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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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流れ星
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アルバイト
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読書
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文学部在学中に223冊を読破。

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729冊目!

(角川ビーンズ文庫)

小説版文ストの3冊目です。前半は敦くんが探偵社の入社試験を受ける前日のエピソード、後半はもっと時間をさかのぼって、乱歩さんと福沢さんが出会って探偵社が設立されるまでのエピソードを描いています。

後半は既にアニメ化されています。1度観ただけでは劇中劇のセリフやトリックの詳細を追えなかったので、今回は文字で確認しながら読めました。アニメ版では、乱歩さんの「世界観が大きく変わった」ことを示唆するためある演出が加えられているので、小説を読んだ方は是非アニメもご覧ください。

本編での福沢さんは、探偵社の社長として社員を仕切り頼れるリーダー格。でも本作では、何やら暗い過去を持っていて孤独を好み、他人と関わることには気が進まない様子です。

乱歩さんは福沢さんとの出会いで確実に生き方が変わったのですが、福沢さん目線で見ても、乱歩さんとの出会いが福沢さんの中の何かを変えたように思えます。今後、本編の漫画版などで、福沢さんが乱歩さんとの出会いを回顧する場面が出てこないか、一ファンとして楽しみにしています。

→著者による他の作品:
  ・『太宰治の入社試験』 (2023/06/23の記事
  ・『太宰治と黒の時代』 (2023/10/30の記事

(書店で購入・背表紙幅:1.3cm)

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728冊目!

(じっぴコンパクト新書)

某動物番組に、著者が猫好きゲストとして出演していました。猫にちなんだ著書として紹介されていたのがこの本です。衝撃的だけど、どこか可愛い響きの題名。

番組内では、著者が自宅で執筆している間、飼われている猫がパソコンのキーボードにどっかり座ったり、画面をふさぐように通り抜けたりして「かまってよ」アピールをする様子も紹介されていました。

仕事の邪魔をされても、どこかニヤニヤ嬉しそうな様子の著者。締め切りが迫っていようが、大事な資料を踏まれようが、相手が猫だとついつい許してしまう。。。そんな中で書かれた本はどんな内容なんだろう、と興味がわきました。

この本は、コラムとして連載された中からテーマ別に再掲載してつくられたもの。猫とは直接関係のないテーマも含みますが、科学エッセイというジャンルを読むのは初めてで面白かったです。著者と「シュレ猫」のやり取りは、(難しい専門用語も含まれているけれど)コミカルで微笑ましい。コントのような映像が頭に浮かんで、楽しく読み切ってしまいました。

私も猫を飼い始めて実感したのですが、猫は人間のことをよく観察し、話をよく聞いています。人間の言葉を話すことはできなくても、場の空気にはとても敏感です。

ここぞという場面でおやつをねだってくるときもあれば、人間同士で重要な話をしている間は邪魔をせずに静かにしていることもあります。欲求を満たすために自己主張してくる我の強さと、場をわきまえたお行儀よさを合わせ持っている、不思議な生き物だと思います。

私自身、猫を相手に話しかける機会が増えました。神妙な表情(無表情とも言う)で聞いていてくれるときもあれば、そっぽを向いていて聞き流されていることもあるけれど、黙って聞いてくれている存在があるというのは、以前にはなかった感覚です。

猫好きな作家さんたちは、こうやって猫を相手に思索にふけりながら原稿と向き合っているんですね。

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.2cm)

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727冊目!

(表紙画像)

桜が丘中のサッカー部員たちは2年生になりました。新しく入部してきた1年生の中には、女子部員、麻奈の姿もあります。

小学校でサッカーをやっていた女の子たちが、中学校には女子サッカー部がないから競技をやめてしまうという問題もありました。

数年前に、自宅の近所の高校が女子サッカー部を創設してニュースになったことがあります。サッカーを続けたい女の子たちにとって、練習環境が整っている学校が増えれば進路の選択肢の幅も広がります。しかし、まだまだ男子サッカーに比べて部活動として広まっている印象はありません。

この作品が発表されたのは、なでしこジャパンによる女子サッカーブームよりも前。青春小説の形をとりながら、スポーツにおける男女の壁についても提起していたのですね。

今後の続編で、麻奈に焦点を当てたエピソードが出てくるのか楽しみです。麻奈の目線で中学校生活や部活動を描いた作品があれば、「サッカーボーイズ」シリーズとはまた少し違う作風になっておもしろそう。

→同じシリーズの作品:
  ・『サッカーボーイズ 再会のグラウンド』 (2022/05/22の記事
  ・『サッカーボーイズ 雨上がりのグラウンド』 (2023/02/26の記事

(古本屋で購入・背表紙幅:1.2cm)

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726冊目!

(新潮文庫)

突然、視力を失ってしまった若だんな。手がかりを求めていくと、どうやら目の神様と特別な宝の玉が関係しているらしいのですが・・・

目玉のことは「眼球」と言うし、英語でも"eye ball"なので、「ころころ」の響きからはかわいらしい玉がころがる様子をイメージします。

うちの猫も夜になると瞳が全開になり、黒いビー玉のような目をキラキラさせてこちらを見つめてくるので、毎晩その輝きに見とれずにはいられません。(元野良だからあまり見つめるのはよくないとわかっていても、吸い込まれそうな可愛さでついつい見てしまうんです)

それが必ずしも目玉ではないとしても、透き通って美しく光を反射する丸い宝石には、昔も今も人を惹きつける強い力が宿っているようです。

「金、銀、真珠に水晶、琥珀、瑠璃に瑪瑙(めのう)の七宝」(p.20)

天然石のアクセサリー専門店や、ビーズ手芸店に入ったときの、細かい光の粒に囲まれてわくわくする感覚を思い出します。

この七つの玉を巡り、最後に明かされるのは、目の神様と、ある娘の恋の悲しい顛末。若だんなの目は無事見えるようになりますが、ハッピーエンドとは言いきれない切ない結末です。

・作品の公式サイト:
  ・しゃばけ倶楽部 http://www.shinchosha.co.jp/

→「しゃばけ」シリーズ:
  1.しゃばけ (2016/09/10の記事
  2.ぬしさまへ (2016/11/23の記事
  3.ねこのばば (2017/02/19の記事
  4.おまけのこ  (2017/04/23の記事
  5.うそうそ (2017/07/30の記事
  6.ちんぷんかん (2018/10/27の記事
  7.いっちばん (2021/04/20の記事
  8.ころころろ

→著者の他の作品:
  ・『ゆめつげ』 (2015/10/10の記事
  ・『つくもがみ貸します』 (2017/10/11の記事
  ・「太郎君、東へ」 "Fantasy Seller" 収録 (2015/06/21の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.3cm)

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725冊目!



アニメの第2期を観たとき、織田作之助の強烈な存在感にショックを受けたのを覚えています。マフィアのキャラクターたちの中でも「殺さず」「孤児の支援をする」姿がカッコよくて、あとから小説版があると知ってずっと読みたいと思っていました。

ファンの間でも人気のあるエピソードで、私の周りにも「織田作」ファンが何人かいます。いつかマフィアから足を洗い、静かに小説を書きたい、という彼の夢はかないませんでしたが、今後アニメや漫画の中で、彼の遺志を継いでいくキャラクターが現れるのではないかと私は勝手に期待しています。

(今のところ、芥川が意図せず「殺さずのマフィア」を継承した形になっていますが、さてさてどうなるか?)

太宰と織田作の別れの場面は、『走れメロス』のクライマックスを思い出します。メロスはセリヌンティウスの死を止めることができましたが、太宰がその場に駆け込んできたのは織田作が致命傷を負った後でした。

織田作が「友だちだからだ」と一言告げると、太宰にとっての世界が一変します。アニメでは織田作の手が太宰の包帯を引いてほどけ、視界が広がるという演出になっていました。誰かの言葉が人の価値観や世界観を変える、という場面は文ストで時折見られますが、太宰の場合は織田作との出会いが彼の生き方を変えるきっかけになったのですね。

太宰が親友を失った後、落ち込んだりふさぎ込んだりしている描写はありません。驚くほど淡々と太宰はマフィアを抜け、新しい生き方の模索を始めます。自殺マニアではありながら、織田作の分まで生きようとしているようにも見えます。

→著者による他の作品:
  ・『太宰治の入社試験』 (2023/06/23の記事
  ・『探偵社設立秘話』 (2024/05/14の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.5cm)

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724冊目!



昨年辺りから、本屋や図書館で猫関連の本を探すルーティーンが加わりました。飼い方・育て方だけでなく、今興味があるのは「猫の絵本」。探してみると、想像以上にたくさん見つかります。

猫を描いた絵には、作家ごとに猫へのやさしいまなざしが感じ取れます。シンプルな線だけで猫の体の柔らかさを表現する作風もあれば、絵具で毛の一本一本まで描きこみフワフワな見た目にこだわった作品もあります。

この本の作者、町田さんを知ったのは「なまえのないねこ」でした。キラキラとビー玉のように輝く猫の目と、筆のタッチを残しつつびっしりと描かれた猫の被毛。さらに、何度も重ね塗りして細かいところまで描きこまれた背景の数々。ところどころに隠れている「TNR」や「ねこ」などの文字。

猫好きな大人が思わずニヤリとしてしまうしかけが散りばめられていて、何度も繰り返しページをめくりたくなります。

「ねこはるすばん」では、表紙の猫の瞳がとても細くてこわがるお子さんもいるかもしれません。でも最後のページでは・・・これは猫を飼っている方には「あるある」でしょう。

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.0cm)

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