流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
カレンダー
最新記事
(05/14)
(05/05)
(04/27)
(04/20)
(10/30)
ブログ内検索
プロフィール
HN:
流れ星
HP:
性別:
女性
職業:
アルバイト
趣味:
読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。
各記事TOPの
「○○冊目!」…在学中
「○○冊目!」…卒業後
もうすぐ通算650冊に到達予定。
各記事TOPの
「○○冊目!」…在学中
「○○冊目!」…卒業後
もうすぐ通算650冊に到達予定。
カテゴリー
アーカイブ
P R
Amazon
97冊目!
現実と非現実が交錯する世界へ迷い込んでいく主人公達。これが収録された短編全てに共通するキーワード。
あまりにもつらい現実を突きつけられると、私たちはつい目をつぶりたくなる。そして理想の世界を作り上げて夢を見続けていたくなる。
一時しのぎにはいいかもしれない。でも現実と非現実があまりにもかけ離れていると、2つの世界の行き来がうまく行かなくなって混乱する。今自分がどちらの世界にいるのか、わからなくなってしまう。
怖いなぁ。自分が作り出した夢想の世界へはまって、出られなくなってしまうのだから。
(C市図書館で借りて)
ホフマン短篇集 エルンスト・テオドール A.ホフマン 池内 紀 (岩波文庫) 岩波書店 1984-09 by G-Tools |
現実と非現実が交錯する世界へ迷い込んでいく主人公達。これが収録された短編全てに共通するキーワード。
あまりにもつらい現実を突きつけられると、私たちはつい目をつぶりたくなる。そして理想の世界を作り上げて夢を見続けていたくなる。
一時しのぎにはいいかもしれない。でも現実と非現実があまりにもかけ離れていると、2つの世界の行き来がうまく行かなくなって混乱する。今自分がどちらの世界にいるのか、わからなくなってしまう。
怖いなぁ。自分が作り出した夢想の世界へはまって、出られなくなってしまうのだから。
(C市図書館で借りて)
PR
94冊目!(「2004年新潮文庫の100冊」60冊目)
(原題:Der Vorleser)
「若いころのぼくは、いつも自信過剰か、自信がなさすぎるかのどちらかだった。自分がまったくのダメ人間で、貧相で価値のない奴に思えてくるか、あるいは、何をやっても成功し、これからもあらゆる点でうまくいくような気がするか。確信を持っているときには、非常な困難も乗り越えることができた。しかし、ちょっとした破綻が起これば、それはぼくに自分の無価値さを納得させるのに充分だった。」
上に引用した長い文章に思わずうなってしまった。まさに私の現在の心境、そのものだから。
年上の女性、ハンナと恋に落ちた若きミヒャエル。彼女は彼と会うと必ず「何か朗読してよ、坊や!」とせがむ。そのハンナがある日姿を消し、再会した時、ミヒャエルは彼女の秘密―なぜ朗読をさせたのか―を知り、さらに2人の間には過去のものであるはずの戦争の影があった。
この小説は戦争や罪について考えることもできるし、恋愛小説として読むこともできる。実際の戦争よりも後の時代を設定している分、静かな語り口で表現されてずしりと心に響くものがある。
→映画の詳細:
・Wikipedia 「愛を読むひと」
(C市図書館で借りて)
朗読者 シュリンク Bernhard Schlink 訳:松永 美穂 (新潮文庫) 新潮社 2003-05 by G-Tools |
「若いころのぼくは、いつも自信過剰か、自信がなさすぎるかのどちらかだった。自分がまったくのダメ人間で、貧相で価値のない奴に思えてくるか、あるいは、何をやっても成功し、これからもあらゆる点でうまくいくような気がするか。確信を持っているときには、非常な困難も乗り越えることができた。しかし、ちょっとした破綻が起これば、それはぼくに自分の無価値さを納得させるのに充分だった。」
上に引用した長い文章に思わずうなってしまった。まさに私の現在の心境、そのものだから。
年上の女性、ハンナと恋に落ちた若きミヒャエル。彼女は彼と会うと必ず「何か朗読してよ、坊や!」とせがむ。そのハンナがある日姿を消し、再会した時、ミヒャエルは彼女の秘密―なぜ朗読をさせたのか―を知り、さらに2人の間には過去のものであるはずの戦争の影があった。
この小説は戦争や罪について考えることもできるし、恋愛小説として読むこともできる。実際の戦争よりも後の時代を設定している分、静かな語り口で表現されてずしりと心に響くものがある。
→映画の詳細:
・Wikipedia 「愛を読むひと」
(C市図書館で借りて)
90冊目!
主人公の男性はある日灰色の服を着た男と出会い、自分の影といくらでも金貨を取り出せる袋とを交換する契約を結ぶ。財力を武器に裕福な生活を送る彼だったが、影がないことを理由に人々にさげすまれ、満足な恋愛もできず苦悩する。
影がなくなっただけでそんなに人を嫌いになるものなのかなぁ…という疑問もあるけど、確かに「他人にはあって自分にないもの」を欲しがるところが人間にはあると思う。
主人公は影を取り戻そうともがく。灰色の服の男と出会うたびに契約の取り消しを願ったり、新たな取引に応じることも考えたり。でも彼は結局どれも失敗して、影を取り戻すことができなかった。
彼は最終的に、影のない自分を受け入れて生きる道を選ぶ。偶然に手に入れた「一歩で7里歩ける長靴」(セブンリーグブーツ・『ハウル』原作に出てきたのと同じ)で世界中を歩き回り、地形観測や植物採集に明け暮れる。こういう書き方は、確か授業で出てきた「内面重視」の考え方とつながってくるように思う。
(C市図書館で借りて)
影をなくした男 シャミッソー Adelbert von Chamisso 訳:池内 紀 (岩波文庫) 岩波書店 1985-03 by G-Tools |
主人公の男性はある日灰色の服を着た男と出会い、自分の影といくらでも金貨を取り出せる袋とを交換する契約を結ぶ。財力を武器に裕福な生活を送る彼だったが、影がないことを理由に人々にさげすまれ、満足な恋愛もできず苦悩する。
影がなくなっただけでそんなに人を嫌いになるものなのかなぁ…という疑問もあるけど、確かに「他人にはあって自分にないもの」を欲しがるところが人間にはあると思う。
主人公は影を取り戻そうともがく。灰色の服の男と出会うたびに契約の取り消しを願ったり、新たな取引に応じることも考えたり。でも彼は結局どれも失敗して、影を取り戻すことができなかった。
彼は最終的に、影のない自分を受け入れて生きる道を選ぶ。偶然に手に入れた「一歩で7里歩ける長靴」(セブンリーグブーツ・『ハウル』原作に出てきたのと同じ)で世界中を歩き回り、地形観測や植物採集に明け暮れる。こういう書き方は、確か授業で出てきた「内面重視」の考え方とつながってくるように思う。
(C市図書館で借りて)
89冊目!
水の精ウンディーネは人間と結婚することによって魂を受けた。しかし彼が浮気をしたために彼女は水の底へ呼び戻され、再婚が決まると彼の息の根を止めるべくその姿を再び現す…
妖精には元々魂がない。つまり、人間と違って死んでも天国へ行けない。だから自分を愛してくれないければその人を殺すという残虐な運命に流されて、受動的な生き方しかできない…はずだった。
ウンディーネもその運命に逆らうことはできなかった。しかし彼女は魂を得て人間を愛することを知ったから、ただ命を奪うのではなく、相手を愛しながら幸せな死を迎えられる方法を考えたのではないか。
人魚姫と雰囲気はそっくり、かも。アーサー・ラッカムのさし絵がきれい。
(C市図書館で借りて)
ウンディーネ M. フーケー Arthur Rackham 訳:岸田 理生 新書館 1995-09 by G-Tools |
水の精ウンディーネは人間と結婚することによって魂を受けた。しかし彼が浮気をしたために彼女は水の底へ呼び戻され、再婚が決まると彼の息の根を止めるべくその姿を再び現す…
妖精には元々魂がない。つまり、人間と違って死んでも天国へ行けない。だから自分を愛してくれないければその人を殺すという残虐な運命に流されて、受動的な生き方しかできない…はずだった。
ウンディーネもその運命に逆らうことはできなかった。しかし彼女は魂を得て人間を愛することを知ったから、ただ命を奪うのではなく、相手を愛しながら幸せな死を迎えられる方法を考えたのではないか。
人魚姫と雰囲気はそっくり、かも。アーサー・ラッカムのさし絵がきれい。
(C市図書館で借りて)
88冊目!
スピリの『ハイジ』とあらすじが似ているような気がする。あれも確か頑固なおじいさんが子供と出会うことで、他人に対して心を開いていく物語だったよね?
主人公セドリックは、人を疑ったり怖がったりすることを知らない男の子。アメリカに住んでいた彼を、伯爵である祖父がイギリスに呼び戻し、跡継ぎとして育てるうちに人を愛することの喜びを知っていく。
キリスト教的な思想が色濃く出ている。どんなにお金持ちでも、広大な土地を持っていても、愛がなければそれで心を満たすことなどできない。他人を愛することができて初めて、生きる意味が見出せる。そしてそれを教えてくれるのは、大人ではなくてほんの小さな子供である。
バーネットは『小公女』も書いている。今度はそちらも読んでみたい。
→本書について触れている本:
・長山靖生 『謎解き 少年少女世界の名作』 (2012/05/13の記事)
・ポーター 『パレアナの青春』 (2013/11/14の記事)
(書店にて購入)
小公子 フランシス・ホジソン バーネット 訳:坂崎 麻子 偕成社 1987-09 by G-Tools |
主人公セドリックは、人を疑ったり怖がったりすることを知らない男の子。アメリカに住んでいた彼を、伯爵である祖父がイギリスに呼び戻し、跡継ぎとして育てるうちに人を愛することの喜びを知っていく。
キリスト教的な思想が色濃く出ている。どんなにお金持ちでも、広大な土地を持っていても、愛がなければそれで心を満たすことなどできない。他人を愛することができて初めて、生きる意味が見出せる。そしてそれを教えてくれるのは、大人ではなくてほんの小さな子供である。
バーネットは『小公女』も書いている。今度はそちらも読んでみたい。
→本書について触れている本:
・長山靖生 『謎解き 少年少女世界の名作』 (2012/05/13の記事)
・ポーター 『パレアナの青春』 (2013/11/14の記事)
(書店にて購入)
87冊目!
(原題:Die Leiden des Jungen Werthers)
1回挑戦して挫折した経験アリ。今度はちゃんと読みきれた。
後半に主人公がすっかり精神的にまいってしまって、自殺へと向かっていく過程と、彼の死後の妙な静けさの対比が激しい。
この作品が発表された当初、主人公と同じように自殺を志願する若者が大量に現れたらしい。「自殺擁護だ」という批判もあったようだけど、ゲーテはあくまでも人間の内面を表現することにこだわったとのこと。
今の私も若い。彼と同じように毎日の生活の中で一喜一憂を繰り返しながら過ごしている。彼の意識が自殺へと向かっていったのは、結局のところ彼は「愛されたい」という願望が満たされなかったから。愛する人はお嫁に行ってしまうわ、せっかく働き口を見つけても階級の壁にぶつかってやめなければならないわ、自分の思い通りに事が運んでくれない。
わかるよ、彼の気持ちは。正義感いっぱいで、人生という舞台で1番華やかでいられる若者だからこそ、私も毎日紆余曲折の道を歩んでいるわけで。こうやって悩みながら人間として成熟していくんだろう。ウェルテルはそれを拒んで、自ら人生を終わらせてしまったけれども。
→著者の他の本:
・『ゲーテ格言集』 (2014/11/02の記事)
(C市図書館で借りて)
若きウェルテルの悩み ゲーテ Johann Wolfgang von Goethe 訳:高橋 義孝 (新潮文庫) 新潮社 1951-02 by G-Tools |
1回挑戦して挫折した経験アリ。今度はちゃんと読みきれた。
後半に主人公がすっかり精神的にまいってしまって、自殺へと向かっていく過程と、彼の死後の妙な静けさの対比が激しい。
この作品が発表された当初、主人公と同じように自殺を志願する若者が大量に現れたらしい。「自殺擁護だ」という批判もあったようだけど、ゲーテはあくまでも人間の内面を表現することにこだわったとのこと。
今の私も若い。彼と同じように毎日の生活の中で一喜一憂を繰り返しながら過ごしている。彼の意識が自殺へと向かっていったのは、結局のところ彼は「愛されたい」という願望が満たされなかったから。愛する人はお嫁に行ってしまうわ、せっかく働き口を見つけても階級の壁にぶつかってやめなければならないわ、自分の思い通りに事が運んでくれない。
わかるよ、彼の気持ちは。正義感いっぱいで、人生という舞台で1番華やかでいられる若者だからこそ、私も毎日紆余曲折の道を歩んでいるわけで。こうやって悩みながら人間として成熟していくんだろう。ウェルテルはそれを拒んで、自ら人生を終わらせてしまったけれども。
→著者の他の本:
・『ゲーテ格言集』 (2014/11/02の記事)
(C市図書館で借りて)