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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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 プロフィール 
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流れ星
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女性
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アルバイト
趣味:
読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

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177冊目!

舞姫 舞姫
森 鴎外

(集英社文庫) 集英社 1991-03-20


by G-Tools
「ナツイチ2011」

高校の現代文の授業で読んで以来です。文語体のリズム感が懐かしい…と同時に、新鮮でした。あんなに古文が嫌いだったのに(苦笑)

鴎外はうつ病だった。授業で少し聞いたのを覚えています。当時はうつ病と作品との関連がよくわかりませんでした。それが、いざ自分がうつを経験してみると、鴎外自身の経験が見事に作品に反映されているのがありありと読み取れて、驚きの連続でした。

「わが母は余を活きたる辞書となさんとし、わが官長は余を活きたる法律となさんとやしけん」(p.10)

語学を極めさせようとする母と、法学の道に進ませようとする官長。板ばさみになってどうにも動けなくなる心理、わかるなー。就職活動中、就職か進学かで迷いまくっていた自分とそっくりです。

「余が幼きころより長者の教えを守りて、学びの道をたどりしも、仕えの道をあゆみしも、みな勇気ありてよくしたるにあらず、耐忍勉強の力と見えしも、みな自ら欺き、人をさえ欺きつるにて、人のたどらせたる道を、ただ一条(ひとすじ)にたどりしのみ」(p.11)

他人に言われるままに進路を歩んできたけれど、ふり返ってみれば自分の意思ではなかった。今読むと、がんばりすぎて疲れた顔の鴎外がはっきりイメージできます。時代は違っても、うつ患者として考えていたことは同じだったんだ。そう思うと、親近感がわいてきます。

主人公は出世の道を捨ててエリスと暮らすことを1度は決めますが、結局彼女を傷つけて日本へ帰ってきてしまいます。生まれてから続けてきた生き方を、そう簡単に変えることはできない。大きな現実が突きつけられて、「舞姫」は終わります。

人間て不器用だ・・・。

(表題作の他、「普請中」「妄想」「雁」を収録)

→著者の他の本:
  ・『山椒大夫・高瀬舟』 (2005/02/07の記事

→この作品について触れている本:
  ・橋本 紡 『流れ星が消えないうちに』 (2011/09/13の記事
  ・長山 靖生 『若者はなぜ「決められない」か』 (2013/01/20の記事)←「雁」について言及

→この本にハマったら次はコレ!!
  ・岡本 敏子 『奇跡』 (2012/02/10の記事

(古本屋で購入・背表紙幅:1.2cm)

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