東野圭吾 『探偵倶楽部』

493冊目！

探偵倶楽部 東野 圭吾 （角川文庫）　角川書店 2005-10-25 by G-Tools

「発見！角川文庫2011」より

探偵が活躍する作品は数多くありますが、「探偵倶楽部」ほど異色な作品も無いのでは？

「シャーロック・ホームズ」や「少年探偵団」、「名探偵コナン」。人気作はみな探偵自身が主人公となり、数々の事件を解決するスタイルをとっています。人気の秘密は、主人公のキャラクター性が大きく関わっていることが多い気がします。

でも、現実の探偵はそんなに派手なことをしません。実際に難事件を次々と解決してしまったら、かえって目立ってしまって仕事になりません。彼らは決して表舞台には立たず、地味でも確実に任務を遂行することだけを考えている・・・はずです。

本作に登場する探偵たちも、「倶楽部の者」と名乗るだけ。読者にさえ本名を明かさず、淡々としていて性格をひた隠しにしています。もし5つの短編を1つ選んで読んだだけなら、「名無しの脇役」として片付けられて終わりそう。あくまでも彼らは黒子に徹しているのです。

→著者の他の本：
　　・『鳥人計画』
　　　　新潮文庫版　（2014/05/25の記事）
　　　　角川文庫版　（2015/07/04の記事）
　　・『夜明けの街で』　（2015/03/10の記事）
　　・『さいえんす？』　（2016/03/29の記事）

→次に読みたい本を発見！
　　・松岡 圭祐　『万能鑑定士Qの事件簿１』　（2016/04/29の記事）

（F市図書館で借りて・背表紙幅：1.3cm）

2015/07/25 (Sat) 【角川文庫】