江國香織・辻仁成 『冷静と情熱のあいだ―Rosso・Blu』

215・216冊目！

冷静と情熱のあいだ―Rosso 江國 香織 （角川文庫）　角川書店 2001-09 by G-Tools

冷静と情熱のあいだ―Blu 辻 仁成 （角川文庫）　角川書店 2001-09 by G-Tools

すっかりハマって、2回読みました。1回目は、Rosso→Bluの順で。

彼がカナダへワーキングホリデーに行っていた時、Blu→Rossoの順で読み感動したそうです。同様に、小説の中でも異国の地に住む日本人が主人公。

2回目は、RossoとBluを1章ずつ交互に。この読み方の方が、2つのあらすじがうまくリンクしていることがわかるのでおすすめです。雑誌連載中もこのスタイルだったそうなので、雰囲気が味わえますよ。時折登場するイタリア語がすごく気になる…。

まずRosso。江國さんが独特の文体でつづる、順正やマーヴへの切ない想いに圧倒されました。マーヴとあおいの年の差恋愛は、私と彼氏の姿にも通じます。

そしてBlu。辻さんの作品の読むのは初めて。絵を描く・美術といった話題がたくさん出てくるので、私も久しぶりにデッサンしたくなりました。男性が書く恋愛小説って、他に読んだことあったっけなぁ…思い出せないけど、とても丁寧な心理描写ができる作家さんだなと。

2つの小説。どちらが欠けても、この物語は完成しません。

当たり前のことだけど、恋愛も同じですよね。1つの恋愛は、1人だけで楽しむものではなくて、2人で作り上げているんです。でもどうしても私達は、自分の目線だけでしか世界を見られない。だからつい、このことを忘れてしまうのかもしれません。

そういう意味では、大好きな人と一緒に読んで話をしてみるのにもピッタリの作品ではないでしょうか。

近々、映画のDVDを彼と見てみようかなぁ。

→著者の一人、江國香織の他の本：
　　・『すいかの匂い』　（2005/01/06の記事）
　　・『つめたいよるに』　（2005/03/14の記事）
　　・『きらきらひかる』　（2005/04/10の記事）
　　・『神様のボート』　（2005/10/26の記事）

（彼氏のおすすめ：Rossoは彼から借りて・Bluは古本屋で購入）

2008/01/04 (Fri) 【角川文庫】