武者小路実篤 『友情』

58冊目！（「2004年新潮文庫の100冊」33冊目）

友情 武者小路 実篤 （新潮文庫）　新潮社 1987 by G-Tools

うわー、男２人女１人の三角関係だ。なんかドラマにありそうな設定。でも主人公野島の心情は妙に現実味を帯びてて、女性の私でも共感できる部分がたくさんあった。

大宮っていいやつ…すっごくいいやつ。いつも野島のことばかり考えて行動していて、こんな親友滅多にいない。だからこそ悲劇的な結末を迎えるんだけど、罪悪感を捨てようとしない謙虚さがまた友情の深さを物語る。

よく、男女で物事の考え方やとらえ方が違うって話を聞くけど、これを読む限りではそんな風には思えない。なんだ、同じこと考えてるんだ、ってすんなり納得できたし。しかしこのリアルさは何なんだろう。なんでこんなに的確な描写ができるんだろう。著者もこんな恋をしたことがあるのかな？でないとここまでは書けないような気がするんだけど…

今、好きな人がいるという方、必読です！

→この作品について触れている本：
　　・『パイロットフィッシュ』　（2013/03/19の記事）

→著者の他の本：
　　・『武者小路実篤詩集』　（2012/12/07の記事）

（C市図書館で借りて）

2005/02/16 (Wed) 2004_新潮文庫の100冊