忍者ブログ
流れ星による読書日記。大学在学中に200冊を読破。現在のべ900冊目に突入中! 目指すは…1000冊?
 カレンダー 
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
6 7 8 9 10 11
12 13 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
 ブログ内検索 
 プロフィール 
HN:
流れ星
性別:
女性
職業:
アルバイト
趣味:
読書
自己紹介:
文学部在学中に223冊を読破。

各記事TOPの
「○○冊目!」…在学中
「○○冊目!」…卒業後
もうすぐ通算650冊に到達予定。
 カテゴリー 
 P R 
 Amazon 
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6]  [7]  [8
498冊目!
(新潮文庫の100冊/97冊目)
きみの友だち きみの友だち

重松 清

(新潮文庫) 新潮社 2008-06-30

by G-Tools
友だちって、なんだろう。

私は20年近く、ずっと考えてきました。きっかけは小学2年で転校を経験したこと。そして、私立の女子校を受験したこと。今思うと、数年ごとに友人との関係がリセットされて、同年代との交流に抵抗を持つようになっていました。

親友って何? いつも一緒にいる子? ケンカしたり、意見が食い違ったりしたら、友だちの関係ってもう終わり? 当時の私も、疑問に思いつつ大人には聞けないまま、日々をすごしていた記憶があります。

ケータイやスマホで人間関係を構築する現代の子どもたちは、今の大人よりももっとシビアな印象です。返信がなければ仲間はずれ、ちょっとした発言で派閥争い…まるで大人の世界を映しているかのよう。

そんな中で、本書の主人公たちが選んだ「友だち」は少し変わっています。周囲からすれば、「なんで一緒にいるのかわからない」組み合わせ、でも本人たちにとっては「互いに選び合った」関係のようです。なんだか結婚と似てる・・・。

個人的には、彼らがうらやましいです。もしこの作品が15年くらい早く発表されていたら、当時の私も何らかの希望が持てたかもしれません。

→映画の公式Webサイト:
  ・http://www.cinemacafe.net/official/kimi-tomo/

→著者の他の本:
  ・『ナイフ』 (2006/04/16の記事
  ・『エイジ』 (2005/07/19の記事
  ・『せんせい。』 (2015/10/04の記事
  ・『疾走』 (2017/10/27の記事
  ・『きよしこ』 (2019/03/03の記事
  ・『ロング・ロング・アゴー』 (2019/03/27の記事

(古本屋で購入・背表紙幅:1.6cm)

拍手[1回]

PR
497冊目!
(2011・新潮文庫の100冊/96冊目)
龍は眠る 龍は眠る
宮部 みゆき

(新潮文庫) 新潮社 1995-01-30

by G-Tools
「人間はな、大人は、自分が知らないうちに悪いことをしたと気づいたとき、すぐに『スミマセン』と言えるほど単純じゃないんだ」(p. 110)

仕事上、自分よりも年下の相手と話す機会が増えています。心がけているのは、自分が間違いだとわかったら素直に認めて謝ること。たとえ子どもでも、誠実な態度をとろうとしない人間には信頼を寄せてくれません。

気がつけば、私もどっぷり「大人の世界に生きている人間」になっていました。自覚の有無に関わらず、世間からみればいい年をした大人の1人です。普段の私は、大人として恥ずかしくない程度にみてもらえているんだろうか?

「何かの形でハンディを背負っている人間が生きやすいようにできていなければ、文明国とは言えまい」(p. 302)

発表から25年近くがたちました。格差が広がり、少子高齢化が進む現代の日本で、「文明国」という概念がどんな扱いを受けているのか気になります。

→著者の他の本:
  ・『魔術はささやく』 (2005/06/24の記事
  ・『理由』 (2005/09/20の記事
  ・『火車』 (2006/03/30の記事
  ・『初ものがたり』 (2008/01/27の記事
  ・『ブレイブ・ストーリー』 (2009/07/08の記事

→著者の公式サイト:
  ・大沢オフィス「大極宮」 http://www.osawa-office.co.jp/

(古本屋で購入・背表紙幅:2.0cm)

拍手[0回]

490冊目!
(2011・新潮文庫の100冊/95冊目!)
トリツカレ男 トリツカレ男
いしい しんじ

(新潮文庫) 新潮社 2006-03-28

by G-Tools
まずは薄さにびっくり。簡単に読みきることのできる長さのお話です。

そして開いてびっくり。「本文の書体がいつもの新潮文庫と違う!」 子どもの頃読んでいた、岩波書店の独特の文字体にとても近いです。なんだか童話を読んでいるみたいでした。

本文の言葉づかいも、温かみがあって懐かしさを感じさせます。主人公のジュゼッペは色々なものに夢中になるあまり、「トリツカレ男」のあだ名がつけられていますが、決して嫌われてはいません。

「今度はなんだい、いったい何にとりつかれてるんだい?」

オペラ調でずっと歌いながら会話していようが、街中をぴょんぴょん三段跳びで移動していようが、地域の人たちのまなざしはとても温かです。困ったやつだなぁと呆れてはいても、のけ者にされたりいじめられたりすることはありません。

街の人たちみんなが、彼を住民の1人として自然に受け入れている。もし私のうちの近所にこんな人がいたら、迷惑な奴として嫌がられそうです。

読んでいると、なんだかほっとした優しい気持ちになれます。自分に最近欠けていたこんな気持ちを、この作品が取り戻してくれたようです。

→著者のブログ:
  ・いしいしんじのごはん日記 http://www.mao55.net/gohan/

(古本屋で購入・背表紙幅:0.7cm)

拍手[0回]

485冊目!
(2011・新潮文庫の100冊/94冊目!)
太陽の塔 太陽の塔
森見 登美彦

(新潮文庫) 新潮社 2006-06-01

by G-Tools
「太陽の塔」といえば、岡本太郎のあの作品。あの太陽の塔?・・・あの太陽の塔でした。

舞台は京都。大阪じゃなくて京都・・・。この組み合わせが意外でしたが、読んだ後は妙に納得。あの太陽の塔の存在感は、小説の中でもどしりと構えている印象です。

主人公の妄想がおもしろい、だけでなく、常に寂しさをにじませているところに共感する人が多いかも。ただの「現実が見えていない」男ではありません。むしろその日その日を生きるのに必死。

私もそういえば「彼氏ほしいー!!」って突っ走ってた頃がありました。あのときの感覚を思い出します。

→著者の他の作品:
  ・『有頂天家族』 (2008/07/29の記事
  ・「四畳半世界放浪記」 "Fantasy Seller" に収録 (2015/06/21の記事

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.0cm)

拍手[0回]

484冊目!
(2011・新潮文庫の100冊/93冊目!)
うらおもて人生録 うらおもて人生録
色川 武大

(新潮文庫) 新潮社 1987-11-30

by G-Tools
著者は麻雀のプロとして昭和に活躍した人物。1冊を通じて、生い立ちや勝負事の心構え、人生訓など複数の要素を語っています。

1年間、毎週雑誌に掲載されていたらしく、毎回読者となる若者へのメッセージを意識した文体です。博打と聞くとアンダーグラウンドな印象がつきものですが、言葉があまりにもやさしく丁寧なので、近所のにこやかなおじさんからお話を伺っているように思えてきます。

「劣等生でもいいけれども、せめて魅力的な劣等生になってやろう」(p. 171)

本文で頻繁に使われているのが「劣等生」という言葉。今はあまり耳にしなくなった気がしますが、 才能があっても学校のテストの成績に反映されないケースは現代でも存在します。むしろ、少子化と学力二極化の中で、色川さんの声を必要としている若者は増えているかもしれません。

(C市図書館で借りて・背表紙幅:1.3cm)

拍手[0回]

481冊目!
(2011・新潮文庫の100冊/92冊目!)
ワーキングガール・ウォーズ ワーキングガール・ウォーズ
柴田 よしき

(新潮文庫) 新潮社 2007-04-01

by G-Tools
「あたしだってもう、三十だもんなぁ。三十歳。三十代になるって、女にとってどういうものなんだろう」 (p. 171)

先日、私も三十代に仲間入りしました。登場する3人の女性のうち、1番年齢の近い女性のこのセリフには妙に共感したなぁ。

この作品の発表は、酒井順子氏の「負け犬の遠吠え」が出版される直前だそうです。「勝ち組」「負け組」の言葉が広まる前に、仕事一筋で生きてきた女性を扱った作品があったなんて。

女性の生き方が選べる時代になっても、「負け犬」ブームが去っても、社会の根本は10年間変わっていないのではないでしょうか。いくら時の政権が「女性の社会進出」をうたっていても、女性の管理職・議員・活躍の場は大きく増えていません。

個人的には、身近に先輩にあたる人がいないので、生き方のモデルをどこで探せばいいか困っているところです。職場には同世代の人がいないし、近所づきあいもいまいち。しかも心の病気もあるから、なおさら特殊だよなぁ。

どんな30代を生きたいか? まだまだまとまっていないのが現状です。

(F市図書館で借りて・背表紙幅:1.4cm)

拍手[0回]

Template by ららららいふ / Material by 素材くん「無料WEB素材屋」

忍者ブログ [PR]