『にっぽんスズメ散歩』

654冊目！

にっぽんスズメ散歩

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編：ポンプラボ

カンゼン (2017-06-19)

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以前、カラスやツバメに関する本を読んだときに、「現代日本ではスズメの数が減っている」という指摘を何度か目にしました。確かに子どものときに比べて、スズメを見かける機会は減ってきた気がします。

早朝、目が覚めると聞こえる小鳥の声。目をこらして確認すると、鳴いているのはスズメではなく他の種類の野鳥であることが多いです。1週間に1～2度、通勤途中に駅のホームに飛んでくるスズメを見かけますが、大抵は1羽か2羽。カラスとムクドリなら駅前にうじゃうじゃいるのに・・・。

昔はスズメが田んぼの稲を食べにくるので、あまり歓迎されない鳥だったという話も聞いたことがあります。現代では宅地化が進み、スズメが巣を作れる人家も減り、身近すぎる故に生息状況の大きな調査も行われていないようです。

そういえば、スズメとツバメの見分けがつかない子どもも街中で見かけます。スズメは着物の絵柄になったり、「ふくら雀」という帯結びがあったり、日本文化との関わりが深い鳥なのに・・・なんだか寂しい。

この写真集では、複数の写真家や愛好家が捉えた日常のスズメの姿が多方面から紹介されています。ページいっぱいに引き伸ばされたスズメは、羽毛の1本1本までがくっきり写って、見慣れた「小鳥」のイメージを覆してくれること間違いなしです。

→同じ出版社の写真集：
　　・宮本 桂　『にっぽんツバメ便り』　（2019/01/27の記事）

（F市図書館で借りて・背表紙幅：1.0cm）

2019/08/25 (Sun) 興味本位 Comment(0)

村田沙耶香 『コンビニ人間』

653冊目！

コンビニ人間

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村田 沙耶香

文藝春秋

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数年前の話題作。気になっていました。

コンビニのバイトを経験した方なら、「あるある」がたくさん見つかるのかもしれません。そうでなくとも、接客業に共通する「客優先」「売上優先」の行動パターンを描写する部分が数多く登場します。

主人公の女性と私は似ているような気がします。幼いころに感じた、「周囲の人にはわかるのに、自分にはわからない」という違和感。みんなにとっての「当たり前」を自分も身につけようとして観察と真似を繰り返していた時期。

読者はおそらく、共感できるという人と共感できないという人で二極化するのではないでしょうか。

（F市図書館で借りて・背表紙幅：1.6cm）

2019/08/18 (Sun) 興味本位 Comment(0)

谷瑞恵 『思い出のとき修理します4』

652冊目！

思い出のとき修理します
4 永久時計を胸に

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谷 瑞恵

（集英社文庫）集英社　2016-05-20

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「けれど、未来をイメージするのは難しい。自分の中でも定まっていないからだ」（p.190）

秀司との結婚を意識し始めた明里の言葉です。今の私の気持ちを代弁しているかのようで、何度も目で追いました。

いつかそのうち、いつかそのうち・・・と思っていながら、私は未だに結婚に踏み切れずにいます。決して今の日常に不満があるわけではないけど、かつてのように一歩進む勇気が出ません。

とりあえず薬で体調は落ち着いているし、やりがいのある仕事で楽しいし、自分が生活していく分はなんとか稼いでいけそうだし・・・。でも。

仕事場で、将来の夢を誇らしげに語る学生たちにあいづちをうちながら、ふと思います。

私が望んでいた未来ってこんなだったっけ？　私はあの頃、何を目指していたんだっけ。

生徒たちの姿と、昔の自分の姿がダブるのです。過去の私が今の私を監視しているような感覚になることもときどきあります。

「自分で決めるしかないことだ。何もかも、変わらないわけじゃないのなら、変わらないものを決められるのは自分だけだ」（p.290）

明里のように、私もいつか答えが出せるだろうか。

「将来を、自分1人で決めることはもうできない。誰かといっしょになるなら、何もかもその人と組み立てていくしかない」（p.242）

→著者の他の本：
　　・『思い出のとき修理します』　（2014/02/14の記事）
　　・『２ 明日を動かす歯車』　（2015/09/12の記事）
　　・『３ 空からの時報』　（2016/03/09の記事）
　　・『４ 永久時計を胸に』　

（F市図書館で借りて・背表紙幅：1.1cm）

2019/07/30 (Tue) 興味本位 Comment(0)

宮本桂 『にっぽんツバメ便り』

637冊目！

にっぽんツバメ便り

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写真：宮本 桂
監修：ポンプラボ

カンゼン (2018-09-19)

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野生のツバメの写真と、生態の紹介を1冊にまとめた本。どのページにもかわいいツバメがたくさんいて、飽きさせません。

街中を飛び回るツバメは意外と速いので、滑空中の姿勢や羽の種類が写真だとよくわかります。黒一面に見える羽根の表面には光沢があり、光の加減で美しい青や紺に見えます。羽根一枚一枚に名前と役割があることも今回初めて知りました。

小学生の頃はツバメの巣を近所や学校内でよく見かけたものですが、近年は生息数が減っていると聞きます。巣が撤去されるだけでなく、田畑が減ったり巣が作りにくい建物が増えたりしていることも大きな原因として考えられるようです。人間が最大の敵になってしまっているのはなんだか悲しい。

→同じ出版社の写真集:
　　・『にっぽんスズメ散歩』　（2019/08/25の記事）

（F市図書館で借りて・背表紙幅：1.0cm）

2019/01/27 (Sun) 興味本位 Comment(0)

『日本の「神話」と「古代史」がよくわかる本』

627冊目！

日本の「神話」と「古代史」がよくわかる本 日本博学倶楽部 （PHP文庫）　PHP研究所 2008-06-02 by G-Tools

以前同じ文庫の巻末広告で見つけた本です。歴史の教科書で「古事記」と「日本書紀」について習いますが、内容（本文）を詳しく読む機会はなく、気になっていました。

本文中ではあらすじと登場人物を紹介し、関連のある史跡や神社の写真を掲載しています。特に登場人物は万葉がなで長いものもあり、人数も多くて一読しただけでは覚えきれそうにありません。

個人的な印象ですが、記紀は旧約・新約聖書と似ている気がします。古代の人々の信仰が伝説や神話の形になり、歴史書の形をとっていること。預言者あるいは天皇の正当性を示すために、神との関わりや家系について述べる部分があること。そう考えると、簡単に読んで理解できる代物ではないことにも納得がいきます。

（古本屋で購入・背表紙幅：1.3cm）

2018/10/14 (Sun) 興味本位 Comment(0)

松原始 『カラスの補習授業』

621冊目！

カラスの補習授業 文：松原 始 イラスト：植木 ななせ 雷鳥社 2015-12-02 by G-Tools

毎朝、近所のカラスの親子が鳴く声で目が覚めます。今年もヒナがすくすく育ち、体はすっかり親鳥と変わらない姿。でも両方の翼を広げて震わせながら「おわぁぁ」「ほわわわ」とエサをねだるところ、子どもっぽさが抜けてなくてかわいいです。

続編となるこの本では、内容量も著者のカラス愛もより強化されて、前作以上にカラスワールドにどっぷり浸れます。カラス研究を始めたきっかけや、当初のアナログな観察手法は後に続きたい人（？）にも参考になりそう。

巻末には一層充実した文献リストも載っていたので、何冊か目を通してみたいと思っています。

→著者の他の本：
　　・『カラスの教科書』　（2017/10/28の記事）

（F市図書館で借りて・背表紙幅：3.5cm）

2018/08/16 (Thu) 興味本位 Comment(0)