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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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 プロフィール 
HN:
流れ星
性別:
女性
職業:
アルバイト
趣味:
読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

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3冊目!

つくもがみ貸します つくもがみ貸します
畠中 恵

角川書店 2007-09


by G-Tools
2008年 品格を育てる12ヶ月 (All About)より、2冊目
http://allabout.co.jp/gm/gc/208260/2/

All Aboutのリンク先にも書いてあるように、この本に収録されている5つの短編作品のタイトルは、全て日本の古典色名。色彩検定で覚えてなじみのある色もありますね。「蘇芳(すおう)」とかね。

100年の時を経て、道具に宿った付喪神(つくもがみ)たち。そして、血のつながりはないけれど力を合わせて貸し物屋を営む姉弟。両者が直接口を聞くことは決してないのに、意志の疎通ができてるようなできてないような…その微妙な距離感がうまくユーモラスに書かれてます。

道具に魂が宿るというオカルト的な要素が含まれている割に、すんなりと物語の世界に引き込まれてしまうのは付喪神たちの個性がはっきりしているせいかも。

その中で、私が思わずうなってしまったのが次の一文。

「法からすり抜け、この世で罪には問われないこともあるのだ。分かっている、分かっている。
だがそれを知って開き直っている者がいる故に、分かってはいても納得できず、総身は幽霊と化すのだ。復讐を思い立つのだ。馬鹿だと思っても、どうしても、いつまでも納得できないまま……。」(p. 100-101 改行本文)


特に前半。現代の日常生活でも、ニュースを見ていて思い当たる節があるような気がして。現代も江戸も、時は変われど人間の本質は変わらないものですね。

色彩や道具の役割・使い道などがうまく話の展開をリードしているのも絶妙です。まるで時代劇のドラマでも見ているような錯覚。時代小説に読み慣れていない人にも楽しめる作品だと思います。

→文庫版:
  ・角川文庫版 (2017/10/11の記事

→著者の他の作品:
  ・『ゆめつげ』 (2015/10/10の記事
  ・「太郎君、東へ」 "Fantasy Seller" に収録 (2015/06/21の記事

→「しゃばけ」シリーズ:
  1.しゃばけ (2016/09/10の記事
  2.ぬしさまへ (2016/11/23の記事
  3.ねこのばば (2017/02/18の記事
  4.おまけのこ (2017/04/23の記事
  5.うそうそ (2017/07/30の記事
  6.ちんぷんかん (2018/10/27の記事
  8.ころころろ (2024/04/20の記事

(書店で購入・背表紙幅:2.4cm)

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