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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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 プロフィール 
HN:
流れ星
性別:
女性
職業:
アルバイト
趣味:
読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

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313冊目!
(50冊目!/2011・新潮文庫の100冊)
甲子園が割れた日 甲子園が割れた日
松井秀喜5連続敬遠の真実

中村 計

(新潮文庫) 新潮社 2010-07-28


by G-Tools
昨年末のある日のこと。さぁ読もうと手に取った直後、松井秀喜選手の引退ニュースが飛び込んできました。ふしぎなタイミングです。

野球の世界で語り草となっている、松井選手の5敬遠。恥ずかしながら、私はまったくこの出来事を知りませんでした。当時の私はまだ小学校に上がったばかりだったし、その後も野球に興味はなし。ここ数年、彼にいろいろ教えてもらって話についていけているというレベルです。

昨年(2012年)のロンドンオリンピックで、女子バドミントンの「無気力試合」が話題になったことは記憶に新しいことです。その時あるTV番組でこの「5敬遠」についても触れていました。

この本を読み終わって思うことは、敬遠した明徳高校の選手たちは決して「無気力」でも「監督の言いなり」でもなかったということ。本文中に指摘があるように、彼らはルール違反をしたわけではないし、監督に全くの信頼を寄せていました。

どうして、観客・マスコミ・そして世論はこんなに明徳を叩くのか。試合後の騒ぎに驚き、動揺する選手たちの描写を読み進める間、他の高校スポーツとの違和感をぬぐえませんでした。

「観(み)る側の方がむしろ過度に美化され、実像とかけ離れつつある『高校野球』というイメージに毒されていたのではないだろうか」 (p. 276)

その伝統と歴史から、高校野球はもはや高校生だけのものではなく、マスコミを通じて社会をも巻き込みうる場所なのだと感じます。よくも悪くもドラマを生み出し、消費するための舞台と化す。「5敬遠」も端的な例の1つだと言えそうです。

(古本屋で購入・背表紙幅:1.2cm)

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