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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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文学部在学中に223冊を読破。

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148冊目!

バカの壁 バカの壁
養老 孟司

(新潮新書) 新潮社 2003-04-10


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本当は図書館で『死の壁』に手が伸びたのですが、予習がてらこちらも読んでみようと思って、『バカ』から先に借りました。

第1章の見出しからいきなり、「『話せばわかる』は大嘘」。強烈すぎてなぜか失笑。数日前、知人から「話せばわかる」を連発された直後だっただけに、妙に共感しながら読めました。

タイトルの割りに、この本の内容はかなり難しいと思います。出版当初はとても話題になったのを覚えていますが、学術的な内容も含んでいて読みこなすのはなかなか大変です。

一方で、最後まで読み通すとなんとなく養老さんが説明しようとしている「壁」がうっすら形を帯びて見えてくる気もします。

「自分が知りたくないことについては自主的に情報を遮断してしまっている。ここに壁が存在しています」(p.14)

つまり、私たち人間は知りたいこと知りたくないことを既に選んで、情報が入る前から壁を作っている。好きなことや興味のある分野の情報にはよく気がつくけど、どうでもいいことには関心が向かないし見たり聞いたりしようともしない。

壁は無意識が作る…そういうことみたいです。

→本書の中で触れていた本:
  ・p. 58 カフカ 『変身』 (2012/07/23の記事
  ・p. 109 フランクル 『夜と霧』 (2012/10/13の記事

→著者の他の本:
  ・『死の壁』 (2011/09/17の記事
  ・『本質を見抜く力』 (2011/09/19の記事
  ・『超バカの壁』 (2011/09/25の記事
  ・『虫眼とアニ眼』 (宮崎 駿との共著・2012/10/03の記事

(市立図書館で借りて・背表紙幅:1.1cm)

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63冊目!

人間の覚悟 人間の覚悟
五木 寛之

(新潮新書) 新潮社 2008-11


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五木さんの著書を読むのは初めてです。

「そろそろ覚悟をきめなければならない。
 最近、しきりにそんな切迫した思いがつよまってきた。
 以前から、私はずっとそんな感じを心の中に抱いて、日をすごしてきていた。しかし、このところ、もう躊躇している時間はない、という気がする」(p. 3 改行本文)


こんな書き出しで始まるこの本。「序に代えて」というタイトルで切々とつづられるまえがきを読んでいると、今の世の中に対して抱いている不安感をあおられるようで、ぞくっとしました。

戦争体験のエピソードや、たびたび触れられる仏教の話、社会を「躁の時代」と「鬱の時代」として捉える切り口。

どうしよう。いざ手にとってみたはいいけど、難しそうだし頭が痛い内容だな。最後まで読めるかなぁ。

読み始めは不安でしたが、本文の語り口は非常に丁寧で、今まで自分が持っていた社会観をじっくり見直すことができたと思います。

これからの社会は、政治的にも経済的にも下降の道をたどる。それを人間の力で上昇に転ずることはできないと諦め、現実を見据えることが必要だ。それがすなわち、「覚悟」であると五木さんは説いています。

印象に残ったのは、次の一言。

「つき放したような言い方ですが、信じる、とは裏切られても後悔しないということです。何かを信じたなら、裏切られることがあっても絶対に後悔もせず、責めもしない、それも覚悟なのです」(p. 125)

「信じる」ということ、「覚悟する」という言葉の重みをひしひしと感じました。

(実家で借りて・背表紙幅:0.9cm)

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10冊目!

国家の品格 国家の品格
藤原 正彦

(新潮新書) 新潮社 2005-11


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ずっと気になっていました。やっと読めました。

読み始めたら止まらなくて、ほぼ1日で完読。「そうそう、私もそう思ってたんです!」とうなずかずにはいられない箇所がたくさんありました。

「主権在民には大前提があります。それは「国民が成熟した判断をすることができる」ということです。この場合には、民主主義は文句なしに最高の政治形態です」(p. 75)

いくら民主主義を声高に掲げている国でも、肝心の国民がしっかり政治をコントロールできなければ意味がない。極端な話、国民がおバカなら政治もおバカな方向にしか進まないということです。

「民主主義の本質は主権在民ですが、主権在民とは「世論がすべて」ということです。そして、国民の判断材料はほぼマスコミだけですから、事実上、世論とはマスコミです。言い方を変えると、日本やアメリカにおいては、マスコミが第一権力になっているということです」(p. 80 赤字:管理人)

確かに。選挙の時、何を参考に候補者を選んだり政治を考えたりしてるかといえば、マスコミしかないですね。ということは、マスコミの操作次第でいくらでも政治の方向は変わってしまうということです。マスコミがこれだけの力を得ているかと思うと…少しぞっとします。

「真のエリートには二つの条件があります。第一に、文学、哲学、歴史、芸術、科学といった、何の役にも立たないような教養をたっぷりと身につけていること」(p. 84)

バンザイ三唱! さんざん「そんなもん何の役に立つんだ」と言われ続けてきたけど、古典語専攻してよかった…(笑)

これには続きがあって、「そうした教養を背景として、庶民とは比較にもならないような圧倒的な大局観や総合判断力を持っていること」(同上)とあります。実際、今でもヨーロッパでは、古典ギリシア語とラテン語、更にそれらで書かれた古典が読める人ほど、有能と認められるらしいです。

(ちなみに「第二条件は、「いざ」となれば国家、国民のために喜んで命を捨てる気概があること」(同上)だそうです。)

新渡戸稲造の『武士道』も読んでみたくなってきた…。 (読みました!→2010/02/07の記事

→本書について触れている本:
  ・竹内 一郎 『「見た目」で選ばれる人』 (2014/01/02の記事

(古本屋で購入・背表紙幅:0.9cm)

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