北杜夫 『どくとるマンボウ航海記』

292冊目！

どくとるマンボウ航海記 北 杜夫 （新潮文庫）　新潮社 1965-02 by G-Tools

タイトルは何度も目にしたことがあったのに、手に取る機会がなかった１冊。斎藤茂太先生の著書で触れられていて、初めて読んでみる気になりました。

読み始めたら、けっこうおもしろいです、この本。漫画のようなテンポで、どのページもユーモア満載。エッセイかフィクションか、区別のつかない部分の連続です。

現代の若者は内向き志向だ、世界にもっと目を向けろと言われるけど、北さんは「外国に行ってもこんなに楽しくやれるんだよ、なんとかなるもんなんだよ」と皮肉も込めてメッセージを送ってくれているような気がしてきます。

あいにく、北さんは昨年2011年に他界されました。お元気なうちに、作品に触れておきたかったなぁ・・・。躁うつの症状に悩まされていたとの話を聞くと、個人的には親しみを感じるところも大きいです。

→本文中で触れている本：
　　・p. 115　マン　『トニオ・クレーゲル』　（2011/10/05の記事）

→この作品について触れている本：
　　・斎藤 茂太　『いい言葉は、いい人生をつくる』　（2011/06/01の記事）

→著者の他の本：
　　・『夜と霧の隅で』　（2012/09/29の記事）

（NPO運営の民間図書館で借りて・背表紙幅：1.0cm）

2012/10/29 (Mon) 興味本位