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流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
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文学部在学中に223冊を読破。

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245冊目!

星の王子さま 星の王子さま
アントワーヌ・ド サン=テグジュペリ Antoine de Saint Exup´ery
訳:池澤 夏樹

(集英社文庫) 集英社 2005-08-26


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(原題:Le Petit Prince)

「ナツイチ 2011」

2005年に新訳が出てから、初めて読み返しました。新潮文庫・角川文庫・集英社文庫と、それぞれ違う訳で仲間入りし、夏のキャンペーンでも必ず見かけるようになりました。

安価で名作が読める一方、微妙に翻訳の言葉遣いが違っていて、訳者さんたちの苦労が伺えます。特にこの作品では、直訳の「小さな王子」とするか、日本人に慣れ親しんだ「星の王子さま」とするかで、出版社ごとに違いが表れています。通訳・翻訳のあり方を考える上では、興味深いケースの1つとなるでしょう。

個人的には岩波書店の訳になじんでいたので、同じ物語なのに違う文章なのが不思議な感じでした。でも、いまの日本語で洗い直され、新しい姿を見せてくれたことは歓迎です。より多くの人に親しまれ、読み継がれていく1冊になることを願います。

→他の出版社・訳による本:
  ・河野 万里子 訳 (新潮社版) (2013/03/29の記事

→本書について触れている本:
  ・海堂 尊 『医学のたまご』 (近日更新)
  ・斎藤 茂太 『続 いい言葉は、いい人生をつくる』 (2012/05/29の記事
  ・本田 健 『10代にしておきたい17のこと』 (2012/05/09の記事

→著者の他の本:
  ・『人間の土地』 (2006/05/21の記事

→この本にハマったら次はコレ!!
  ・中村 航 『夏休み』 (2012/08/17の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:0.9cm)

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235冊目!

幸福論 幸福論
アラン Alain
訳:白井 健三郎

(集英社文庫) 集英社 1993-02-19


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(原題:Propos sur le Bonheur)

「ナツイチ2011」

NHK Eテレ「100分de名著」で以前取り上げられていた本です。内容は深いのに、集英社文庫からこんなにかわいい装丁で出ていました^^

注目が集まっているのか、図書館でも予約が多くて引っ張りだこのよう。期限内にじっくり読むことができず、結局自分用に1冊買ってしまったほどです。

訳は少し難しい気がしますが、解説の本なども活用すると比較的簡単に理解できます。文章そのものはとても身近な内容や例が多いので、哲学者とは思えないほどでした。

「アラン」という名前はペンネームで、新聞に毎日寄せていたコラムを編集し直し、本としてまとめた形式になっています。そのため、各章は2~3ページと簡潔です。(連載当時、毎日切り抜いていた読者もいたらしい。現代日本で言えば、「天声人語」みたいなものかな?)

編集は掲載順ではありませんが、アランが幸福について述べるにあたり、きちんとテーマをそろえて順番を付け直したような印象があります。幸福について、アランが強調したい内容は最後の5~6章に集約されているように思います。

→本文中で紹介されていた本:
  ・p. 115 ルナール 『にんじん』 (2015/11/05の記事

→川端康成も、アランを読んでいたかも?
  ・川端 康成 『雪国』 (2005/01/26の記事)(2回目・2011/11/09の記事

→この本にハマったら次はコレ!!
  ・サン=テグジュペリ 『星の王子さま』 (2012/07/05の記事

(C市図書館で借りて+書店で購入・背表紙幅:1.5cm)

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203冊目!

奇跡 奇跡
岡本 敏子

(集英社文庫) 集英社 2011-02-18


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「ナツイチ2011」

著者は、岡本太郎のそばで秘書をつとめ、サポートに尽くしてきた人物。本書の内容紹介を読んで自伝かと思ったのですが、実際はフィクションでした。

主人公の女性が、名の知れた建築家の男性と出会い、愛され仕事の腕も上げていきます。著者同様、彼女は結婚しませんが、現代女性の「家庭も仕事も充実させたい」という二足のわらじを見事に手に入れています。

本人はもともと出世していく意欲はなく、「ぽうっと」した性格なので将来のことも深くは考えていなかったことが読み取れます。そういう意味では、仕事熱心な女性に多い「がつがつした感じ」はまったくありません。

愛する人は、物語中盤で突然この世を去ります。前半は濃厚なラブシーンや会話が続くのに、後半はぱたりと静かな雰囲気。音楽でいえば「転調」のような、劇的な切り替えが巧妙でした。

対談で、「太郎はまだ生きている」と語っていた敏子さん。その確信で貫かれた生き方が、まっすぐでとても凛として見えました。

→巻末で対談をしていた、よしもとさんの本:
  ・『キッチン』 (2005/04/10の記事)・・・「吉本ばなな」名義
  ・『なんくるない』 (2012/10/15の記事

→この本にハマったら次はコレ!!
  ・アラン 『幸福論』 (2012/05/31の記事)…NHKの「100分de名著」でも取り上げられてましたよね。

(古本屋で購入・背表紙幅:1.3cm)

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177冊目!

舞姫 舞姫
森 鴎外

(集英社文庫) 集英社 1991-03-20


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「ナツイチ2011」

高校の現代文の授業で読んで以来です。文語体のリズム感が懐かしい…と同時に、新鮮でした。あんなに古文が嫌いだったのに(苦笑)

鴎外はうつ病だった。授業で少し聞いたのを覚えています。当時はうつ病と作品との関連がよくわかりませんでした。それが、いざ自分がうつを経験してみると、鴎外自身の経験が見事に作品に反映されているのがありありと読み取れて、驚きの連続でした。

「わが母は余を活きたる辞書となさんとし、わが官長は余を活きたる法律となさんとやしけん」(p.10)

語学を極めさせようとする母と、法学の道に進ませようとする官長。板ばさみになってどうにも動けなくなる心理、わかるなー。就職活動中、就職か進学かで迷いまくっていた自分とそっくりです。

「余が幼きころより長者の教えを守りて、学びの道をたどりしも、仕えの道をあゆみしも、みな勇気ありてよくしたるにあらず、耐忍勉強の力と見えしも、みな自ら欺き、人をさえ欺きつるにて、人のたどらせたる道を、ただ一条(ひとすじ)にたどりしのみ」(p.11)

他人に言われるままに進路を歩んできたけれど、ふり返ってみれば自分の意思ではなかった。今読むと、がんばりすぎて疲れた顔の鴎外がはっきりイメージできます。時代は違っても、うつ患者として考えていたことは同じだったんだ。そう思うと、親近感がわいてきます。

主人公は出世の道を捨ててエリスと暮らすことを1度は決めますが、結局彼女を傷つけて日本へ帰ってきてしまいます。生まれてから続けてきた生き方を、そう簡単に変えることはできない。大きな現実が突きつけられて、「舞姫」は終わります。

人間て不器用だ・・・。

(表題作の他、「普請中」「妄想」「雁」を収録)

→著者の他の本:
  ・『山椒大夫・高瀬舟』 (2005/02/07の記事

→この作品について触れている本:
  ・橋本 紡 『流れ星が消えないうちに』 (2011/09/13の記事
  ・長山 靖生 『若者はなぜ「決められない」か』 (2013/01/20の記事)←「雁」について言及

→この本にハマったら次はコレ!!
  ・岡本 敏子 『奇跡』 (2012/02/10の記事

(古本屋で購入・背表紙幅:1.2cm)

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118冊目!

逝年 逝年(せいねん)
石田 衣良

集英社 2008-03


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「ナツイチ・2011」より

『娼年』(2010/01/05の記事)の続編です。続きが気になって、手に入れたら1日で完読してしまいました。

前作とは少し物語の空気が違うな、というのが第一印象でした。娼夫という仕事のインパクトが大きかった前作よりも、トーンが抑えてある感じがします。「動」と「静」のように、対になっているといってもいいかも。

この作品のテーマは、「命の重さ」なのかなぁと思いました。道徳の授業で習う表面的な「重さ」「尊さ」じゃなくて、もっと深い愛情に根づいた命の姿です。

愛する人がもうすぐこの世からいなくなってしまう。自分にしてあげられることは何か。問いかけながら行動し、仲間の協力も得ながら実行に移していく主人公は、前作よりもずっとまっすぐで成長していました。

彼はクライマックスで、仕事ではない形で女性を愛し(二作の中で最初で最後の描写です)高みに達しさせます。読んでいていやらしい気持ちにさせないのは、石田さんの筆の力のためかもしれません。

→著者の他の作品:
  ・『美丘』(2010/09/24の記事
  ・『4TEEN【フォーティーン】』 (2015/10/25の記事
  ・『スローグッドバイ』 (2016/03/14の記事
  ・『6TEEN【シックスティーン】』 (2016/09/02の記事

(古本屋で購入・背表紙幅:2.0cm)

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103冊目!

娼年 娼年 (しょうねん)
石田 衣良

(集英社文庫) 集英社 2004-05


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<2009・ナツイチ 夏の一冊 集英社文庫>

タイトルにドッキリ。しかも英題が"call boy"って・・・。興味津々でページを開きました。

恋愛も大学生活も退屈した主人公が踏み込んだのは、娼夫の仕事。女性たちの欲望をのぞいていくうち、さまざまな人間の姿をおもしろいと思える自分にも出会っていきます。

「ほんとうは自分のものでないことで悩み、自分の考えでも価値観でもないことで人を裁く人間が、この世界にはたくさんいる」(p. 141-142)

体を売る人間。それを買う人間。それをビジネスに食べている人間。そんな仕事は汚いと毛嫌いする人間・・・。

まるでカメラを回しドキュメンタリーを撮っているように、いろいろな観点から描かれる世界。全く私の知らない世界、でもこれも私たちが生きる世界の一部なんだ。

どんな仕事でも、それを天職とする人間が存在する。生きがいがあり、やりがいがあり、社会の一部としてつながっている何よりの証拠なのかもしれない。

・・・まとまってないですね、ハイ(汗) 色々なことをうーんと考えさせられます。

→続編 『逝年』(2010/03/25の記事

→著者の他の作品:
  ・『美丘』 (2010/09/24の記事
  ・『4TEEN【フォーティーン】』 (2015/10/25の記事
  ・『スローグッドバイ』 (2016/03/14の記事
  ・『6TEEN【シックスティーン】』 (2016/09/02の記事

(古本屋で購入・背表紙幅:1.0cm)

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