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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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文学部在学中に223冊を読破。

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305冊目!

武者小路実篤詩集 武者小路実篤詩集
編:亀井 勝一郎

(新潮文庫) 新潮社 1953-01


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高校の現代文で文学史を習ったときに、武者小路実篤についても勉強したのをぼんやり覚えています。でも、実際に読んだ作品は『友情』1冊きりで、どんな作家・作風だったかまではほとんど忘れてしまいました。

この文庫版の詩集では、実篤が詩を書いた年代順に作品が並べられています。1行しかない詩もあれば、10ページ以上の詩も掲載されています。若い頃と老年の頃では、言葉遣いもテーマも異なっているのがわかり、まさに1人の男の人生を早送りで眺めている心地です。

今読んでみると、静かに祈る声を聞いているかのような文体で、個人的にとても気に入ってしまいました。特に「未来の人間」(p. 72)「過去の人間」(p. 73)は、空間だけでなく時間をもこえて人間すべてに訴えかけようとするメッセージで、元気が出てきます。

自分は1人ではなく、「今、誰かとつながっている」「先祖代々の命を受け継ぎ、子孫につなげることができる」という希望をつづる作品で、この詩集は終わります。読む前と後では、気分が大きく変わること、間違いなしです。

→著者の他の本:
  ・『友情』 (2005/02/16の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:0.9cm)

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282冊目!

ポー短編集 1 黒猫・アッシャー家の崩壊
ポー短編集〈1〉ゴシック編

エドガー・アラン ポー Edgar Allan Poe
訳:巽 孝之

(新潮文庫) 新潮社 2009-03-28

※ポー生誕200年記念

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(原題:The Black Cat / The Fall of the House of Usher)

ポーの「黒猫」について触れている文章をよく目にするので、1度読んでみたいと思っていました。

フランスの作家だと思っていたら、実はアメリカの作家だったんですね。読んでいてヴィクトル・ユーゴーを連想したので、フランスで評価を受けたというのも納得できる気がします。でも、英語で書かれているということは原文を読めるかも。楽しみです。

収められている6つの短編は、どこか不気味で読後も強烈な印象が残る作品ばかり。この独特の感じは他の作家では味わったことがないので、人によってはどっぷりハマってしまうかもしれません。

いくつかの作品に登場する、死んだはずなのに生き返った美女のモチーフ。東京ディズニーランドの「ホーンテッド・マンション」の中にも、心臓の鼓動の音を響かせる花嫁の幽霊が出てきます。なんだか共通してる気がする。。。

→収録されている「黒猫」について触れている本:
  ・大島 弓子 『グーグーだって猫である 2』 (2011/11/30の記事
  ・赤川 次郎 『三毛猫ホームズの追跡』 (2012/08/13の記事

→ポーといえば、日本人が連想するのはこの人:
  ・江戸川  乱歩 『江戸川乱歩傑作選』 (2005/03/04の記事) ・・・「エドガー・アラン・ポー」をもじったペンネームで有名。

→著者の他の作品:
  ・『モルグ街の殺人・黄金虫』 (2016/07/24の記事)

(古本屋で購入・背表紙幅:0.8cm)

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248冊目!

あしながおじさん(続) 続 あしながおじさん
ウェブスター Jean Webster
訳:松本恵子

(新潮文庫) 新潮社 1961-08


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(原題:Dear Enemy)

『あしながおじさん』を読んだ後、続編が気になっていました。実際読んでみると、続編というよりは番外編、今でいうスピンオフに近い感じです。

前作では主人公ジュディが書き送った手紙で構成されていました。今度は、ジュディの大学時代の親友・サリーが書き手となっています。孤児院の院長になったサリーの目で、孤児たちの日々がつづられています。

しかし、ただおもしろおかしく展開するだけの小説ではありません。英文学らしいユーモアある文章には、当時のアメリカでの女性問題や人種差別についても、記述が見え隠れします。

もう少し著者が長生きしていたら、もっと社会に問題を提起する作品も生まれていたかもしれない。そう思うと、少し残念な気持ちです。

→著者の他の本:
  ・『あしながおじさん』 (2010/02/22の記事

→本書のように、手紙形式で表現された小説作品:
  ・三島由紀夫 『三島由紀夫レター教室』 (2011/10/17の記事
  ・宮本輝 『錦繍』 (2005/04/01の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.5cm)

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111冊目!(←ぞろ目!)

あしながおじさん あしながおじさん
ウェブスター Jean Webster
訳:松本 恵子

(新潮文庫) 新潮社 1954-12


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新潮文庫から、茶色の新装カバーで出ていたので気になっていました。どんなお話なのかな…?と思っていたら、主人公ジュディから「あしながおじさん」宛ての手紙がずっと続く形で、大学生活の4年間がつづられていました。

読みながら、『アンの青春(赤毛のアンの続編)』2005/09/13の記事)を思い出すのは私だけでしょうか。寮生活をしながら、英文学を学んで先生を目指す女子学生の姿がそっくりです。主人公が孤児院出身なのも同じだなぁ。

「私は、自分たちが幸福であることを知らずにいる少女たち(たとえばジュリアのように)をたくさん知っています。その人たちは幸福に馴れすぎて、幸福に対する感覚がにぶくなってしまっているのです」(p. 194)

ジュディの魅力は、その想像力の深さ。そして、おじさんを慕って手紙を書き続ける人なつっこさ。不幸な子どもたちへの深い愛情にあると思います。

そして…一通り読み終えたとき明らかになる「おじさん」の正体。実はラブストーリーとして読むこともできるところが、ウェブスターさんやるなぁという気持ちにさせます。

→著者の他の本:
  ・『続・あしながおじさん』 (2012/07/15の記事

→本書のように、手紙形式で表現された小説作品:
  ・三島由紀夫 『三島由紀夫レター教室』 (2011/10/17の記事
  ・宮本輝 『錦繍』 (2005/04/01の記事

(母から借りて・背表紙幅:0.9cm)

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109冊目!

武士道 武士道
人に勝ち、自分に克つ強靭な精神力を鍛える

新渡戸 稲造
訳:奈良本 辰也

(知的生き方文庫) 三笠書房 1993-01


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もとは英語で書かれた本で、これは奈良本さんの現代語訳です。注がたくさんついてます。

「日本が外国貿易に全国を開放したとき、生活のあらゆる部分に最新の改良を輸入したとき、西洋の政治と学問を学びはじめたとき、私たち日本人を動かした推進力はけっして物質資源の開発や、富の増加ではなかった。ましてや西洋の習慣の模倣などではなかったのである。

(中略)劣等国とみなされることに耐えられない、という名誉心。これが動機の中で最大のものであった」(p. 173-174)


読んでいて感じたのは、新渡戸稲造は武家出身者として、日本人として、クリスチャンとしてとても誇り高い人だったということです。執筆された当時の世の中にあって、真の武士・日本人・キリスト者であろうとした強い意志が伝わってきます。

当時の西洋の学者たちの見解や著作もたくさん引用して、日本人の立場から武士の心を熱心に説明する姿が現代でも読み継がれる魅力の1つなのかもしれません。

一方で、世界中の人に読まれているのに肝心の日本人はどうだろう? 『武士道』の著作名は高校でならったけど、現代日本人はその中身を受け継いでいると言えるでしょうか。

本の中で書かれている日本人と現代人とを比べると、やはり時代の差を感じます。でもどこかにきっと、脈々と武士の血は私たちの中で生きているのでしょう。

→本書について触れている本:
  ・藤原 正彦 『国家の品格』 (2008/08/21の記事

(古本屋で購入・背表紙幅:1.5cm)

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43冊目!

トム・ソーヤーの冒険 トム・ソーヤーの冒険
マーク・トウェイン
訳:大久保康雄

(新潮文庫) 新潮社 1953-10


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TDLのウェスタンランド内に、「トムソーヤ島」というのがありますが、なるほどこの物語が元になってるわけですね。迷路のような洞窟、インディアンのキャンプ場、いかだに蒸気船、小高い岩の丘…。

友達同士で山賊や海賊を気取ってキャンプをしてみたり、窮屈な学校や教会を飛び出して冒険に出てみたり…TVゲームやおもちゃがない時代のアメリカでも、子どもたちは想像力と冒険心を存分に発揮して遊びまわっていた。

この本を読んでいると、トムやハックのような男の子たちに触発されてワクワクしてきます。

大自然の中で、自由を謳歌する贅沢! 今の日本にはない豊かさが描かれていると思います。

→この作品について触れている本:
  ・木村 尚義 『ずるい考え方』 (2012/12/03の記事)…トムのペンキ塗りのお話は、実はビジネスのヒントになるんだそうです。

(下宿先にあったもの・背表紙幅:1.4cm)

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