平野 啓一郎 『日蝕』

60冊目！（「2004年新潮文庫の100冊」35冊目）

日蝕 平野 啓一郎 （新潮文庫）　新潮社 2002-01 by G-Tools

本読んでてこんなに鳥肌が立つのは久しぶりだ…！何なのこれ、作者本当に私と同じ大学生？ってたずねたくなるよ。

まず哲学・自然科学・神学に関する知識がすごい。あと、錬金術の用語も。色々な分野の学問を織り交ぜながら物語が展開していて、作者の教養の深さがうかがえる。

それから、文体。口語体で書かれてるけど、時々漢文独特の言い回しがでてくるし、みたことがない漢字を使ったり、熟語にふられるルビに工夫が見られたり。文章を読んだだけだと、年配の方が筆をとったようにも見える。

あらすじそのものも独創的。でも解説には、他の古典文学作品に見られるモチーフが使われてるという指摘がある。そのもとになった作品を読んでないからなんとも言えないけど、ネット小説には見られないような展開がとても新鮮だった。

（C市図書館で借りて）

2005/02/28 (Mon) 2004_新潮文庫の100冊