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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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 プロフィール 
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流れ星
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女性
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アルバイト
趣味:
読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

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293冊目!

放蕩記 放蕩記
村山 由佳

集英社 2011-11-25


by G-Tools
母親との関係を軸に、自伝的なテーマで書いたという作品。私自身、生い立ちに共通点がいくつかあり、複雑な気持ちを抱えながら読みました。

「今は与えられている物も、許されている自由も、母親の気分次第でいつ取り上げられるかわからない。だったら、自分にとって大事なものほど、上手に隠しておかなければならない。楽しいと思うことほど、隠れて行わなければいけない」 (p. 156)

常に母親の顔色を見ながら、ご機嫌取りをする日々。他にも家族がいて聞き役は選べるはずなのに、長女の自分にだけ日常の愚痴をこぼされてうんざりする気持ち。

子どもの気持ちや考えを理解してもらえず、一方的に解釈されて怒鳴り散らされる恐怖。家の外では「いいお母さん」「いい奥さん」の顔を演ずる不自然さ。

私も数年前から、そんな母のことが嫌いでした。そして、親を愛せない自分のことも、恥ずかしくて愛することなどできませんでした。

「親の前で〈いい子〉のふりをするのが習い性になっていたせいで、ほかの誰に対しても、つねに何らかの仮面をかぶらなければ向かい合えなくなってしまっていた。(中略)微妙に異なる仮面をあまりにもたくさん取り揃えすぎて、本来の顔をどこへやったか自分でもわからなくなるほどだった」 (p. 233)

実家から逃げ出して、自分からは連絡を取らないようにし始めて1年半がたちます。正直、親と向き合えば心が揺れて、また距離を縮めたくなってしまうかもしれない。それが怖いから、あえて親との関係を絶っている面もあります。

でもいつか私も、親が老いた姿を目にしたら・・・苦労をかけてしまって申し訳ない、親不幸な娘でごめんなさいと謝りたくなる気持ちになるのかもしれません。

→著者の他の作品:
  ・『天使の卵』 (2005/08/29の記事
  ・『天使の梯子』 (2005/09/22の記事
  ・「イエスタデイズ」 『あの日、君とGirls』収録 (2015/06/26の記事

→著者の公式サイト:
  ・村山 由佳 公式サイト YUKA BLUE http://www.yuka-murayama.com/

→母と娘の関係がテーマの本:
  ・佐野 洋子 『シズコさん』 (2011/12/21の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:3.5cm)

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