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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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 プロフィール 
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流れ星
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女性
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アルバイト
趣味:
読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

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237冊目!

1Q84 BOOK3 1Q84 BOOK 3
村上 春樹

新潮社 2010-04-16


by G-Tools
先に出版された2冊は、青豆と天吾の2人の目線で交互に書かれていました。この巻からは牛河の目線も加わって、3章ごとに3人の動きが描写される構成に変わります。

「この1Q84年の世界にあっても、私はまったくの孤独ではない。たぶん」(p. 220)

読み終えてみて、これはラブストーリーだったんだとわかりました。BOOK 1やBOOK 2を読んだだけでは伏線がわからなくて、もやもやしていたところが多数あったのも事実。BOOK 3はようやく種明かしが行われているようでした。

一方で、残る謎もたくさんあります。数え上げていたらキリがないけど、そうした謎も1Q84年の世界だからこそ発生しえたことなのかもしれません。あくまでも私たちは、月が一つしかない世界に住んでいるので。

月は一つしか夜空に浮かばない。同じように、冬が終われば春がくる。川は山から海へ流れる。当たり前のことを私たちはじっくり見ようとしていないと思います。

→「1Q84」シリーズのほかの本:
  ・『BOOK 1』 (2009/08/24の記事
  ・『BOOK 2』 (2009/09/02の記事

→村上春樹「1Q84」 新潮社公式サイト:
  ・http://1q84.shinchosha.co.jp/

→著者の他の作品:
  ・『海辺のカフカ』 (2016/08/05の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:3.1cm)

※ここからネタバレです。

青豆と天吾はハッピーエンドになりました。でも、気になるのは牛河の存在です。彼だけ、「月が2つあることに気づいた」=「1Q84年に迷い込んだことに気づいた」のに逃げ出してくることができませんでした。彼はいわば救われなかった人間で、キリストを裏切ったユダと印象が似ています。

性交渉なしで妊娠した青豆は聖母マリア、天吾はヨセフ…とまるでこちらも聖家族みたい。お腹の子(作中では「小さなもの」)を守るために1Q84年の世界から逃げてくる部分は、聖書の一節とも重なるような。

宗教について否定的・批判的ととれる文章がある一方で、教えを踏襲するかのような展開も含まれています。これをどう読み取り、考えるのか?

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