを断ち切って、自分の世界に浸っていたい・・・でも、他人との触れ合いは保っていたい・・・この矛盾した心情に共感できる人は、きっと現代にもたくさんいるはずです。

→本書について触れている本：
　　・養老猛司　『バカの壁』　（2011/08/20の記事）
　　・野村 ひろし　『ドイツの子どもの本』　（2014/09/28の記事）

（F市図書館で借りて・背表紙幅：0.6cm）

2012/07/23 (Mon) 2011_新潮文庫の100冊