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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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流れ星
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読書
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文学部在学中に223冊を読破。

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もうすぐ通算650冊に到達予定。
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470冊目!

九つの、物語 九つの、物語
橋本 紡

(集英社文庫) 集英社 2011-02-18

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(英題:The Nine Stories)
「ナツイチ・2011」より

タイトルを目にして真っ先に連想したのは、サリンジャーの『ナイン・ストーリーズ』でした。あれは短編集でしたが、こちらは短編がつながって1つの長篇として読める作品です。

短編1本につき、古典文学作品1本と料理が1品登場。読書好き・グルメ好き両方にウケそう^-^ またお料理がとてもおいしそうに書かれていて、空腹時に読むと苦しくなるかも?

「本当は泣きたいんだろう。どうして我慢するんだよ」(p. 313)

死んだはずの兄が現われるところから、お話はスタート。それがまったくホラーではなく、生身のままのお兄ちゃんの描写は文字通り温かみを感じさせます。

ところが主人公・ゆきなには大きな心の傷があるのです・・・。「食べる」ことを「生きる」こととリンクさせているところに、筆者の巧みなメッセージが織り込まれているよう。

巻末に、トマト・スパゲティのレシピ付き☆

→著者の他の本:
  ・『流れ星が消えないうちに』 (2011/09/13の記事

→この本にハマったら次はコレ!
  ・伊坂 幸太郎 『終末のフール』 (2015/07/12の記事

(古本屋で購入・背表紙幅:1.4cm)

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387冊目!

MOMENT MOMENT
本多 孝好

(集英社文庫) 集英社 2005-09-16

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「ナツイチ・2011」より

病院で清掃のバイトをしている主人公。就職活動を控えた学生として将来に悩みつつ、死を目前にした患者たちとやりとりをする場面が新鮮でした。

命や人生について扱うフィクションでは、どうしても重い内容になりがちです。ある場合は患者の視点、ある場合は家族や医療従事者の視点で書かれているのがほとんどではないでしょうか。

この作品の「僕」は第三者です。患者側でも医療側でもない立場で、読者に近い視点に立っている分、親近感がより強くなったのかもしれません。

続編『WILL』『MEMORY』も楽しみです。

→続編シリーズ:
  ・『WILL』 (2014/7/15の記事
  ・『MEMORY』 (2015/10/14の記事

→著者の他の作品:
  ・「ここじゃない場所」 "Story Seller" に収録(2013/11/19の記事
  ・「日曜日のヤドカリ」 "Story Seller 2" に収録(2014/08/12の記事
  ・「エースナンバー」 『あの日、君とGirls』収録 (2015/06/26の記事

→この本にハマったら次はコレ!
  ・橋本 紡 『九つの、物語』 (2015/04/11の記事

(NPOの民間図書館で借りて・背表紙幅:1.4cm)

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377冊目!

夢十夜・草枕 夢十夜・草枕
夏目 漱石

(集英社文庫) 集英社 1992-12-15

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「ナツイチ2011」より

「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ」(p. 42「草枕」)の冒頭が有名。でも本文を読むのはこれが初めてです。

高校生の頃は「難しいなぁ~」という印象しかなかった夏目漱石の文章。でも今では、漱石が書こうとしたことがなんとなく実感を伴ってつかめるようになってきました。自分もようやく読解力がついてきたのか、はたまた年齢相応に人生経験を積んだのか?

漱石が「草枕」を発表したのは1906年、今から100年ほど前です。その頃から「とかくに人の世は住みにくい」(p. 同)と言い切り、自分流のロマンティシズムや理想郷の構想を立てていたことに、彼の先進性を感じます。

「夢十夜」はアンデルセンの『絵のない絵本』と構成が似ていて、ファンタジーの要素も含んでいました。視覚的な描写にとどまらず、日本的な世界も色濃い作品。また数年たったら読み返したいと思います。

→著者の他の作品:
  ・『草枕』 新潮文庫 (2008/08/25の記事
  ・『三四郎』 新潮文庫 (2009/01/28の記事
  ・『それから』 (2014/12/28の記事
  ・『門』 (2015/04/25の記事
  ・『こころ』 角川文庫 (2014/03/09の記事

→この本にハマったら次はコレ!
  ・本多 孝好 『MOMENT』 (2013/09/29の記事

(本屋で購入・背表紙幅:1.1cm)

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290冊目!

遠野物語 遠野物語

柳田 国男

(集英社文庫) 集英社 1991-12-13


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「ナツイチ・2011」より

ページをめくってびっくり、文語体の文章だったのではじめは難しそうな印象でした。ところが古典の授業で習ったような特殊な単語は少なく、注を使えば意外とスラスラ読めます。

この本は、明治時代の終わりの頃に、遠野郷(現在の岩手県)に伝わる話を著者が本としてまとめたものです。河童や天狗、狐など、日本の昔話に登場する生き物や神々がたくさん出てきます。

グリム兄弟が民話の調査をして童話集としてまとめたように、柳田が書物の形で残してくれたことにも大きな価値があります。初めてこの作品が発表されたのが1910年(明治43年・自費出版)だから、今年で102年が過ぎました。当時でさえ忘れられかけていた物語を、現代に伝える人はほとんどいないのではないでしょうか。

単なる記録文学ではないところもこの作品の魅力です。たとえば文語体独特のリズム。長い時間を経て語られてきた分、口語体よりもしっくりなじんで文章が美しくつづられている印象があります。

また、柳田ならではの視点として、遠野の固有名詞にアイヌ語が含まれていることに言及した箇所があります。この地域ではアイヌと日本の文化が穏やかに混じりあい、息づいていたことを示しているように思います。

同じ岩手からは、宮沢賢治も輩出しています。豊かな自然と、自然と共に生きてきた人々が作り出した土壌が、このワンダーランドを支えているのだと思います。

→本書について触れていた本:
  ・西村 京太郎 『陸中海岸殺意の旅』 (2012/02/13の記事) ・・・遠野物語の舞台になった地が登場します。

→著者の他の本:
  ・『遠野物語』 角川文庫版 (2017/03/05の記事
  ・『日本の昔話』 (2015/05/17の記事

→この本にハマったら次はコレ!!
  ・夏目 漱石 『夢十夜・草枕』 (2013/08/26の記事

(古本屋で購入・背表紙幅:1.0cm)

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270冊目!

銀河鉄道の夜 銀河鉄道の夜
宮沢 賢治

(集英社文庫) 集英社 1990-12-14


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「ナツイチ2011」より

宮沢賢治は個人的に大好きでよく読んでいますが、NHK Eテレの100分de名著で紹介(2011年12月)されてからは初めて手にしました。

タイトルは「銀河鉄道の夜」でも、実際は他の短編作品と合わせて1冊の本に編集している出版社がほとんどです。番組の内容を思い出しながら考えましたが、賢治の作品の中でもテーマが似ているものを組み合わせているケースが多いような気がします。

おそらく、宮沢賢治について研究している専門家の考えも反映されているのかもしれません。巻末の解説によれば、賢治の作品は大きく3つのパターンに分類できるといいます。この本では、ジョバンニがカムパネルラを失う悲しみを軸に、同様のテーマを扱う「ひかりの素足」や「よだかの星」も収録しているというわけです。

逆に言えば、1冊だけ読んで宮沢賢治のことを全部わかった気にはなれません。別の短編集では、賢治のまた違った作風が味わえることになります。複数冊を読まなければ、賢治が表現しようとした世界をより深く体験できないのではないでしょうか。

宮沢賢治の魅力は、その才能が多方面にわたっているということもあります。今でいう鉱物学や農学といった理数系の知識もあれば、チェロを演奏したり豊かな擬音語・擬態語を紡ぎ出したりできる文系的才能も持ち合わせていました。読めば読むほど、万能人のイメージが強くなります。

今度は、賢治が別のテーマで書いた作品を読みたくなってきました。

→本書について触れている本:
  ・橋本 紡 『流れ星が消えないうちに』 (2011/09/13の記事
  ・本田 健 『10代にしておきたい17のこと』 (2012/05/09の記事)…巻末で「10代に読んでおきたい本」の1冊として紹介

→著者の他の作品・他社から出版されている本:
  ・『注文の多い料理店』 (新潮文庫) (2005/01/31の記事
  ・『新編 銀河鉄道の夜』 (新潮文庫) (2005/02/16の記事
  ・『銀河鉄道の夜』 (角川文庫) (2008/09/05の記事
  ・『注文の多い料理店』 (岩波少年文庫) (2012/09/10の記事
  ・『セロ弾きのゴーシュ』 (角川文庫) (2013/04/11の記事

→この本にハマったら次はコレ!!
  ・柳田 国男 『遠野物語』 (2012/10/23の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.1cm)

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261冊目!

夏休み 夏休み
中村 航(なかむら こう)

(集英社文庫) 集英社 2011-06-28


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「ナツイチ 2011」

著者が工業大学出身のためか、カメラの分解や取り扱い説明書など理数関係の描写が出てきます。だからといって難しい技術の話が続くわけでもありません。

ユキのママが淹れるお茶、夫婦2組のTVゲーム、主人公が訪れる草津温泉。時間の流れがゆったりとして、読んでいるこちらも癒されそうなモチーフが配されています。

個人的には、ゲームの描写がおもしろすぎて何度も吹き出しました。電車やバスで隣に座っていた人たちに、変な本かと思われたかも(笑)

→この本にハマったら次はコレ!!
  ・宮沢 賢治 『銀河鉄道の夜』 (2012/09/01の記事

(古本屋で購入・背表紙幅:0.9cm)

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