よしもとばなな 『なんくるない』

286冊目！
（47冊目／2011新潮文庫の100冊）

なんくるない よしもと ばなな （新潮文庫）　新潮社 2007-05 by G-Tools

「そこにいるのに会えない理想のかたちを求めてはじまるのが祈りというものなら、人間はなんて傲慢なのだろう」　（p. 26-27）

「なんくるない」は沖縄の言葉で「なんとかなるさ」の意味。この本には、沖縄を舞台にした短編が4つ収められています。

私はまだ沖縄に行ったことが１度もなく、旅行会社のパンフレットでしか沖縄の自然に触れたことがありません。本文を読んでいると、海にきらめく光や風のさわやかさ、植物や食べ物がかもし出す沖縄の空気に包まれているような気分になります。

つい、著者は沖縄出身だったっけ？と錯覚するほど。

「わかってもらえるということはただそれだけで、もう『今寝てもいいよ』っていうふうにふわふわに整えられたベッドを用意してもらっているのと同じくらいに、ほっとさせられるものだ」　（p. 132）

→この本について触れている本：
　　・『あの空の下で』　（2017/11/01の記事）

→著者の他の本：
　　・『キッチン』　（2005/04/10の記事）・・・「吉本 ばなな」名義
　　・岡本 敏子　『奇跡』　（2012/02/10の記事）・・・巻末の対談に参加

（F市図書館で借りて・背表紙幅：1.1cm）

＜収録作品一覧＞

・ちんぬくじゅうしい
・足てびち
・なんくるない
・リッスン

※「ちんぬくじゅうしい」・・・里芋の炊き込みご飯のこと　（p. 8）
※「足てびち」・・・豚足のこと　（p. 71）

2012/10/15 (Mon) 2011_新潮文庫の100冊